英語快読100万語 (24)-バレエで100万語

注文入れてた「バレエがらみ」の英語の本の一部が入荷。わ~い! しばらくは「バレエで100万語」の日々だぞ~!

.88.4月9日(金):Bad Day for Ballet (NDN):1500語:9300語:721202語: ☆☆☆(+):
これは、The Nancy Drew Notebooksという少女探偵物の中の1冊です。このシリーズ、全部で40冊以上もあるらしい。アメリカでは人気のシリーズなのかしらん。
  で、「バレエ小説」と言うよりは、「少女推理物」の中の舞台設定がたまたま「リサイタル直前」の「バレエ教室」っていうタイプの小説です。なので、バレエシーンは少なく、子ども達の子どもの動きも、「バレエ」を巡るものではなく、「本番直前に本番用のテープが消えた」っていう、「事件」を巡るものが中心だったりはします。
  本番直前なのに振りがちゃんと入ってないベスがレッスンメイトから「犯人では?」と疑われ(>先生に何度も注意されて「こんなテープ捨てちゃいたい!」みたいな爆弾発言しちゃったという事情もあるのだが)、ベスと仲良しのナンシーが一生懸命「謎解き」をする…というストーリー展開。
 
89.4月10日(土):Ballet Surprise (FHM):1500語:10000語:731202語: ☆☆☆(+):
これ、読んでる最中は「投げ技を使うか???」でした。これも、シリーズ物の中でたまたま舞台設定が「バレエ」っていうものです。
  母親はいないけど(88の主人公も母親がいませんでした。そう言えば)、父親、2人の姉、おじさん、おじさんの妻、2人の双子の息子、父親の親友(であり一緒に朝のトークショーをやるという仕事上のパートナー)、犬、そして本人の10人家族おじさんやら、アメリカには珍しく大家族で住む一家の話で、大人気のTVシリーズでもあ
るらしい。(なんとNHKでも放映されたそうです)
  なぜ「途中で投げようか」と思ったかというと、それは主人公ミッシェルのあまりのエゴイズムであります。そもそも、彼女はバレエはあまり好きじゃなく、得意でもなく、途中でタップに転向する。だけど、ターナー家の「伝統」とやらで、学校の催しでやるバレエのオーディションを受けちゃう。その催しでは2人の姉が主役を踊ったっていう「歴史」もあったりはする。で、ミッシェルはもちろんそんな大きな役はもらえず、でも、先生いわく「重要な役」はもらえる。
  ほんとだったら「それだけでもありがたいと思えよ!」と言いたいところだが、彼女は次々自分だけ目立とうという工夫を「勝手に」やるんです。長い間バレエの訓練を積んできた子たちを、それはあまりに馬鹿にした行為だ…と腹が立った。
  で、最後の最後になって、先生が「あなたは他の子のことを全く考えていなかった」と彼女に言う場面が出てくるんですよね。
  あぁ、そうなのか。子どもの持つ「エゴイズム」というもの、それはそれは強い物で、どの子も「自分を見て、自分を見て」と訴える。親がよその人と話していると、一生懸命自分に注意を引こうとする。子どもってそういうもんです。
  で、イギリスの子ども向け小説を読んでいても思うけれど、アメリカやイギリスの子ども向け読み物って、そういう子どもの「いやなところ」を隠さない。日本だったら、多分、もうちょっとオブラートに包んで表現してしまうんじゃないかと思うんですよね、このあたり…。
  このシリーズが人気があるというのは、そういう子どもが本来もってる「エゴイズム」や「身勝手な奔放さ」というもののプラスとマイナスをとても素直に描いているからなのかもしれないな…と最後の最後まで来て思いました。
  ただ、私はやっぱり個人的には、このミッシェル、あんまり好きじゃありません。
アメリカ文化よりイギリス文化になじみがあるせいかもしれません。父親が「君がお姉さん達みたいに上手に踊れなかったとしてそれが何だい? 君はいつだって君自身なんだよ」みたいなことを言ったりもするし、テーマは「社会なり家族なりの期待」と「本当の自分自身」の葛藤・・みたいなことだったりするのだろうから、ミッシェルの「自己」を中心にストーリーが展開していくのは仕方ないとしても、先生が最後に指摘した「周囲の子ども」への目配りがこいつにはあまりにないなぁと思う。
  同じくらいの年齢の少女を対象にした小説で、同じように「バレエ小説」としてではなく、シリーズ物の中でバレエが対象になっているもので言うなら、9のGlitterGirls: Ballet Babeの方が私はずっと好き。
  ただ、子どもの目線で読んだ時、子ども達がどう感じるのか…ということについては、もはや子どもでなくなってしまった私には良く分からないところであります。

90.4月11日(日):My Mama Had a Dancing Heart:?語:370語:731572語: ☆☆☆☆☆:
美しいです。これは絵本じゃなくて、絵と言葉が奏でる詩です。あまりの美しさに思わず涙ぐみました。絵も美しいけれど、言葉も美しい。言葉ってこんなに美しいものだったんですね。
  「踊る」時にもっとも大切な物は何か…についても、改めて教えられた気がします。読み終わってなお、心が震えています。

91.4月12日(月):Baseball Ballerina(SIR3):700語:800語:732372語:☆☆☆ (+):
シャークスという女子野球チームでショート(ショートってshortstopなのね。知らなんだ)を守る女の子が、「もっと女の子らしいことを」とバレエを習わされる話。教室に行くと別のシャークスのメンバーも。2人は「このことは絶対に仲間には内緒にしよう」と約束するんだけど、友達の方はだんだんバレエにはまっていく…。
  「バレエみたいな女々しいことできるか!」「みんなに見られたら恥ずかしくてしょ~がない!」という新手の女の子のお話だったりはする。これもバレエ内在的なストーリーではなくて、バレエ外在的なストーリーであります。
  89の主人公よりはこっちの主人公が好き。この子は野球をやってるだけあって、チームスピリッツというものが分かっている。だから、本当はリサイタルなんていやだし、客席にシャークスのメンバーを見つけた時には「やば!」と思うんだけど、「今日は私のチームメートはシャークスのメンバーじゃなくて、一緒に踊る子たちなんだ」って、そう思って一生懸命踊ろうとする。
  母が押しつける「女の子らしさ」と「自分らしさ」の間に葛藤はあるけれど、でも、バレエの舞台の本番を目の前にした時には、自分にとって本来の自分らしさを感じられる野球を一時棚上げにして、バレエの仲間が築いてきた努力をスポイルするようなことはガマンする…。なかなか好感が持てます。野球を愛する子は、他の物を大切にしている子たちの、その大切な物にも敬意を払える…。
  レオタード着て、野球帽かぶり、グローブはめて、バットを持っている主人公の絵が描いてある表紙を見た時は思わず読むのやめようかと思ったけど、読んでみて良かった。

英語快読100万語 (23)-ピアノ快弾 100万小節

同僚で中学生の時2年間ピアノを習い、その後ずっと自分で楽しんでピアノを弾き続けている人がいます。私が息子と一緒にピアノのレッスンを再開しようかな、と思った時に「シロウトは2分以上の曲を弾いちゃダメですよ」とアドバイスしてくれた人。

これまでも、ピアノ談義はよくしてたんだけど、先日初めて彼のピアノを聴く機会がありました。彼の言ってたことを初めて「腹の底から」理解しました。

それは、まさにOBW1とかOBW2の世界でした。たった400語の語彙でこれだけの表現が出来るのか!という世界。

私はピアノも「お勉強」でやってきてしまっていて、通算すれば彼の10倍以上の年月を先生についてやってますが、PBを辞書を引き引き読む…状態で、難しい曲は弾いてるけど、レパートリーがちっともない。

他方彼の方は、OBW1程度の曲を、洒脱に弾くんですよね~。そうなのね、別にPBを弾かなくてもいいのね。OBW1でいいのよ。OBW1を楽しんで読むことの方が、無理して無理してPBを読むことよりずっとずっと素晴らしいことなのよね。

もちろん彼の音楽性ということも与って大きいです。普通は2年しか習ってない人にああいう音色は出せません。でも…でも、なおそこには「多弾」の効果が明らかに表れていました。

彼の指は私の指よりも明かにピアノを支配している。たとえば、音大を出た人なんかには、こういう「支配」が見られるんですが(何と言ったらいいんだろ。鍵盤ときちんと親和できるっていうか…)、私はまだそこまで行ってない。何というのかな、「掴み」がいいんですよね。

彼は国際的にも活躍してる人ですが、国際会議の後のパーティーなんかでもOBW1の曲をさらさら~っと弾いてみせるみたい。そうすると他の人も弾き出したり、踊り出す人が出て来たり、音楽を中心に人の輪が出来る。

そう、音楽は「楽しむ」ためにある。多読と同じ。

自分の技術より上の曲を数ヶ月かけて、年に2~3曲しか弾かない、おマルをもらったらもうその次の週にはその曲は弾けなくなってる…というのと、技術的に充分余裕を持って弾ける曲を常に10曲は暗譜で楽しんで弾ける、ピアノがある場所で「弾いて」と言われたら「OK」と弾いてみせ、そこに人の輪が広がる…というのとどっちが音楽の「本質」に近いのだろう…。それは言うまでもありませんよね。

日本の英語教育において我々驚くほど少ない量の英語しか読んでいないのと同様、私のピアノも長くやってる割りに驚くほど数少ない曲しか弾いていないのです。

多読の原則は他のどの分野にも「応用」がきくのかもしれません。”○○“に何が入るにせよ、”Happy ○○”が大切なのだと思いました。

84.3月27日(土):Goodbye Mr. Hollywood (OBW1):400語:6100語:686602語:
☆☆☆☆:これは、John Escottによるもの。最近OBWを買う時はうしろの作家紹介のところをチェックします。で、他に読んだ物で面白い物を書いてたら安心して買う。Escottは、作家紹介によると、私が多読にはまる契機となった、アガサ・クリスティの伝記を書いた作家だったので迷わず買いました。「好きな作家」ってGRのレベルで
もやっぱりあるもんなんですね。しばらくは、Tim Vicary とJohn Escottのものを読もうかと思ってます。

85.3月28日(日):Dinosaurs Before Dark (YL3.0):1500語:5200語:691802語:
☆☆☆:MTHのシリーズは評判が良いので手に取ってみました。私的には最初の1冊はまぁまぁかな。このシリーズ、要するに読書しながら地理や歴史の勉強も出来てしまうっていうシリーズらしいので、読んでいくうちにだんだん面白くなっていくのかもしれません。子どもって恐竜好きですよね。私のHNのウルトラQやらウルトラマンシリーズが流行ったのも子ども達が恐竜(や怪獣)が好きだからなのかな。大人はあんまり”dinosaurs”なんて単語は理科系の古生物とか地質学とかやってる人でもない限り使わないと思うけど、子どもの世界では頻出単語ですよね。今、気づいたんだけど、「○○ザウルス」って”dinosaurs”の”saurs”なのね。英語で発音する時は「ステゴザウルス」は「ステゴサウルス」なのかな?日本語でも「白亜紀」やら「ジュラ紀」やらってどっちが先なんだか後なんだかすっかり忘れてたりしますが(>無知)、こういう単語、英語で出てきても訳分からないです。恐竜の身体の「部位」なんかも挿絵であたりはつくけど、こんなの日本語でも知らないし、なんかあやふや。

86.4月3日(土):Ireland (OFF2):700語:3500語:695202語:☆☆☆:
これ、「積読」でした。アイルランドの長く、複雑な歴史をコンパクトに、でもある程度の深さをもって説明しています。最近のアイルランド出身のノーベル賞作家だとか、「リバー・ダンス」だとか、ボブ・ゲドルフだとか、そんなのにまで言及しつつ3500語でアイルランドを語るワザはすごい! 買った時にはタイトルで買ったけど、書いた人はTim Vicaryでした。しかし彼の筆力をもっても、3500語でアイルランドの過去と現在を語るのは無理があるみたいで、ちょっと消化不良な感じ。

87.4月8日(木):But Was It Murder? (CRE4):1900語:17000語:712202語:
☆☆☆☆☆:GRって、つい「英語の教材」って思いがちですが、むしろ「れっきとした読み物」ですね。この本なんか巷にあふれているミステリーと比べてもそんなに遜色なく楽しめると思います。もちろん、「うるさい」こと言う人はいるだろうけど、私がミステリー読むのは、「トリックを見破る」とか、そういうことより、「現実から一時離れたい」という「逃避」だったりするので、そういう役割は、GRでも充分果たせます。

英語快読100万語 (22)-絵を読む

多読には、「ある程度」の速度が大切…ということで、時々、自分の英語を読む速度が分即何単語なのかをチェックすることがアドバイスされています。

それはそれで大事だと思うのですが、そのチェックに使う本はPGR0のページの4分の3くらいは絵や写真になっているもの。速度を計測する間はひたすら字のところを追えばいいのかもしれないんだけど、絵にも目が行ってしまう。

ふとQが小さい頃のことを思い出しました。絵本を読んでやってた時のことです。字の部部を読み終わってページをめくろうとすると、「お母さん待って。僕まだ絵を読み終わってないんだから」って言うの。

「そっか。なるほど。絵を読むねぇ。たしかに…」と思いました。絵本はストーリーだけを楽しむものじゃなくて、絵も楽しむものなのよね。子どもを持つと、ふと物事の原点に立たされることがありますね。

…という訳でGRも、速さも大切にしつつ、でも絵も楽しみながら進めたらいいなと思います。

79の本で「初心に戻ろう」「とりあえずレベル0の本を10冊読もう」という中間点での「見直し目標」は達成。ただし、ORTはStep1の6冊を1冊に数えています。

「とりあえず」スタートして、「自己流」もまぜながらやってきて、ふと、SSSのHPを読んでみると、おおむねインストラクションに従ってはいるものの、かなり「勝手に」やってるところもあり、でも、いまさら引き返すのも面倒なので、ひとまず100万語を達成したら、つぎの200万語で、ちゃんと「メソッドに従って」やってみよう、と思ってます。

でも、「楽しく読む」という「大原則」ははずしてないから、ま、いっか。

79.3月17日(水):The White Oryx(PGR0):200語:990語:652502語:☆☆☆:
アラビアの動物について本を書こうと思っている主人公の女性が動物の写真を撮影するためにガイドの人と砂漠を移動している時に密猟者を発見…。オリックスって日本語にすると何かな? そもそも私、日本語でも動物の名前ってあんまり知らないかも…。絵がついてるのに、「あ、あれか」とはならないなぁ。「砂漠に住む」と棲息地が分かっても「あ、あれか」とはならない。

80.3月17日(水):Mutty Doolin(OBW2):700語:6700語:660202語:☆☆☆☆:
父親からは地場産業であり、父親も就業している造船業に就職するように言われている、学校卒業前の主人公。でも、彼は、農場で働きたいんです。イギリスの子ども向けのTV番組には「働く人々」がヒーローになってるものがいっぱいあります。PostmanPat とかFireman Samとか。で、子ども達のあこがれの職業の中に「農場で働く」ってのもあるんですね。これ、日本の脈絡の中では分かりにくいけど。たしか、Dollythe Ballerina というバレエ少女小説の中だったと思うけれど、ドリーの従姉妹だったか友達だったかに「農場で働く」というのが「夢」という女の子が出てきて、彼女はブタの世話したり、干草をフォークのでかいのみたいなの(そもそも日本語でも農具の名前を知らなかったりする)でかきまわしたりしてると、「あぁ、幸せ」っていう気分になるんです。そういうことをしてる時に「幸せ」って感じたり、それを「夢」とする子どもを主人公にした子ども向けのお話が成り立つというところに、イギリスの子ども達の「健全さ」を見ることが出来るようにも思います。

81.3月18日(水):Tinkers Irland(PGR0):200語:1000語:661202語:☆☆☆:
これ、Tinkers Firmの前編みたい。父親がぬれぎぬをきせられて窃盗犯ということになってしまい、オーストラリアに島流しになってしまうのを娘が少年に変装して船に乗り込み2人して脱走するのです。そもそも19世紀初頭のイギリスにはちゃんとした警察なんてものはまだ設立途上にあった訳で、「誤認逮捕」なんてのもへ~きであったりはしたのかもしれません。

82.3月21日(水):Justice(OBW3:1000語:10000語:671202語:☆☆☆:
これもTimVicaryによるもの。だいたい私、日本語の小説でも一人の作家の物を読みまくるタイプです。GRも最初は作者の名前を気にしていなかったのですが、彼の物は私的にヒットだということにだんだん気づいてきました。で、最近は本屋に行くと、彼の書いた物を探して買うようになりました。この話はアイルランドのテロがらみの話です。話が次々と展開していくテンポもよく、また、その展開の仕方が、こちらの(>私の)予測とは違う方向にもって行かれるというか、ジェットコースターで次は「上がるのか下がるのか」「右へ曲がるのか左へ曲がるのか」よく分からないのにぐぃ~んって持っていかれるスリルに似た感覚があります。彼は面白い筋運びが出来る人であるとともに、登場人物の心情の表現にも長けており、私が好きなのはその辺りなのかな?

83.3月25日(水):Skyjack!(OBW3:1000語:9300語:680502語:☆☆☆☆:
再びTimVicaryの作品。舞台となっている国の国情をどの辺りと想像して読むか…というのが少し難しい。アメリカ・イギリスと友好関係にはあるが、その関係は緊張関係をはらんでいて、自国政府はもとより、アメリカ・イギリスに対しても敵意を抱くテロリストが存在するような国内事情を持った国。そのあたりがもちっとリアルに想像れば、より一層面白く読めそうです。ま、それはおいといてもかなりハラハラ・ドキドキできます。それにしても首相というのは本当に難しい「決断」を強いられる職務ではあります。最初の方で、「こいつが首相かな?」と思いながら読んでって(>私の場合)、「あれま」という「予測の裏切り」があり、この作家の作品って、こういう騙される快感があるかな?