英語快読400万語 (5)-グリシャムを読む&『ラブ・アクチュアリー』

グリシャムは人気作家だけど、私、翻訳でも1冊も読んだことがなかった。GRのいいところは、こういう「有名だけど今まで読んだことない」という作家の作品を、「どんな感じ?」と気軽に覗いてみることが出来る点かも。

という訳で、これまた有名な『依頼人』を、グリシャム「入門」ということで読んでみた。これ、TVドラマのシリーズになってるみたいで、ケーブルTVのミステリ・チャンネルでも時々やってる。見たことないけど。機会があったら見てみようかな。

レンタルビデオ屋さんで、ふと『ラブ・アクチュアリー』を見かけて、借りた。これは劇場公開された時に見に行った作品だ。(>私、なんだかんだとヒュー・グラントの出てる映画はたいてい見てるなぁ)

で、映像を見たついでにGRの方も読んでみた。これまではあんまり映画のストーリーのGR版って読む気にならなかったんだけど、読んでみたらなかなか面白かった。これからは映画の小説版もGRで読んでみることにしよう。映像と合わせて読むと、映像も深く見れるし、GRも深く読めるような気がする。

ここまでの総語数、168901語。

15.2005年6月6日:The Client:PGR4:12000語:☆☆☆☆:グリシャムは人気作家だが翻訳でも読んだことがなかった。グリシャム「入門」として読んでみることに。

16.2005年6月9日:Secrets:児童書:46000語:☆☆☆☆☆:やっぱりジャクリーヌ・ウィルソンは面白いです。ワンパターンだなぁと思ったりもするんだけどね。でも、「幸せ」の形はひとつだけど「不幸」の形は沢山あるっていうこと?って思ったりもしたりして。いつも、なんらかの「不幸」を抱えた子どもが登場するけど、その「不幸」にはいろいろな形があるから。
 母親のボーイフレンドから虐待を受けた主人公は、それに義憤を覚えた祖母と一緒に暮らし始める。彼女が暮らしているのは貧しい人ばかりが住むカウンシルハウス。ある時、お金持ちだけど孤独な少女と知り合い、境遇が全く違う2人は友情を育て始める。

17.2005年6月11日:Love Actually:PGR4:☆☆☆☆☆:14200語:映画だけ見ている時には読み取れていないメッセージというのがあるかも。具体的には覚えてないんだけれど、映像で監督は「感情の描写」をしていても、映像を読むリテラシーが低くてちゃんと読めていなかったり。

18.2005年6月11日:Encyclopecia Brown and the Case of the Treasure Hunt:児童書:8000語:☆☆☆☆:読みやすいし、それなりに面白いけれど、あんまり感動はないかもなぁ。娯楽書ということかな?

19.2005年6月17日:Go, Lovely Rose and Other Stories:OBW3:7300語:☆☆☆☆(+):するするっと読めた。英語がすっきりとしてきれい。3つの恋の物語。ビターだけどしゃれた作品。

英語快読400万語 (4)-現代に生きる古典(>名作?)

「バーナビー警部」のDVDを見ていたら、どの話だったかに、「あれ? これって、The Wind of Willowsからの引用というか、その中の話にたとえて推理をすすめているよなぁ」と思う場面が出てきた。恥ずかしながら、The Wind of Willowsは読んだことがなくて、なんとなくとても有名、ということだけをおぼろげに知っていたのだが。

最近思うことは、GRのリトールド物を読むということは、(イギリスで出版されたものについて言うなら)イギリス人が「これだけは読んでおいて欲しいんだよねぇ」と思うようなもののセレクションであるということだ。まぁ、アメリカ物も入っているけれど。クラッシックスに分類される古典(>名作?)にせよ、コンテンポラリーに分類される現代物にせよ。

文学にせよ、何にせよ、本というのは「読みつがれて」生き残るものだ。誰も読みつがなくなって「死んで」しまった本は現在生き残っている本より多い。もちろん一度「死んだ」本も、だれかが発見し、「おぉ、なんだ面白いぢゃん!」となれば、また息を吹き返してその後生きながらえることも出来るのだが。

イギリス人のすべてが文学好きな訳ではないだろうが、イギリス人は自分の国の文学を大切にしているなぁと思う。それはイギリスで本屋に入ると、ペーパーバックの棚に、必ず「クラッシックス」の棚が別に分類されていることだ。かなり小さな本屋とか、あるいは駅のキオスクみたいなところでも、たいていはある。しかも、けっこう「目立つ」感じで。

日本の本屋の文庫のコーナーに夏目漱石や芥川龍之介が「必ず」置いてあるか?と問われれば、それは、必ずしもそうではない、と答えるしかないのだと思う。赤川次郎はあっても芥川龍之介はない、ということは、その逆よりずっと多いだろう。いや、赤川次郎さえ、「今は昔」になりつつあったりするのかも・・・。

その昔、イギリスで「日本人ですか?」と声をかけてきた、かつて日本人の女の子とつきあっていたことのあるらしい男性は「自分がトマス・ハーディの『テス』が好きだ」と言っていた。で、『テス』の文章の繊細さとか、そういうのについて熱く語っていた。

私の勝手な推測ではずれているかもしれないけれど、その男性は「階層的」にはそんなには上の階層じゃないと思うし、多分、大学も出ていないと思う。別に「学歴差別」や「階級差別」をしたくてこういうことを言っているのではないのだが、「あぁ、イギリス人って、かなり幅広い階層の人が文学を読むんだなぁ」って、そう思った。

・・・という訳で、「バーナビー警部」のような、大衆娯楽番組も、「みんなが知っているお話」というののフレーズが使われる訳である。なので、11のThe Wind of Willowsを読んでみることにした。

こんな風に私の多読は、その時その時の「出来心」で、あっちに行ったり、こっちに行ったり、フラフラと寄り道(>って「楽しんで読むこと自体」が目的なのだから、これが本道なのだろうが)を楽しみながらゆっくりと進んでいる。

ここまでの総語数、80901語。

11.6月3日:The Wind of Willows:PGR2:8000語:レベル2:☆☆☆(+):有名な本だけど読んだことなかった。日本では『楽しい川辺』で知られている(?)。イギリス児童文学におけるいろいろな動物の性格づけっていうのの原型がここにあらわれてるのかな? 日本では、むかし話にヒキガエルってあんまり出てこないと思うけど、イギリス(>というかヨーロッパ?)では、けっこう出てくる。日本にもカエルはいるのにね。そんなところにも日英文化の違いってのがあるんだろうか。

12.6月4日:LLL4( Ben and the Pop Starを除く8冊):1451語:☆☆☆:サクサクサク。

13.6月4日:LLL5(9冊):2474語:☆☆☆:サクサクサク。

14.6月4日:LLL6(6冊):4858語:☆☆☆:サクサクサク。

英語快読400万語 (3)-ポスト・ウィルソン?

ポスト・ウィルソンな作家、あるいはシリーズを探しているが、なかなかはまれるものに出会わない。って、まぁ、そんなに本気で探しているという訳でもないのだけれど。

エンサイクロペディア・ブラウンのシリーズは、「英語的」には今の私に合っているし、話の内容のレベル的にも合っているのだが(>ミステリーをしこたま読んでいる割に、犯人当てなどは出来ない)、やはりこれは「軽い読み物」という類のもので、「ちょっと気晴らし」に読むには適しているけれど、ウィルソンのもののような深さはない。

しかし、イギリス人もそうとう変わってるけど、アメリカ人もかなり変。ずいぶんと古い本だが黒岩 『豊かなイギリス人』(中公新書)に、イギリス人の「かたつむり競争」(>かたつむりを鍛えて、レースに参加させる)というのが出ていたり、昔通っていた英会話学校の教材に「きゅうり競争」(>きゅうりを誰が一番大きく育てられるか)というのが出ていて、ヘチマ(>なんてみんな知らないよね)みたいな大きさのキュウリの写真が出ていたりしたのを見て、「イギリス人っていいかげん変わった人たちよねぇ」と思っていた。

アメリカ人の場合は、イギリスみたいに思い切り特殊な「こだわり」に基づくレースではないのだけれど、「パイのはや食い競争」とか、そんなのが、このシリーズに出てきたりする。なんか身体に悪そうだが、アメリカ人もけっこう「おバカ」なことに血道をあげるのね、と思ったりしながら読んでいる。

ここまでの総語数は、64845語。

5.5月15日:Encyclopedia Brown: The Case of the Secret Pitch:児童書:12200語:Y.L.4.6:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。

6.5月18日:Encyclopedia Brown: Find the Clues:児童書:12200語:Y.L.4.6:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。

7.5月20日:Dinner Time(1):LLL3:71語:☆☆☆:レベル3の取りこぼし本。

8.5月20日:A Pet for Sam(1):LLL2:73語:☆☆☆:レベル2の取りこぼし本。

9.5月22日:Someday Angeline:児童書:27555語:Y.L.4.5:☆☆☆☆(+):なぜか色々なことが出来てしまうために友達からも父親からも「距離」を取られてしまい、孤独な女の子の話。私は、アメリカ文化よりイギリス文化の方になじみがあるので、同じように女の子の孤独を描いていても(>シチュエーションは違うけれど)、やはりウィルソンの描写の方が入っていきやすい。でも、こうやって、少しずつ、「新しい世界」になじんで自分の幅を広げるのも良いかも。

10.5月28日:Encyclopedia Brown: Gets his Men:児童書:10000語:Y.L.4.5:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。