英語快読300万語 (16)-リスニングに変化が?

楽しく「多読」をやってはいるが、英語の実力については、あまり向上の「実感」はない。まぁ、以前は面白く感じなかったPGR3が「面白い」と感じるようになったこと…。それって、実は、英語の力が上がったせいもあると思うので、確かに、「何か」が少しずつは変わってきているとは思うのだけれど…・。

PGR3が「今ひとつ」だった理由には、当時はまだ「多読」を半身でやってた、というのもあります。「それなりに英語が読める」という「自負」も多少はあった私としては、「簡単なものを読む」というのに、ちょっぴり「抵抗感」もあったのです。「それなりに」と言っても、私の英語は今となってみれば(>というか当時も実力不足は充分に感じており、だからこそ「多読」を始めたのだけれど)、非常に足腰の弱いもので、「まだら」なものだったのでありますが。(>今もそうなのですが)

SSSの掲示板では、時々、多読の効果として「リスニングの力がついてきた」という報告があります。私の場合は、「あんまり変化ないなー」というのが実感でした。

ところが! 先日、「フロスト警部」を見てたら、ノラ猫がいっぱい住みついている猫屋敷みたいなとこに住んでるおばあさんが、近所の子どもたちが、”call me names”するんだ、とフロストに訴えていました。おぉ! これは、ジャクリーヌ・ウィルソンにしつこく出て来る表現であります。私、以前はこの表現知らなかったので(>告白)、この表現を覚えたことによって、耳がこのフレーズをキャッチしたのだと思います。

そして、また別の日、「バーナビー警部」を見てたら、”Coffee?” “You bet”というやり取りがありました。この、”bet”もウィルソンでしつこく出て来る表現です。単語自体は知っていたけれど、ウィルソンの作品に何度も出て来るような使い方は、身にはついていなかった。

このやり取りの後、「コーヒー飲むか?」と尋ねた方が答を聞いてコーヒーを入れてやってるので、”You bet”は聞き取れなくても、肯定的な答をした、ということは分かります。多分、以前だったら、音はちゃんと聞き取れなくて(>だって、私、こういう場面でbet使うという風には思ってなかったから)、でも、まぁ、スジは追えてるからいいや…と流していたと思う。

それが、耳にちゃんと、”You bet”と聞こえてきたことは、これはもう、ウィルソンのおかげですねー。

…という訳で、私にもようやく「多読効果」がちょっぴり「目に見えてきた」(>「耳に聞こえてきた」?)という感じ。

こうやって楽しく多読を続けていたら、今後、どんな変化が表れてくるのだろう…ととっても楽しみです。

63.2005年5月7日:Vicky Angel: 児童書:36000語:965406語:☆☆☆☆☆:ウィルソンのものは、主人公が8-11歳くらいのものの方が私は読みやすく、Girls in Loveは途中で「捨て技」を使いました。Girls in Tearsを翻訳で読んで、なんとなく(私にとっての)「読みにくさ」の秘密が分かったような気がしました。アップテンポだけど、そのテンポについていけないというか。そのテンポがイギリスの「事情」と絡まっているので、そのあたりのことが分かってないと、テンポに乗り切れないというか。そして、そういう「事情」と絡んでの、気持ちの動き方が、日本のティーンズよりもちっと複雑というか。そのあたりの「機微」が私にはまだ読み取れないというか。 
 なので、このVicky Angelも「乗れないかなぁ」と思って読み出したら、ぐいぐいと引き込まれました。Vickyは主人公と親友だけど、いつも主人公をリードする側。主人公は時々は、心にひっかかるものを感じながらも、やっぱり言いなりになってしまう。ある日、学校から帰る途中、Vickyが交通事故で死んでしまいます。その後、Vickyは天使になって、主人公にまとわりつきます。天使になってもVickyは気まぐれでボッシーです。

64.2005年5月8日:The Secret Agent: PGR3:9700語:975106語:☆☆☆☆:舞台は20世紀初頭のロンドン。アナーキスト

英語快読300万語 (15)-LLLを読もう!

私の多読は、SSSの学習法の基本も参考にしつつ、我流も混ぜながら、心の赴くままにやっているのだけれど、一つだけ「守ろう」と思っていることがある。それは、どの「100万語」にも、レベル0の本を10冊は入れようということである。

元来、「考えて方針を決めてから歩き出す」というよりは「歩きながら考える」タイプの私は、多読についても、「とりあえず」始めてしまった感があり(>『快読100万語!』は一応読んだのだが)、その後、SSSのサイトを徘徊するうちに、「おぉ、そうだったのかぁ」と「お薦めの方法」を知ったりもしているのだ。

私の英語を読む速度はあいかわらず「中級者」なので、「中級者」で多読を始める人へのアドバイスはレベル0の本を10冊は読むこと…となっている。だから、どの「(超)100万語」を始める時も、「初心にもどって」レベル0の本を10冊は読もうと思っているのだ。

(ところで、私の「多読」は「SSS方式+自己流」のミックスである。SSSのサイトはディープで、まだ「探検」しつくしていない。「今更」ながらに、「基本」に立ち返って、「学習法」の項目などを時々覗く。「そういう所は最初に押させておけよ!」なのだけれど、私は「とりあえず始める」「歩きながら考える」というタイプなので、「基本」を押さえずに「始めてしまう」ことが多いのだ。

なのだが、「多読」の際に「守ろう」と思っていることがあって、それは「どの100万語」でも、レベル10の本を10冊以上読む、ということだ。語数がそろそろ70万語も越え、レベル0の本をそろそろ入れておかないと「300万語」にレベル0の本がなくなっちゃうぞー!というので、39の文献からレベル0の本を入れることを意識しながら進めている。)

49-57.2005年5月2日:A Walk with Sam, Dizzy, The Snail, The Goose Chase, Teatime for Sam, Playing with Pip, Lost, Sam’s Zoo, Aha! :LLL0,LLL1,LLL3: 計233語:914252 語:☆☆☆(+):SSSのHPでは、「恵まれた環境にある人」にはORTの各レベルを3冊ずつ読むことが薦められている。私はORTは「親子で多読」の方で息子と読んでいる(>息子に読ませている?)ので、ORTよりも、「大人」に人気というLLLの方をちょっぴり読んでみることにした。まだ低いレベルしか読んでないので比較は出来ないけど、ORTの方が絵が可愛いかな?

58-59.2005年5月2日:It’s too Windy , Don’t Cut my Hair: SCL1:80+74=154語:914332語:☆☆☆(+):「お勉強系」のお話もけっこうあるというScholasticにもちょっと手を出してみようかな? 

60.2005年5月2日:Marcel and the White Star: SCL1:80+74=154語:914332語:☆☆☆(+):ネズミのマルセルのシリーズ。盗まれたダイヤモンドを取り返すべく、マルセルが活躍します。英語の中にフランス語が入っていると、それが、地名や人名だけでも、ちょっと読む速度にブレーキがかかります。いずれフランス語やドイツ語の「多読」もやってみたいなぁ。

61.2005年5月2日:The Boxers:PGR3:9100語:92446語:☆☆☆☆:題名を見て、ボクサーたちの話かと思ったら、ボクサー一家の話であった。警官が殺され、妹が疑われる。家族の確執を含んだ推理物。

62.2005年5月6日:Doraemon 5: マンガ:5000語:97446語:☆☆☆☆:せっせと語数稼ぎ。

英語快読300万語 (14)-映画『エミールと探偵たち』に見る時代の変化

SSSの掲示板で『エミールと探偵たち』のことが話題になっていたので、なんだかなつかしくなって、PGRの『エミールと探偵たち』を読んでみました。文献37です。小学生の時に読んで以来でしたが、子どもの頃と同じく、ハラハラ、ドキドキしながら読みました。

レンタルビデオ屋さんで、ふと『エミールと探偵たち』のビデオを発見。そういえば、Qはケストナーを読んだことがないので、借りていってやることにしました。

ケストナーの『エミールと探偵たち』は徹底的に男の子のお話です。活躍するのはすべて男の子。でも、映画では女の子も「探偵」として活躍します。

「エンサイクロペディア・ブラウン」のシリーズでもそうだし、「名探偵コナン」でもそうだけど、最近は「腕っぷしの強い」女の子ってのが、けっこう子どもの物語に登場しますね。これは旧来のジェンダー関係の「脱構築」(>ほりくずす?)でもある訳だけど、でも、これってリアリズムの観点から行くとどうんだろ。「ありえない」設定だと「脱構築」にならないんじゃないだろうか。「物語」の上だから、として、安心して「強い」女の子を楽しむことにはなるが、現実社会のジェンダー関係を変えていくことにはつながらないかもね。

まぁ、それでも、「女の子はいつも待ってるだけ」っていう物語よりは、フェミニズム・ポリティクスの観点からは100倍もマシかもしれないけど。

それに、小学生くらいだと女の子の方が「強い」っていうのもあるから良いのかな? 

若桑みどり『お姫さまとジェンダー』( )では、女の子がプリンセスストーリーで「受身」であることを「刷り込まれる」と分析しているけれど、こういう「強い」女の子のストーリーを読んだ子ども達の心には、何が「刷り込まれる」のかしら?

45.2005年4月19日:Taxi of Terror :OBW0: 700語:868019 語:☆☆☆:PGR1とOBW1だとOBW1の方が好きだけど、PGR0とOBW0だとPGR0の方が好き。OBW0は絵が可愛くないせいか、あるいは別の理由からか、なんとなく読みにくさを感じる。それは、まだ変わってないみたい。

46.2005年4月24日:Doraemon 3 :マンガ: 5000語:873019 語:☆☆☆☆:サクサクと語数稼ぎ。

47.2005年4月25日:Emil and the Detectives :PGR3: 11000語:884019 語:☆☆☆☆:小学生の頃、ケストナーの作品とても好きでした。久々に子どもの頃に戻った気分。

48.2005年5月1日:Bed and Breakfast Star :児童書: 30000語:914019 語:☆☆☆☆☆:継父が失業したため、主人公一家はベッド&ブレックファストで暮らすことになります。キングスクロスあたりで「あんまり安いB&Bに泊まると、一部がホームレスのために自治体によって借り上げられてるなんてことがあるよ」っていわれたことがあるんですが、要するにそういうB&Bなんですね。主人公たちの暮らしは確かに大変ではあるけれど、「食い詰めた」家族に対して、無料であるいは非常に安価に住宅が提供されるという、イギリスの福祉の一面をビビッドに感じられたりもする作品。もちろん、主人公たちは、安B&Bで快適に暮らしている訳じゃないのだけれど、でも、多分日本で突然お父さんがリストラにあってこれまでの家に住めなくなった、という時にこの程度の宿も提供されないんじゃないでしょうか? 
 それはともかく、そんな環境にあっても、主人公は明るくたくましく、母や幼い妹弟を助けて生きていきます。