英語快読400万語 (4)-現代に生きる古典(>名作?)

「バーナビー警部」のDVDを見ていたら、どの話だったかに、「あれ? これって、The Wind of Willowsからの引用というか、その中の話にたとえて推理をすすめているよなぁ」と思う場面が出てきた。恥ずかしながら、The Wind of Willowsは読んだことがなくて、なんとなくとても有名、ということだけをおぼろげに知っていたのだが。

最近思うことは、GRのリトールド物を読むということは、(イギリスで出版されたものについて言うなら)イギリス人が「これだけは読んでおいて欲しいんだよねぇ」と思うようなもののセレクションであるということだ。まぁ、アメリカ物も入っているけれど。クラッシックスに分類される古典(>名作?)にせよ、コンテンポラリーに分類される現代物にせよ。

文学にせよ、何にせよ、本というのは「読みつがれて」生き残るものだ。誰も読みつがなくなって「死んで」しまった本は現在生き残っている本より多い。もちろん一度「死んだ」本も、だれかが発見し、「おぉ、なんだ面白いぢゃん!」となれば、また息を吹き返してその後生きながらえることも出来るのだが。

イギリス人のすべてが文学好きな訳ではないだろうが、イギリス人は自分の国の文学を大切にしているなぁと思う。それはイギリスで本屋に入ると、ペーパーバックの棚に、必ず「クラッシックス」の棚が別に分類されていることだ。かなり小さな本屋とか、あるいは駅のキオスクみたいなところでも、たいていはある。しかも、けっこう「目立つ」感じで。

日本の本屋の文庫のコーナーに夏目漱石や芥川龍之介が「必ず」置いてあるか?と問われれば、それは、必ずしもそうではない、と答えるしかないのだと思う。赤川次郎はあっても芥川龍之介はない、ということは、その逆よりずっと多いだろう。いや、赤川次郎さえ、「今は昔」になりつつあったりするのかも・・・。

その昔、イギリスで「日本人ですか?」と声をかけてきた、かつて日本人の女の子とつきあっていたことのあるらしい男性は「自分がトマス・ハーディの『テス』が好きだ」と言っていた。で、『テス』の文章の繊細さとか、そういうのについて熱く語っていた。

私の勝手な推測ではずれているかもしれないけれど、その男性は「階層的」にはそんなには上の階層じゃないと思うし、多分、大学も出ていないと思う。別に「学歴差別」や「階級差別」をしたくてこういうことを言っているのではないのだが、「あぁ、イギリス人って、かなり幅広い階層の人が文学を読むんだなぁ」って、そう思った。

・・・という訳で、「バーナビー警部」のような、大衆娯楽番組も、「みんなが知っているお話」というののフレーズが使われる訳である。なので、11のThe Wind of Willowsを読んでみることにした。

こんな風に私の多読は、その時その時の「出来心」で、あっちに行ったり、こっちに行ったり、フラフラと寄り道(>って「楽しんで読むこと自体」が目的なのだから、これが本道なのだろうが)を楽しみながらゆっくりと進んでいる。

ここまでの総語数、80901語。

11.6月3日:The Wind of Willows:PGR2:8000語:レベル2:☆☆☆(+):有名な本だけど読んだことなかった。日本では『楽しい川辺』で知られている(?)。イギリス児童文学におけるいろいろな動物の性格づけっていうのの原型がここにあらわれてるのかな? 日本では、むかし話にヒキガエルってあんまり出てこないと思うけど、イギリス(>というかヨーロッパ?)では、けっこう出てくる。日本にもカエルはいるのにね。そんなところにも日英文化の違いってのがあるんだろうか。

12.6月4日:LLL4( Ben and the Pop Starを除く8冊):1451語:☆☆☆:サクサクサク。

13.6月4日:LLL5(9冊):2474語:☆☆☆:サクサクサク。

14.6月4日:LLL6(6冊):4858語:☆☆☆:サクサクサク。

英語快読400万語 (3)-ポスト・ウィルソン?

ポスト・ウィルソンな作家、あるいはシリーズを探しているが、なかなかはまれるものに出会わない。って、まぁ、そんなに本気で探しているという訳でもないのだけれど。

エンサイクロペディア・ブラウンのシリーズは、「英語的」には今の私に合っているし、話の内容のレベル的にも合っているのだが(>ミステリーをしこたま読んでいる割に、犯人当てなどは出来ない)、やはりこれは「軽い読み物」という類のもので、「ちょっと気晴らし」に読むには適しているけれど、ウィルソンのもののような深さはない。

しかし、イギリス人もそうとう変わってるけど、アメリカ人もかなり変。ずいぶんと古い本だが黒岩 『豊かなイギリス人』(中公新書)に、イギリス人の「かたつむり競争」(>かたつむりを鍛えて、レースに参加させる)というのが出ていたり、昔通っていた英会話学校の教材に「きゅうり競争」(>きゅうりを誰が一番大きく育てられるか)というのが出ていて、ヘチマ(>なんてみんな知らないよね)みたいな大きさのキュウリの写真が出ていたりしたのを見て、「イギリス人っていいかげん変わった人たちよねぇ」と思っていた。

アメリカ人の場合は、イギリスみたいに思い切り特殊な「こだわり」に基づくレースではないのだけれど、「パイのはや食い競争」とか、そんなのが、このシリーズに出てきたりする。なんか身体に悪そうだが、アメリカ人もけっこう「おバカ」なことに血道をあげるのね、と思ったりしながら読んでいる。

ここまでの総語数は、64845語。

5.5月15日:Encyclopedia Brown: The Case of the Secret Pitch:児童書:12200語:Y.L.4.6:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。

6.5月18日:Encyclopedia Brown: Find the Clues:児童書:12200語:Y.L.4.6:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。

7.5月20日:Dinner Time(1):LLL3:71語:☆☆☆:レベル3の取りこぼし本。

8.5月20日:A Pet for Sam(1):LLL2:73語:☆☆☆:レベル2の取りこぼし本。

9.5月22日:Someday Angeline:児童書:27555語:Y.L.4.5:☆☆☆☆(+):なぜか色々なことが出来てしまうために友達からも父親からも「距離」を取られてしまい、孤独な女の子の話。私は、アメリカ文化よりイギリス文化の方になじみがあるので、同じように女の子の孤独を描いていても(>シチュエーションは違うけれど)、やはりウィルソンの描写の方が入っていきやすい。でも、こうやって、少しずつ、「新しい世界」になじんで自分の幅を広げるのも良いかも。

10.5月28日:Encyclopedia Brown: Gets his Men:児童書:10000語:Y.L.4.5:☆☆☆☆(+):上に書いたので省略。

英語快読400万語 (2)-LLLで足腰を鍛える

「私の400万語」は、LLLで足腰を鍛える!が大きな目標・・・ということで、LLLを読み始めた。LLLというのは、Longman Literacy Landというイギリスの小学生向けの副読本。ORT(Oxford Reading Tree)と並んで人気のシリーズだ。ORTが、絵が可愛く、家族は仲良く、夢にあふれたストーリーになっているのに対し、LLLの方は、両親の離婚とかの問題も出てきて、イギリスの子ども達の「現実」に近い設定になっている。

タドキストの間でも、ORT派とLLL派に分かれてるみたい。LLL派は、ORTみたいに「きれいごと」じゃない点が好まれているみたい。でも、絵については、私、ORTの方が可愛くて、遊びがあって(>メガネがあちこちに落ちていたり、無意味に校務員のおじさんが冒険先で別の人物として登場してたりして)好きだな。

LLLには頂上にお城のある公園が出てくるけど、これって、ヨークかなぁ。ヨークにも小山の上に古い城跡があって、絵を見ている限り、とても似ている感じがする。留学前の英語研修で、ヨークにエクスカージョンに行った時、この小山に階段があるのを知らずに、中国人の女の子(>といってもドクター・コースに留学する人だったので、それなりの年齢)とこの小山を小学生の子どもたちに混じって苦労して登ったっけ。かなりの急斜面できつかった。頂上に上った後で斜面の逆側に階段がついてるのを発見して「エー!うそぉ!」となった。

という訳で、「ひょっとしたら、これは舞台はヨーク?」とまずはそこに気を取られてしまった。ヨークはとても好きな町だ。留学中Qを連れて何度も遊びに行った。ミニチュアの機関車トーマスの博物館があって、ここでQは飽きもせず、何時間もトーマスやゴードンを動かしいた。

シャンブルという中世以来の細い道に小さなお店が立ち並び、アクセサリーや可愛い手編みのセーターなんかが売っている。私はブランド志向はないのだが、可愛いセーターに弱く、何枚も買ってしまった。

それはともかく、ヨークが舞台となると、ちょっと楽しみだなぁ。LLLは冊数が多いので、数を数えるのが面倒なので、1レベルを1冊(アイテム)と考えることにする。ただし、たまたま同じレベルの1冊が貸し出し中で読めなかった、というような場合は、その1冊だけ後から1冊として数えたりしている。あまりカチカチやると疲れるので、「アバウト」におおらかに・・・ということでお目こぼしください。

 また、煩雑になるので、総語数も1冊1冊の後に書かずに、各レポートの最後に、「ここまでの総語数は○語」という形で書くことにする。

・・・という訳で、ここまでの総語数は、2446語。

1.2005年5月15日:LLL0(6冊):LLL0:15語:☆☆☆:シリーズの最初のレベルは絵だけ。字は表紙の題名のみ。登場人物や設定が絵によって語られる。

2.2005年5月15日:LLL1(18冊):LLL1:308語:☆☆☆:ちょっとだけ字がつく。ほとんどは絵で状況説明。

3.2005年5月15日:LLL2(Sam’s Petを除く17冊):851語:☆☆☆:LLL1よりほんの少しだけ字が多くなったけど、でも、まだまだ基本的に絵で状況説明。

4.2005年5月15日:LLL3(Dinner Timeを除く17冊):1272語:☆☆☆:少しお話らしくなってきたかな? 小学校の副読本ということで、通常の絵本に比べ、面白さは今ひとつかな? まぁ、長いシリーズなので、「今後の展開」の「前置き」的な部分もあり、ORTも低いレベルのものは、同じくらいの長さの絵本に比べると、冗長になってしまう部分もあるのかも。絵本は「1冊」で話を完結させないとならないしね。