英語快読500万語 (7)―日本文学の独創性&LRの大切さ

31のThe Withered Armという話は、トマス・ハーディによるもののリトールド版だが、なんだか源氏物語の六条御息所の話みたいな話。まぁ、古今東西どこにでもこういう話ってあるのかもしれないんだけど、でもさ、源氏物語が書かれたのは、平安時代のことで、ハーディは19世紀から20世紀初頭の作家だもん、クレジットはレディ・ムラサキにありそう。

私は文学には(も?)詳しくないし、よー分からんのだが、平安時代に、こんだけ人々の心理描写(>恋愛のぐちゃぐちゃや恋の駆け引き)なんかを詳しく書いた小説って、少ないんじゃないだろうか。レディ・ムラサキは、世界レベルの作家であることは間違いない。

ところで、ORTを読破してみたのだが、劇的に自分の英語が変わったということはない。ただ、こういうネイティブ向けの平易なものを「大量に!」読むことには、意味がありそう・・・という、「なんとなく」の感触は得た。

で、LRを少し読んでみるかねぇ・・・と思い始めた。

なんか、私、大方のタドキストの流れに逆行している? 普通は「簡単なものを大量に→徐々にレベルを上げていく」だと思うんだけど、私の場合、「難しいものもかなり入っている→簡単なものを大量に」の方向に行ってる?

まぁ、それはともかく、LRの良いところは、1冊を「あっという間」に読み終わることです。平易か?と問われると、「イエス」とは単純には言えない。ネイティブの子どもが読むからこその、大人の外国人にとって難しい表現というのがある。

ただ、この「あっという間」っていうのは、案外大事かも。

今の私だとPBなんぞは、かなり長期間に渡ってダラダラ読みしてるので、1冊を「緊張感を持って」読みきるっていう感じにならない。そうとう話に引き込まれたとしても、日本語で同じくらいの面白さのものを読む、読書としての「まとまり」っていうか、そういうのがない。

LRは、そういう意味で、読書としての「まとまり」があるっていうか・・・。

要するに、今の私の「日本語の手のひらで抱えられるもの」が文庫本の大衆文学(>日本語のものだってキッチリ読んで理解してる訳じゃないけどさ)と考えると、今の私の「英語の手のひらで抱えられるもの」って、LR、それも低いレベルのLRって感じだなぁ。

なので、この「ひとまとまり」感を大事にするために、LRも積極的に読んで行きたいと思っている。

ここまでの総語数、562517語。

31.2006年5月15日:The Withered Arm :OBW1::5863語:☆☆☆☆:源氏物語の六条御息所みたいな話。源氏物語からヒントを得た?あるいは、こういう話は世界中どこでもある?

32.2006年5月16日:My Brother Bernadett :児童書:4000語:☆☆☆☆☆:久々のジャクリーヌ・ウィルソン。通いの「サマーキャンプ」に通う姉弟の話。弟はいじめられっこタイプ。姉は活発。いろいろなアクティビティが提供されていて、参加者は好きなものに参加出来る。共働き家庭が多いが夏休みが長いイギリスで、どうやって両親や子どもが夏休みを「乗り切るか」という事情が分かって面白い。最初はいやいや通っていた弟は、裁縫・デザイン関係のアクティビティで、「好きなことを出来る場」「自分らしくあれる場」を獲得し、少しずつ変わって行く。

33.2006年5月23日:The Very Wicked Headmistress :児童書:7000語:☆☆☆☆:国際アンデルセン賞受賞というのに惹かれて買った。面白いことは面白いんだけれど、かなりハチャメチャな話である。

34.2006年5月26日:Time to Discover(10冊) :LR:1000語:☆☆☆☆:A Rainy Day, You Hear With Your Ears, Comets, he Mars, The Solar System, The Sun, A Sunny Day, Butterflies, Grasshoppers, Ladybugsの10冊。理科系の単語は、小学生低学年のレベルのものでお案外知らないなぁ。

35.2006年5月27日:Time to Discover(10冊) :LR:1000語:☆☆☆☆:Shooting Stars, Bears, Grob to Ladybug,Todpole to Frog, Caterpiller to Butterfly, Egg to Robin, Seed to Plant, Fish Live in Water, Frogs Live on ?, Scales Live in Grassの10冊。変体に関わる用語とかも全然知らないし、それに動物の子どもの呼び名なんかも、モノによっていちいち変わるんですねぇ。

英語快読500万語 (6)―子ども向けの科学読み物&『砂漠の女ディリー』

Scholasticsの薄っぺらい子ども向きの科学読み物のようなのを見つけて、手に取ってみました。私は文科系の人間なので、理科系の単語って、本当に知らない。「小学生の理科」程度のことも、「あれれれ???」というくらい知らないです。

しかも「小学生の理科」程度のことも、日本語でもすーっかり忘れてしまっていたりするし・・・。英語の勉強も兼ねて、(子ども向きの)理科系の本を読んでみるのも面白いかも。

レッスンメイトに多読を進めたら、あっという間に語数を追い抜かれてしまった。多読は競争じゃないので別に良いのだが・・・。

で、お互い、本を紹介し合っている。

Desert Flower(邦訳は『砂漠の女ディリー』というらしい)は、このレッスンメイトに薦められて読んだ本だ。

すごい本だった。

ワリス・ディリーという黒人のトップモデルの自伝だ。彼女はソマリアの遊牧民の出身で、13歳の時に意にそまぬ結婚をさせられそうになり逃亡する。そして、その後、紆余曲折あって、トップモデルになる。

この自伝には彼女の女性性器切除(FGM)の経験や、それによって、その後の生活でいかに不便を来たしたか、健康上問題があったか、ということについても赤裸々に書かれている。

女性性器切除というのは、中東やアフリカの一部の地域で行われている、女性性器の一部あるいはほとんどを切り取ってしまうという慣習だ。これについては、サーダウィ『イブの隠れた顔』やホスケン『女子割礼』という本に詳しいのだが、21世紀のこの現代でも未だに続いている慣習である。

この手術は幼い時に行われることが多い。しかも麻酔もなしに、医療の専門家の手によることなく、しばしば不衛生な環境のなかで行われる。手術時の痛みのショックや出血多量で死亡することもあるし、同じカミソリを使って何人もの手術をいっぺんにやることもあるのでHIVに感染することもあれば、その後合併症に苦しむこともある。精神的な傷も残る。

最も軽いのはクリトリスの包皮を切り取るだけだが、ファラオニック割礼と呼ばれる最も重いものは外性器のほとんどを切除した上で、経血と尿の出る穴だけ残して膣口を縫い合わせてしまう。それも手術用の針とかじゃなくて、棒切れを(肉に)差し込んどくだけ、とか、そういう野蛮さである。

理由は、「女性は穢れているから(きれいにする)」とか、「性への興味を封じ込める」とか、いろいろあるらしい。「慣習」となっているため、これを行わなければ、「穢れている」女性として結婚できない。女性に雇用機会がある訳でもなし、結婚できなければ、生きていけないことになるので、母親も、手術に加担せざるを得ない。

排尿や生理時の苦痛というのが残ることがある、というのを読んだことはあったのだが、ワリス自身の生なましい経験を読み、この手術がいかに残酷で暴力的なものか、というのを改めて感じた。

トップモデルになるまでの彼女の人生も、それはそれは大変な苦難の連続であった。でも、彼女は明るくて前向きだ。

しかも、超大胆! 時に危ない橋も渡る。事実は小説より奇なり、を地で行くような豪胆で波乱万丈の人生だ。

彼女は、この自伝を書いて以来、反女性性器切除の運動もしており、国連とも関わっている。

しかし、女性性器切除の問題を除いては、彼女は自分の育った文化やアフリカの自然を愛していると言う。家族の暖かさや、みんなで冗談を言っては爆笑した、そういう日々を懐かしく思いだすと言う。欧米の生活の「病理」のようなものになじめない部分がある、と言う。

女性性器切除をするような社会は、明らかに女性に対して抑圧的な社会だ。

だけど、そういう抑圧的な社会から、こんなたくましい女性が生まれ育ったのはなぜなんだろう、と不思議に思った。

どうやら続編もあるらしいので、いずれ読んでみたいと思う。

ここまでの総語数、543654語。

23.2006年4月25日:Time to Discover(6冊):児童書:500語:You Taste with Your Tougue, You Look with Your Eyes, Spiders, Ants, Robin, A Cloudy Dayの6冊を読みました。小さな子ども向けの自然科学の本。写真があって分かりやすく解説されています。でも、案外難しい。You Taste with Your Tongueには「味蕾」と思われる単語が出ていて(>けっこう「まんまぢゃん!」っていう英語だったが、忘れた。後ろはbuds)、こんなのは、なかなかに高度です。Spidersも「節足動物」と思われる単語があり、これもなんていうんだったかは覚えてませんが、なかなか高度ですよね。子ども向きの科学の本を何冊も読んでいるうちに、こういう単語も身についてくるのかしらん。

24.2006年4月28日:Wayside School is Falling Down:児童書: 27651語:☆☆☆☆:留学中同じ寮に住んでたロシア人の友達(イギリス在住)の娘さんに薦められた本。私、この子が1歳の頃から知ってるんですが、こんな風に児童書について語り合える日が来るとは・・・・。多読をやってて良かった! 内容的にはかなりハチャメチャで「ありえない!」ことばっかり起こるんですが、その「ありえない!」の「角度」っていうのが奇想天外っていうか・・・。そこが面白いです。

25.2006年4月28日:A to Z Mysteries:The Invisible Island:児童書:8518語:☆☆☆☆:3人組の探偵が、近くの島に遊びに出かけた。彼らは、そこで、100ドル紙幣と大きな足跡を発見する。今回も3人組は小学生には危険な、なかなか本格的な犯罪を解決することになる。

26.2006年5月10日:Desert Flower :PB:1600語:☆☆☆☆☆:黒人トップモデル、ワリス・ディリーの自伝。すごい話だ。

27.2006年5月11日:Time to Discover(16冊) LR:語:☆☆☆☆:You Smell with your Nose, You Touch with Your Fingers, A Rainy Day, A Stormy Day, A Snowy Day, Monk Rays, Dolphins, Sharks, See Horses, Octopus, Squirrles, Foxes, Penguins, Turtles, Bees, Owls Live in Trees。小学生程度の理科の英単語も案外知らないんですねぇ。

28.2006年5月12日:A to Z Mysteries: The Jaguar’s Jewel :児童書:8550語:☆☆☆☆:おなじみ3人組みの探偵たちが、仲間の1人のおじさんを訪ねてNYに行く。おじさんは美術館で仕事をしている。南米から借りた美術品の展示をすることになっていたのだが、その中のジャガーの置物の目のエメラルドがニセモノにすりかえられていて、おじさんに疑いがかけられてしまった。3人がまたもや危ない橋も渡りつつおじさんの窮地を救う。犯人は本物のエメラルドの方を美術館の事務所の中のとあるところに隠しておくのだけれど、でも、これ、一体どうやって取り返すつもりだったのかな?カギ持ってないはずだったのに。

29.2006年5月13日:A Stranger at Green Knowe :OBW2:5900語:☆☆☆☆:BBSで林望さんがイギリス滞在中に住んでいたグリーン・ノウのモデルとなったマナー・ハウスのことが話題になったので読んでみた。林さん、こんなとこに住んでたのかぁ。林さんの本も読み返してみようかな。

30.2006年5月14日:The Murder of Mary Jones :OBW1:5800語:☆☆☆☆:Tim Vicaryの法廷劇。読者なりの推理をするには提示された「証拠」が少なすぎかなぁと思うけれど、Tim Vicaryだけあって、なかなか読ませるものになってます。何にせよ、使える語彙が400語という中でこれだけの英語が書けるんですものね。すごいです。400語がちゃーんと使いこなせれば、たいていのことは書けるってことですよね。

英語快読500万語 (5)―ニッキ・フレンチ&ORT読破!

メアリ・ヒギンズ・クラークが、お手軽に安心して読める、「息抜き」系作家だとすると、ニッキ・フレンチは「疲れる」作家だ。この人の作品を読むと、読んでいる間中、心理的にひきずり回される。まぁ、「心理サスペンス」っていうのは、そういうものなんだろうけれど。

なので、元気がある時じゃないと読めない。

イギリスの本屋でつい買ってしまって、帰りの飛行機の中で読み始めた。

私、ニッキ・フレンチが2人の作家だっていうのを、この本の後ろの説明で初めて知った。それも男女(夫と妻)だ。びっくり! 

ニッキ・フレンチの作品は、恐いよぉ、恐いよぉ、もうやめたいよぉ・・・と思いながら、でも、やめられずに最後まで読んでしまうんだよね。

ORTをついに読み終えた! 少しは英語の足腰が強くなったのかしら? ORTを読んで、感じることは、英語の単語が少し「体感」出来るようになったことだろうか。特に、climbという単語が私には印象深い。これまでの受験英語の「知識」では、「climb=登る」であった。だけど、車に乗るのも車から降りるのにも、けっこうclimbを使う。山登り的な上り下りもあるけど、上り下りするものに、「身体が接触している場合」この単語を良く使うような気がする。「よじ登る」みたいな。その「身体が接触している感じ」っていうのが、なんとなくclimbという単語を見た時に、「身体の感触」として脳内に甦ってくるというか。

もしかしたら違っているかもしれないけれど、ORTで獲得したclimbの「感触」を、今後、また色々なものを読むなかで、修正したり豊かにしていければ・・と思う。

ここまでの総語数は、415135語。

18.2006年4月13日:Secret Smile:PB:8700語:☆☆☆☆☆:ニッキ・フレンチの作品。相変わらず恐い! 穏やかな日常の日々が、ふとと気づくとずるずると泥沼にはまっていっている。その自分の危機について他人に語ろうと思っても、そのことによってさらに深みに沈みこんで行くことになってしまうのだ。

19.2006年4月15日:Maria Teresa :PGR0:900語:☆☆☆☆:マリア・テレサの伝記。短いのに案外読ませます。

20.2006年4月17日:The Little Ballerina DKR2:1100語:☆☆☆☆:主人公はパフォーマンスで、ケガをした人の代役でネコ(>いい役?)を踊ることに。バレエ用語の説明なんかもあります。パフォーマンスって言っても衣装なんかはレオタードにフェイスペインティングだったりしてる。日本だったら親から文句がきそうな、ピエロみたいな大口のフェイスペインティングされてる子もいる。このあたり、ずいぶんとバレエ事情が違うのかも。

21.2006年4月21日:ORT9(12冊): 16483語:☆☆☆☆:ORTをついに読みきったぞ!!! 少しは英語力違って来てるのかしら?

22.2006年4月21日:A to Z Mysteries: The Goose’s Gold :児童書:7216語:☆☆☆☆:注文を入れてあったA to Z Mysteriesの続きが入荷。ルース・ローズのおばちゃんの家にディンクとジョシュも招待され3人はフロリダでクリスマス休暇を過ごします。そこで、またまた事件が! フロリダって暖かいのね。冬なのに半そで&短パンでもOKみたい。