英語快読200万語 (9)-OBW3とCER6

本の好みは人それぞれだと思うのだが、OBW3とCER6を比べると、私の場合、CER6の方がラクに読み進めるかも・…。というのは、英語レベルの問題というより、ストーリー展開の「好み」なのだと思う。

CER6はストーリーに引かれてぐいぐいと読める。OBW3はもちろん面白くないことはないのだが、CER6のようなスピード感がない。英語自体のスピード感っていうか…。

私には英語の良し悪しを論じる力などはないのだが、多分、英語自体もCERの英語が好きなんだと思う。

「違いは何か?」と問われれば、答えることは出来ないのだが…。

私にとっては、CERの英語はす~っと入っていける英語だがOBW3の英語は私にはゴツゴツとひっかかりのある英語・・というか。まぁ、それでもPGRのシリーズよりは、OBWの方がずっと好きだし、OBWの中でもTim Vicaryのものはすごく好きだ。多分、リトールド物の英語に「ひっかかり」を感じるのかなぁ…。

日本語だったら、ある程度、「文体」の好みっていうのを語れるのだけれど、英語の場合は、出会う度、読む度に「あ、これは好き」とか「あ、これは読みやすい」とか、逆に「あれ? なんか読みにくいなぁ」とか、1回ごとに「感じる」ことしか出来ない。

英語における「文体」というものが分かっていない。

ま、難しいことは専門家に任せておいて、私は自分にとって読みやすいもの、面白いものを探してずんずん読んで行けばいいんだけどね。

58.2004年12月20日:On the Edge::OBW3:レベル3:11000語:701310語:
☆☆☆☆:主人公は何物かに誘拐された。意識を失っていたけれど、目覚めると、そこは自分の家ではない。自分の髪の色がもとの色と違っているし、自分の両親だという「見知らぬ」大人がいる。自分は誰なんだ? 僕の名前はこんな名前じゃなかったはず? でも、やっぱり僕は「見知らぬ」両親の言うとおりの彼らの子? 主人公のアイデンティティはだんだん揺らいでいく。ミステリーとしても楽しめるし、「アイデンティティのもろさ」というような哲学的テーマを考える書物としても楽しめるかも…。

59.2004年12月23日:The Last Sherlock Homes Story:OBW3:レベル3:11000語:
712310語:☆☆☆☆:イギリス犯罪史上最大の犯罪ともいえる切り裂きジャックによる連続殺人事件にホームズが挑む。これはドイルの作品ではなくて、別の人が1970年代に書いたもの。ワトスンが残した記録が彼の死後発見された、という形で書かれている。

60.2004年12月27日:The Crown of Violet:OBW3:レベル3:11069語:723379語:
☆☆☆☆:直接民主主義時代のアテネが舞台。書き手はなかなかにフェミニストな視点もあり、「市民」の中に「女性」が含まれてはおらず、女性の行動がさまざまに制限されていたことへの問題意識が作品を貫いている。ソクラテスその人が登場人物に出てきたりして、当時のアテネの雰囲気が生き生きと感じられる。

61. 12月28日:Love Story:OBW3:レベル3:8594語:731973語:☆☆☆:大変若い
頃に映画見たことがあります。その時はあんまり感じなかったけれど、これって「フェミニズムの第二の波」を準備することになったような状況? つまり、大学って「相手を見つける」ところになってて、女性の方は学業をやめてバイトで彼を支え、卒業と同時に「ジューン・ブライド」になるのが女の子の一つの「コース」となっていた・・というような状況。(このあたりの事情については、岩男寿美子他『女性学事始め』(講談社現代新書)をご参照下さい。ちょっと古い本ですが) アメリカ的にはOKなのかもしれないけれど、主人公の女の子のちょっと「意地悪っぽい」物言いが気になる。お金持ちのおぼっちゃまにはそれが新鮮だったのかもしれないけど。

62. 2004年12月29日:Robinson Crusoe :OBW2:レベル2:7300語:739273語:☆☆☆
(+):実は、『ロビンソン・クルーソー』は私の専門分野で昔から良く言及される素材だったりはします。私の属する(>あんまり自覚もないのだが。まぁ、先生筋をたどっていくと…ということで)「学派」(>今やその勢力は壊滅状態ともいえるが)の祖も、『ロビンソン・クルーソー』についてその著作の中で何度も言及されております。最近はポスト・コロニアルな状況の中で、「フライデーの位置付けってどうよ!」という研究も盛んなようであり、私の属する学派の祖は批判されたりもしております。

英語快読200万語 (8)-CER7、CER8が欲しい!

バーナビー警部の1作目、2回目を読み終わりました。

う~む! 2度読んだがどうもちゃんとは分かってない気がする。知らない単語も、よ~分からない表現もかなり多い。

筋は追える…。だから一応推理小説として面白くは読める。

でも、細かいところでの動機につながる重要な心の動きだとか、実は大切なトリックとか、そういうのを読みおとしているような気がするんですよね~。

つまるところ、私の現在の英語力は、CRE5~6はかなり楽に読めるようになった、しかし、PBにはギャップがある…というところでしょう。

PBの場合は、グレード分けがされてる訳じゃないし、「英語を学習している人」のために書かれたものじゃないから、一つの作品の中の英語の難易度っていうのは安定してないっていう面もあるし、どういう順番で読んでいったらいいのか、しかも、こんな長いもん、面白くないのは読みたくないし、この先どう進めるのか迷うところ。

57のDolphin Musicで一応CERのシリーズは現在出ている物は、CER5のYou and Meを除いて全部読んでしまいました。ちぇっ、このシリーズ好きだったのになぁ…。

で、さてどうしましょ…って、迷ってるところです。

久しぶりにシドニー・シェルダンでも読むかな。あれなら英語割合易しいし、どれくらいラクになってるか確認してみるのもいいかも…。

バーナビー警部の2作目もちょっと読みかけているのだが、やっぱり今の自分の英語力で「ラクに」読めないので、スピード感をもって読めないので…。

Dolphin Music: SFはちょっと苦手なので最後まで残していたのですが、CERいよいよ読むものがなくなって、仕方なく手を出したら、面白かった。ぐいぐい話に引き込まれて、楽しく読み切ることが出来ました。2051年、人々はバーチャル・リアリティの中でハッピィに暮らしています。でも、その裏で色々なことが起こっている…。そういえば、その昔、私がPB2冊目として読んだ本は、『1984年』でした。(>1冊目は『アニマル・ファーム』)

色々迷ったがSSSのHPで書評を見ているうちに「OBW3のみの書評」という欄を見つけ、中に面白そうな本があるのを発見。とりあえず、200万語に到達するまでは、OBW3で埋めていくかなぁ。

53.2004年11月27日:Aladin and Enchanted Lamp:OBW1:レベル1:5221語:564217
語:☆☆☆(+):アラジンって「怠け者」だったのね。子どもの頃読んだ本ではそんな風には書いてなかった。

54.2004年11月28日:Romeo and Juliet:OPS2:レベル2:☆☆☆(+):565007語:
戯曲の形で書かれています。ところどころ、レナード・ホワイティングとオリビア・ハシーの映画の場面の写真が入っています。NBTのロミ・ジュリを思いだしながら読みました。(>長尾千晶さんのジュリエット最高!!!)

55.2004年12月10日This Time Its Personal: CER6:レベル6:26036語:591043語
:☆☆☆☆☆:NYの私立探偵Matyのシリーズ。Matyの秘書の弟がケガをして病院に入院している、で、しかも彼に殺人容疑がかかっている…という電話がかかってきます。日頃、秘書におおいに助けられているMatyは、抱えている仕事はストップして、彼女のために調査を開始します。今回のNYは春。NYの四季もとても変化に富んでいるのが分かってそれも楽しい。

56.2004年12月15日The Killing of the Budgers Drift: PB:レベル7:76000語:
667043語:☆☆☆☆☆:再読です。でも、2度読みしても、英語的には今一つなところがいっぱい。私の英語力はまだキャサリン・グレアムのレベルには達していない?
 
57.2004年12月19日:Dolphin Music: CER5:レベル5:23267語:690310語:
☆☆☆☆☆:オーウェルの『1984年』を思わせるような管理社会の中で人々はバーチャル・リアリティの中で幸福に生きています。でも、本当はその「管理」の裏側に色々な問題がひそんでいる。主人公はそんな問題に立ち向かう人たちの抵抗運動に巻き込まれていきます。

英語快読200万語 (7)-CER5、CER6が「楽」になったかも…

「100万語」の時は、また、「200万語」のスタートの時は、CER5、CER6はちょっと「根性入れて読まないと読めない」って感じでしたが、大分「気楽」に読めるようになってきたみたい。少しずつ「読む力」に変化が起こっているのかしらん。

CER5、CER6も味読のものが減ってきてしまって、なんだか淋しい気分です。じゃんじゃん新しい話を出版してくれないかなぁ…。

44.2004年9月20日:Frozen Pizza and Other Slice of Life:CER6:レベル6:26474
語:367992語:☆☆☆☆☆:これはイギリスの事情をある程度知らないと、面白さが分からないタイプの短編集かもしれません。現代イギリスの持つ様々な「問題」が、8つのスライスに切り分けられています。題名もおしゃれ。マンチェスター訛の英語を話すと「頭悪そう」と思われてしまったり(>北の人が何となくバカにされているのは知っていたが、ここまでとは!)。どこにでもいそうな身勝手な女の子の話も、大学の授業料が有料化され(>と言っても日本の基準からすれば相当安いのだけれど)、奨学金が取り難くなったという現実の中で、さほど裕福でない家庭の子女が大学に行くことの厳しさというのが背景にあります。そういうイギリスの「現実」が生活の局面でどう「具体的」に体験されるか…というのを見事に描いた短編集だと思う。英語を学ぶということは同時にその国の文化や事情も学ぶということなので、イギリス英語の上級者にはうってつけのテキストと言えるかもしれませんね。アメリカ英語の人にはピンとこないかもしれません。

(英会話学校の先生でやはりイングランド北部の出身者がいるんだけど、北部訛りのある英語を話します。で、「僕の英語はなまってるので、南部に行くと頭悪そうって言われるんだ」と言ってました)

45.2004年9月24日:Emergency Murder:CER5::レベル5:20460語:412722語:
☆☆☆☆☆:主人公はボーイフレンドと別れたばかり。同僚のはからいで研究室から救急医療の現場に配置転換になる。毎日忙しく立ち働いていたのだが、ある日、急患で運ばれてきた患者が死亡していまう。その急患は、同僚の妻だったのだが、かつらをかぶって服装も派手。不審に思って色々調べていくうちに、腑に落ちないことが次々でて来る。そして、死因が自分が研究していた病原菌と関係していることが判明し、自分が疑われるハメに陥る。怪しい人物がいっぱいで、けっこうふりまわされた。ちょっと時間のある休日の気分転換にいい。

46.2004年9月30日:Murder Maker:CER6::レベル6:20460語:433182語:
☆☆☆☆☆:男に捨てられた女性の復讐劇。主人公は同じように男に捨てられたり、ひどい目にあわされた女友達のために次々と復讐をくわだてる。かなりハチャメチャな話だが、そのハチャメチャを楽しむ、という態度に徹すればかなり楽しめる。

47.2004年10月1日:Lobann’s Choice:CER2::レベル2:10000語:461352語:
☆☆☆(+):再読です。ローガンのシリーズは最初読んだ時は面白いと思ったけれど、48であげるネイサンのシリーズの方が面白いかも…。ローガンの方が主人公が女性だし、舞台がイギリス(>スコットランド)で行ったこともあるエジンバラだし、そういう意味では親しみを持って読めるはずなんだけどね。レベル2で長さに限界があるせいか登場人物の性格の掘り下げがいまいちに感じました。

48.2004年10月10日:East 43rd Street :CER5::レベル5:22722語:471352語:
☆☆☆☆☆:はっきり言って主人公のネイサン(ナット)は、私の好みのタイプじゃない。ハードボイルドも本当は苦手。だからあんまり感情移入して読めないはずなのに、でも、かなり面白く読めます。High Life, Low Lifeは夏のNYが舞台だったけれど、このお話しは冬のNYが舞台。夏は夏で厳しい暑さだけど、冬は冬で雪は降るし寒いんですねぇ、NY。私はローガンのシリーズよりこっちの方が好きかも。貿易センタービルがまだ存在している頃に出版されているので、何のこだわりもなく当たり前のように貿易センタービルが出てくるんですが、そのことに何ともいえない悲しさを感じました。

49.2004年10月17日:The Sugar Glider :CER5::レベル5:22822語:516896語:
☆☆☆☆☆:離婚で傷つき島で暮らしていた主人公が妻子に会うために久しぶりにオーストラリア本土に戻ってきます。年上の友人はこの主人公が妻子のそばで暮らせるよう、飛行学校を開くことを考えており(>で主人公をインストラクターに)、ちょっとうさんくさいけれど非常にペイの良い仕事を引き受け、主人公もそれに誘います。アボリジニたちの自らの権利を守ろうする運動も絡み、ハラハラドキドキの展開。(またどこかでちょんぼしてるみたい。エクセルで計算してるので、多分、何かを足し忘れているのだと思う。総語数はこちらで合ってるはずなので軌道修正)

50.2001年11月8日:Ali and his Camera:PGR0:レベル0:2100語:518996語:
イスタンブールに住むアリはカメラを買うお金はないけれど、想像の中で風景を切りとっては写真にしています。学校が終わると「便利屋」というか、街中で荷物もちなどの用事を言いつけられるのを待っては小銭を稼いで家計を助ける毎日。若いけどなかなか苦労をしている。ある日、顧客の一人になったおばあさんから古いカメラをもらい、想像の中ではなく実際の写真を取ることが出来るようになります。

51.2004年11月15日:The Way Home :CER5::レベル5:2000語:538996語:
☆☆☆☆☆:帰路に起こるちょっとした出来事で人生が変わってしまう・…。そんな運命の「いたずら」を描いた短編集。最後のストーリーは、ベッカムを思わせるMUの選手が主人公。ただし、奥さんはポップ・スターのようには書かれていないけど。思わぬことでMUのスター選手という、大変ではあるけれども充実した人生がとんでもない展開になってしまう…。ちょっと物悲しい最後です。新刊で総語数が不明なので、CER5の他のテキストと比較して、一応2000語としておきます。

52.2004年11月23日:The Tangled Web: CER5::レベル5:20000語:558996語:
☆☆☆☆☆:もとMI6のスパイだった主人公は任務を解かれ、ひっそりと暮らしている。ところがそこに昔の仲間が現れ自分を殺そうとする…・。これも新作で総語数不明なので、一応20000語としておきます。