英語快読200万語 (6)-バーナビー警部

200万語のPBにはバーナビー警部のシリーズの中から1冊…と思っていました。

「バーナビー警部」はイギリズでは、人気TVシリーズ”Midsomer Murder”として放映されてます。日本では「バーナビー警部」というシリーズで、ケーブルTVで放映されています。(NHKでも放映されたらしい)

初めてこの番組を見たのは1~2年前、イギリスに滞在中。なかなか面白いな~と思っていたら、ケーブルTVでも放映し出してらっき~!

で、たまたま、ケーブルTVの番組説明のコーナーで、「バーナビー警部」の何冊かを翻訳している翻訳家の人が出演して、このシリーズの魅力について語っていました。

曰く、原作者のキャロライン・グレイアムは、クリスティと並び賞されるけれど、クリスティがトリックに走りががちで、登場人物のすべてに目配りが行き届いている訳ではないのに対し、グレイアムはすべての登場人物が生き生きと描けている。この翻訳者は、「私は作家としてはグレイアムが上だと思う」と語っていました。

また曰く、バーナビー警部は、人間的に魅力的。妻は、とてもよく出来た良妻賢母であるが、いかんせん料理だけはとってもヘタクソ。なので、バーナビー警部はみんなが嫌がる警察の食堂で嬉嬉として食事を取る。娘はケンブリッジに通う才色兼備。でも勉学よりは演劇にはまっている。バーナビーの部下、トロイ巡査部長は、いいやつなのだが、若いくせに頭が固く、PC(ポリティカリー・コレクト)違反な発言を乱発する。ホモセクシュアルな人なんかにはあからさまに嫌悪の情を示してしまったりす
る。

で、とりあえず、読んでみました。シリーズ第1冊目の、Killing of Budgers Drift。うん、面白い! 

で、DVDがレンタルビデオ屋さんに入っていたので、それを借りて、見てみる。

あら、2時間の枠に収めようとすると、ちょっと話を変えないと無理なのね。(原作では毒殺だが、TVでは撲殺になっている)

読んだだけではよく分かってなかったところなんかが、映像の形で「あぁ、こういうことだったか!」と分かったりするので、大変いいです。

なので、DVDを見た後、また原作を読んでみることに…。ちびちび、ゆっくりと読み進めています。

そもそも私、日本語でも推理小説は2度読むタイプ。犯人が分からない状態で読むのも面白いが、犯人が分かっていて読むのもまた面白いのよね。おぉ、そうか、ここで騙されていたのかぁ…とかね。

一度目はストーリーを読み、二度目は構成を読むというか…。

「200‐100=100万語」のうちの、1割以上を同じ本を2回読む…というので埋めるのもどうかと思ったが、まぁ、細かいことは気にしないことにしようと思います。

「200万語」は「ちゃんと」と「いいかげん」のミックスで行く…という方針だったしね。

37. 2004年8月28日:The Killings at Badger’s Drift:PB:レベル7:76000語:
354319語:☆☆☆☆☆:いや、面白かったです。うわさどおり、すべての登場人物が生き生きと描き込まれていて…。Peace & quietな舞台設定や、登場人物がおりなすほのぼのとした微笑ましい雰囲気の割には、殺人の方法自体はかなり血なまぐさいです。このシリーズの「読破」も1000万語ぐらいまでの間に達成したいな。

38. 2004年8月30日:Inspector Logan:CRE1:レベル1:4200語:358519語:☆☆☆
(+):再読です。「200万語」は再読も混ぜてやっていきたいな~と思っています。
もちろん2度目に読むから…というのはあるだろうけど、それを差し引いて考えても読むのが「楽」になってるかどうかを確認したいというのもあるし…。再読ではあるが、話の筋をほとんど忘れていたので、ストーリーももう一度楽しめました。喜んでいいのか、悲しんでいいのか。でも、再読でも、内容忘れてるなら、もう一回(いや、何度でも)楽しめるし、お金の節約にはなるな~。多分、以前に読んだ時よりは「楽」になってるんだと思うけど…。

39. 2004年8月31日:The Fruit Cake Special and Other Stories:CRE4:レベル4:
18125語:376646語:☆☆☆☆☆:香水調合の仕事をする主人公が、昼食に食べたフルーツケーキの小片を偶然香水の中に落としてしまったら、それが「媚薬効果」を持ってしまったことからドタバタが始まる…という表題作を始め、どれも、ちょっとほっとしたり、恐くなったり、ドキドキしたり…。最後の、考古学者の話が、まぁ、平凡なオチといえばそうなんだけど、すごく恐かった。まさに、フルーツケーキのスライスをおやつに食べてリフレッシュしたような読後感ですね。

40. 2004年9月3日:The Cantaville Ghost::OBW2:レベル2:5504語:382148語:
☆☆☆☆:オスカー・ワイルドって、ホモセクシュアルで投獄されたり、なんだかエキセントリックな人っていうイメージなんですが、書くものはけっこうほのぼのとしてたりするんですね。暖かいユーモアもあって。ワイルドのイメージがちょっと変わったかも。

41. 2004年9月8日:The Last Photo:PGR0:レベル0:900語:363048語:☆☆☆:ケ
ンブリッジを旅行中の兄妹。兄の写真を撮ったら丁度横切った人が写ってしまいました。

42. 2004年9月8日:The Barcelona Game:PGR1:レベル1:1300語:384348語:
☆☆☆(+):本が大好きな主人公は、マンUのバルセロナでの試合に兄2人について行くことに…。ところが、カフェで本を読みながら兄たちを待っている時に同じカバンを持っているお客さんが主人公のカバンを…。主人公はちょっとした冒険とロマンスを体験することに…。マンUはヨーロッパ規模で試合してるのね。サポーターはヨーロッパ内だったら試合見に行くんだなぁ…ってのが、なんだか実感できた感じ。ベッカムもオーウェンもレアルに行っちまって淋しい限りだが、サッカーはヨーロッパ規模で動いてるんだから、どこで見てもいいんだよね。

43. 2004年9月8日:The Phone Ring:PGR1:レベル1:1900語:386248語:携帯時代
の恋。大学に入って主人公はある女の子に一目惚れ。友達が恋の応援をします。

英語快読200万語 (5)-ポジティブな態度がもたらすもの

CERの5~6の本を数冊まとめ買いしました。やはり読み応えがあり、かつ、面白いです。ケンブリッジ大学出版のGRは良い書き手を集めてるなぁ…と思う。

「GRは、これは一つの文学のジャンル」だ、というのが最近の私の持論なのだけれど、以前の私はそうではありませんでした。GRというものに、「ど~せ、お勉強用の教材でしょ?」とGRを多読するという「方法」に懐疑的な状態で出発した「100万語」の最初の頃は、「面白さ」の評価が厳しくなりがちだった。しかし、それは私の懐疑的な態度が面白さを感じるセンサーを鈍くしていたためとも言える。

「100万語」の途中から、だんだん多読が面白くなり始め、一度、「一貫性は欠くが、今後評価を甘くします」と書いたことがありました。「200万語」の私は、それよりさらに評価が甘くなっている感じがします。どれを読んでもそれなりに楽しめる。どれを読んでも以前より楽しめる。

やはり、そのことに「前向きかどうか」って、そのことの「面白さ」と深く関連しているんですね。

これには異論もあると思うけれど、私は、バレエにおいて、「自分の求める水準以上」の先生だったら「惚れるが勝ち」と思ってるんですが、これも多読と同じかな。もちろんケガにつながるような誤った指導には細心の注意を払って、「従わない」ようにしないといけないけれど、そういう基本的な水準を満たしている先生なら、その指導の「弱点」を見るよりも、「強いところ」「良いところ」を見て、ついていった方がレッスンの満足度が増して、結果として上達にもいいように思います。

「この先生は○の教え方が今一つ」とか「この先生って×な訓練は受けてらっしゃらないんじゃないかしら」と思いながらレッスンするよりも、「この先生の△ってステキ」とか「この先生って□なところをよく見てくださってるのよねぇ」と思いながらレッスンを受けた方が身につく度合いが高いように思います。

まぁ、これは私の場合、「先生に恵まれているから」言えることであるし、教室もカケモチしていてそれぞれの教室で複数の先生に習っているから可能なことかもしれませんが。

多読という方法に懐疑的だった頃の私と、この方法は面白い、と思っている今の私とでは、今の「面白がって」多読をしている私の方が、「発見」も多いし、映像を見たり、異なるGR同士のつながりを考えたり、歴史的背景を考えたり、多読を軸にさまざまなものを楽しんでしまうという「発展」の可能性も広がっている…そう思うのです。

32.2004年7月31日:A Love for Life:CER6:レベル6:28722語:173033語:
☆☆☆☆☆:主人公の女性は子どもが産めない。パートナーとともに養子をもらおうとして面倒な手続きの最中だった。ところが、もうちょっと、というところでパートナーに去られてしまう…。それでも養子が欲しい・・と思う。手続きはさらに面倒になるが、念願かなって女の子が彼女のもとへ来ることになる。ちょっと難しいところのある子だ。新しいボーイフレンドが出来かかるけれど、このボーイフレンドと養女の折り合いが悪い。一方、養女は親友の息子と同級生になることに。その担任の先生に主人公は惹かれるものを感じる。ところが、その先生に、生徒虐待の疑惑が…。シングル女性が養子をもらう困難さ、ボーイフレンドは欲しいけれど養女との折り合いが…など、主人公の切ない心情がよく描けている。担任の先生に虐待疑惑がかかった時に彼が「女性の先生なら何でもないことが、男だというだけで疑いを持たれる」というようなことを言うのだけれど、「女性職」に入っていく男性にも色々苦労があるのだなぁと思わされた。

33.2004年8月1日:Trumpet Volunatry:CER6:レベル6:29378語:202411語:
☆☆☆☆☆:平穏な生活を送っていた音楽家夫妻…。しかし、突然トランペット奏者の妻が疾走。ビオラ奏者の夫は妻のゆくえの手がかりを求めて妻のPCを見る。すると、そこには、音楽学校時代、ワイルドな魅力でもてまくっていた妻の元カレからのメールが…。実は、夫・妻・元カレともに3人は同じ音楽大学で過ごした。でも、妻とはもう10年も平穏な結婚生活を送っていたというのに…。夫は、音大時代からの演奏仲間をふりきって、妻を探しにリオに旅立つ。しかし、妻の疾走の背景には、国際犯罪がからんでいて、事はどんどん深刻に…。妻は危険もかえりみず、元カレの犯罪に手を貸そうとしている。ダイナミックで切なく、読み応えがあります。
  で、このタイトル、実は、失恋の痛手で自殺した作曲家がトランペットのために作曲した曲のタイトルなんだって。(>SSSのHPで知りました)そんなところもとってもオシャレですね。ネットで曲のサワリを聴いてみたが、けっこう有名な曲です。

34. 2004年8月5日:Windows of Mind:CRE5:レベル5:25700語:218111語
:☆☆☆☆☆:イギリスらしい、サーカズムに満ちた短編集。味覚・視覚・聴覚・ゴシップへの嗅覚(?)(>そういえば、最後のオチも「臭い」)・「気」というか、ボディ・アンド・マインドの「マインド」(?)系な感覚(?)…。いずれにせよ、「感覚」をテーマにした5編です。ずっしり心にこたえる感じ。

35. 2004年8月9日:Deadly Harvest :CRE6:レベル6:27346語:255457語:
☆☆☆☆☆:静かで平和な小さな町に赴任した主任警部に昇進したばかりの女性が主人公。警官たちは平和になれきっていて、この町で起こる車荒しなどは町の外から来た人のしわざ・・と決めつけている。もちろん男性たちは、女性主任警部の下で働きたくなんかない。そんな町で、彼らがこれまで経験したことのない殺人事件が発生。しかも、その事件は単なる殺人事件ではなく、もっと大きな犯罪が絡んでいたのです。主人公はこの町に赴任するにあたってボーイフレンドと別れて来ており、慣れない土地でプライベートにも孤独を味わいながら、でも、警察という男社会、階級社会の中で頑張っています。というより、やっぱり警察の仕事が好きなんだと思う、この女性。主人公も魅力的だし、推理小説としてもよく出来ています。

36. 2004年8月14日:In the Shadow of Mountain:CRE5:レベル5:22862語:
278319語:☆☆☆☆☆:主人公の女性ジャーナリストの祖父は、74年前にマッターホルンで遭難しました。その遺体が見つかったという連絡が入り、彼女はスイスへ…。そこで祖父の死をめぐって、彼女の家族と、そしてスイスで祖父が好きになった女性の家族がさまざまに来るしんでいたという「過去」が明かになっていきます。彼女が「食ってく」ために、あるいは、ジャーナリストとして「書く」仕事にまがりなりにも就くためにストーリーを書いている媒体は、センセーショナルにゴシップ仕立てな記事を載せるというタイプ。彼女の家族は、彼女がそういう媒体に文章を載せることを快く思っていません。そして、ボスは、彼女のストーリーをセンセーショナルな形で媒体に載せたい…。そこに彼女自身のロマンスが絡んで、重構造で話は進んでいきます。なかなか良質な物語に出来上がっていると思います。

英語快読200万語 (4)-CER5~6の入手

「200万語」は、レベル4~6のものをもっと読もうと思っていました。

で、とりあえずは、私のお気に入りのCERを…と思っていたのですが、CERの5~6って、最寄のターミナル駅の本屋だとあんまり置いてない。2~3ぐらいまでは置いてあるんだけど。売れないのかな。

CERは1~4はほとんど読んでしまっているので、新作を待つか、5~6を読むしかありません。5~6になると、ぐっと読み応えが出てくる。でも読み終えるのに時間がかかるから(>PBほどじゃないけど)、途中しばらく読めない日があったりすると脈絡を失う。

その点1~2の本って、1~2日で読めるのが楽。また、レベル0も、仕事の合間にお茶代わりに読める感じなので、当初の予定とは違って、「200万語」もやっぱりレベル0~2が多くなってます。まぁ、今の私の「身の丈」には、これくらいがあってるってことかな?

24. 2004年7月22日:Fire Boy :PGR0:レベル0:900語:112477語:☆☆☆(+):
古代エジプトの金細工職人の息子は、父が倒れた後、クレオパトラのために首飾りを作ります。

25. 2004年7月22日:Lisa in London :PGR1:レベル1:1500語:113977語:☆☆☆
:英語(GRの?)マンガは読みにくいと思っていたけれど、これはそうでもなかったです。でも、話自体は今一つ。英語の勉強にロンドンに行ったリサが、たまたま英語学校と間違えて入ってしまったモデル会社で気に入られてしまって、モデルになっちゃうという話。

26. 2004年7月23日:Flying Home :PGR0:レベル0:900語:114877語:☆☆☆(+)
:都会で飼われているオウムが主人公。飼い主に可愛がってもらってはいるけれど、故郷に帰りたい…。ある日、スキを見て、主人公は逃げ出します。いろいろなことがあって、ようやく故郷に帰りつくけれど、そこにも開発の波が…。絵がなかなかきれいです。

27. 2004年7月23日:Masie and Dolphine :PGR0:レベル0:900語:115777語:
☆☆☆(+):絵が美しい。水のきらめき、光のゆらぎが美しい。ストーリーも美しいです。主人公はケガをしたイルカを助けます。イルカと主人公の友情が育っていく…。イルカのケガが治って、主人公はイルカを海に返さねばならなくなります。悲しいけれど、おじいさんに説得されて、イルカと別れることに…。

28.2004年7月24日:The Long Way to a New Land:ICR3:レベル2:1300語:
117077語:☆☆☆(+):ICRのシリーズも3くらいになってくると、「アメリカの歴史」を背景にしたものなどがあって、けっこう勉強になります。これはスェーデン人の移民の話。アメリカは移民の国というけれど、それぞれの家族にはそれぞれの事情や旅や苦労や思いがあって、そしてアメリカにやってくるのですよね。

29.2004年7月27日:Death in Dojo:CER5:レベル5:20331語:137408語:
☆☆☆☆☆:ジャーナリストの主人公(これは同じくCERのThe Amsterdam 
Connectionの主人公でもあります)は以前空手を習ってました。で、ロンドンの空手の道場で「カワグチ・センセイ」が殺されます。外国で武道を習う人って、「○○センセイ」って言うんだよね。でもって、「センセイは絶対!」っていう考え方が、なんかすごく強いみたいなとこがあるみたい。なんかそこだけ「昔の日本」っていうか…。お国で剣道やってたというブラジル人と話したことがあるんだけど、「あなたそれ30年前の日本だよ」っていうくらいな世界が「道場」では展開されてるみたいだった。でも外国で武道やってる人って案外それを「日本的」って素直に受け入れてたりするのかも。
  それはともかく、主人公は事件の真相を探るために日本にも取材に来ます。話の展開もダイナミックで楽しめます。

30.2004年7月274日:Hill of Fire:ICR3:レベル2:1100語:138508語:☆☆☆☆:
メキシコで実際にあった実話をもとに書かれた話。農村の真中に突然煙が噴出して火山が出没。毎日、あ~あ、重労働の農作業はいやだな~と思っていた農夫は、いやでも農作業が出来ない状態になってしまいます。ICRも3になると、大人でも「お勉強」になったり、色々考えさせられる内容のものがちらほらと出てきます。

31.2004年7月274日:The Omega Files:OBW1:レベル1:5803語:144311語:☆☆☆
:元ヨーロッパ(EU?)のスパイとして働いていた男女が、年を取ってから、自分達が過去に扱ったいくつかの案件について語ります。話の作りも展開もちょっとイージー。