英語快読100万語 (23)-ピアノ快弾 100万小節

同僚で中学生の時2年間ピアノを習い、その後ずっと自分で楽しんでピアノを弾き続けている人がいます。私が息子と一緒にピアノのレッスンを再開しようかな、と思った時に「シロウトは2分以上の曲を弾いちゃダメですよ」とアドバイスしてくれた人。

これまでも、ピアノ談義はよくしてたんだけど、先日初めて彼のピアノを聴く機会がありました。彼の言ってたことを初めて「腹の底から」理解しました。

それは、まさにOBW1とかOBW2の世界でした。たった400語の語彙でこれだけの表現が出来るのか!という世界。

私はピアノも「お勉強」でやってきてしまっていて、通算すれば彼の10倍以上の年月を先生についてやってますが、PBを辞書を引き引き読む…状態で、難しい曲は弾いてるけど、レパートリーがちっともない。

他方彼の方は、OBW1程度の曲を、洒脱に弾くんですよね~。そうなのね、別にPBを弾かなくてもいいのね。OBW1でいいのよ。OBW1を楽しんで読むことの方が、無理して無理してPBを読むことよりずっとずっと素晴らしいことなのよね。

もちろん彼の音楽性ということも与って大きいです。普通は2年しか習ってない人にああいう音色は出せません。でも…でも、なおそこには「多弾」の効果が明らかに表れていました。

彼の指は私の指よりも明かにピアノを支配している。たとえば、音大を出た人なんかには、こういう「支配」が見られるんですが(何と言ったらいいんだろ。鍵盤ときちんと親和できるっていうか…)、私はまだそこまで行ってない。何というのかな、「掴み」がいいんですよね。

彼は国際的にも活躍してる人ですが、国際会議の後のパーティーなんかでもOBW1の曲をさらさら~っと弾いてみせるみたい。そうすると他の人も弾き出したり、踊り出す人が出て来たり、音楽を中心に人の輪が出来る。

そう、音楽は「楽しむ」ためにある。多読と同じ。

自分の技術より上の曲を数ヶ月かけて、年に2~3曲しか弾かない、おマルをもらったらもうその次の週にはその曲は弾けなくなってる…というのと、技術的に充分余裕を持って弾ける曲を常に10曲は暗譜で楽しんで弾ける、ピアノがある場所で「弾いて」と言われたら「OK」と弾いてみせ、そこに人の輪が広がる…というのとどっちが音楽の「本質」に近いのだろう…。それは言うまでもありませんよね。

日本の英語教育において我々驚くほど少ない量の英語しか読んでいないのと同様、私のピアノも長くやってる割りに驚くほど数少ない曲しか弾いていないのです。

多読の原則は他のどの分野にも「応用」がきくのかもしれません。”○○“に何が入るにせよ、”Happy ○○”が大切なのだと思いました。

84.3月27日(土):Goodbye Mr. Hollywood (OBW1):400語:6100語:686602語:
☆☆☆☆:これは、John Escottによるもの。最近OBWを買う時はうしろの作家紹介のところをチェックします。で、他に読んだ物で面白い物を書いてたら安心して買う。Escottは、作家紹介によると、私が多読にはまる契機となった、アガサ・クリスティの伝記を書いた作家だったので迷わず買いました。「好きな作家」ってGRのレベルで
もやっぱりあるもんなんですね。しばらくは、Tim Vicary とJohn Escottのものを読もうかと思ってます。

85.3月28日(日):Dinosaurs Before Dark (YL3.0):1500語:5200語:691802語:
☆☆☆:MTHのシリーズは評判が良いので手に取ってみました。私的には最初の1冊はまぁまぁかな。このシリーズ、要するに読書しながら地理や歴史の勉強も出来てしまうっていうシリーズらしいので、読んでいくうちにだんだん面白くなっていくのかもしれません。子どもって恐竜好きですよね。私のHNのウルトラQやらウルトラマンシリーズが流行ったのも子ども達が恐竜(や怪獣)が好きだからなのかな。大人はあんまり”dinosaurs”なんて単語は理科系の古生物とか地質学とかやってる人でもない限り使わないと思うけど、子どもの世界では頻出単語ですよね。今、気づいたんだけど、「○○ザウルス」って”dinosaurs”の”saurs”なのね。英語で発音する時は「ステゴザウルス」は「ステゴサウルス」なのかな?日本語でも「白亜紀」やら「ジュラ紀」やらってどっちが先なんだか後なんだかすっかり忘れてたりしますが(>無知)、こういう単語、英語で出てきても訳分からないです。恐竜の身体の「部位」なんかも挿絵であたりはつくけど、こんなの日本語でも知らないし、なんかあやふや。

86.4月3日(土):Ireland (OFF2):700語:3500語:695202語:☆☆☆:
これ、「積読」でした。アイルランドの長く、複雑な歴史をコンパクトに、でもある程度の深さをもって説明しています。最近のアイルランド出身のノーベル賞作家だとか、「リバー・ダンス」だとか、ボブ・ゲドルフだとか、そんなのにまで言及しつつ3500語でアイルランドを語るワザはすごい! 買った時にはタイトルで買ったけど、書いた人はTim Vicaryでした。しかし彼の筆力をもっても、3500語でアイルランドの過去と現在を語るのは無理があるみたいで、ちょっと消化不良な感じ。

87.4月8日(木):But Was It Murder? (CRE4):1900語:17000語:712202語:
☆☆☆☆☆:GRって、つい「英語の教材」って思いがちですが、むしろ「れっきとした読み物」ですね。この本なんか巷にあふれているミステリーと比べてもそんなに遜色なく楽しめると思います。もちろん、「うるさい」こと言う人はいるだろうけど、私がミステリー読むのは、「トリックを見破る」とか、そういうことより、「現実から一時離れたい」という「逃避」だったりするので、そういう役割は、GRでも充分果たせます。

英語快読100万語 (22)-絵を読む

多読には、「ある程度」の速度が大切…ということで、時々、自分の英語を読む速度が分即何単語なのかをチェックすることがアドバイスされています。

それはそれで大事だと思うのですが、そのチェックに使う本はPGR0のページの4分の3くらいは絵や写真になっているもの。速度を計測する間はひたすら字のところを追えばいいのかもしれないんだけど、絵にも目が行ってしまう。

ふとQが小さい頃のことを思い出しました。絵本を読んでやってた時のことです。字の部部を読み終わってページをめくろうとすると、「お母さん待って。僕まだ絵を読み終わってないんだから」って言うの。

「そっか。なるほど。絵を読むねぇ。たしかに…」と思いました。絵本はストーリーだけを楽しむものじゃなくて、絵も楽しむものなのよね。子どもを持つと、ふと物事の原点に立たされることがありますね。

…という訳でGRも、速さも大切にしつつ、でも絵も楽しみながら進めたらいいなと思います。

79の本で「初心に戻ろう」「とりあえずレベル0の本を10冊読もう」という中間点での「見直し目標」は達成。ただし、ORTはStep1の6冊を1冊に数えています。

「とりあえず」スタートして、「自己流」もまぜながらやってきて、ふと、SSSのHPを読んでみると、おおむねインストラクションに従ってはいるものの、かなり「勝手に」やってるところもあり、でも、いまさら引き返すのも面倒なので、ひとまず100万語を達成したら、つぎの200万語で、ちゃんと「メソッドに従って」やってみよう、と思ってます。

でも、「楽しく読む」という「大原則」ははずしてないから、ま、いっか。

79.3月17日(水):The White Oryx(PGR0):200語:990語:652502語:☆☆☆:
アラビアの動物について本を書こうと思っている主人公の女性が動物の写真を撮影するためにガイドの人と砂漠を移動している時に密猟者を発見…。オリックスって日本語にすると何かな? そもそも私、日本語でも動物の名前ってあんまり知らないかも…。絵がついてるのに、「あ、あれか」とはならないなぁ。「砂漠に住む」と棲息地が分かっても「あ、あれか」とはならない。

80.3月17日(水):Mutty Doolin(OBW2):700語:6700語:660202語:☆☆☆☆:
父親からは地場産業であり、父親も就業している造船業に就職するように言われている、学校卒業前の主人公。でも、彼は、農場で働きたいんです。イギリスの子ども向けのTV番組には「働く人々」がヒーローになってるものがいっぱいあります。PostmanPat とかFireman Samとか。で、子ども達のあこがれの職業の中に「農場で働く」ってのもあるんですね。これ、日本の脈絡の中では分かりにくいけど。たしか、Dollythe Ballerina というバレエ少女小説の中だったと思うけれど、ドリーの従姉妹だったか友達だったかに「農場で働く」というのが「夢」という女の子が出てきて、彼女はブタの世話したり、干草をフォークのでかいのみたいなの(そもそも日本語でも農具の名前を知らなかったりする)でかきまわしたりしてると、「あぁ、幸せ」っていう気分になるんです。そういうことをしてる時に「幸せ」って感じたり、それを「夢」とする子どもを主人公にした子ども向けのお話が成り立つというところに、イギリスの子ども達の「健全さ」を見ることが出来るようにも思います。

81.3月18日(水):Tinkers Irland(PGR0):200語:1000語:661202語:☆☆☆:
これ、Tinkers Firmの前編みたい。父親がぬれぎぬをきせられて窃盗犯ということになってしまい、オーストラリアに島流しになってしまうのを娘が少年に変装して船に乗り込み2人して脱走するのです。そもそも19世紀初頭のイギリスにはちゃんとした警察なんてものはまだ設立途上にあった訳で、「誤認逮捕」なんてのもへ~きであったりはしたのかもしれません。

82.3月21日(水):Justice(OBW3:1000語:10000語:671202語:☆☆☆:
これもTimVicaryによるもの。だいたい私、日本語の小説でも一人の作家の物を読みまくるタイプです。GRも最初は作者の名前を気にしていなかったのですが、彼の物は私的にヒットだということにだんだん気づいてきました。で、最近は本屋に行くと、彼の書いた物を探して買うようになりました。この話はアイルランドのテロがらみの話です。話が次々と展開していくテンポもよく、また、その展開の仕方が、こちらの(>私の)予測とは違う方向にもって行かれるというか、ジェットコースターで次は「上がるのか下がるのか」「右へ曲がるのか左へ曲がるのか」よく分からないのにぐぃ~んって持っていかれるスリルに似た感覚があります。彼は面白い筋運びが出来る人であるとともに、登場人物の心情の表現にも長けており、私が好きなのはその辺りなのかな?

83.3月25日(水):Skyjack!(OBW3:1000語:9300語:680502語:☆☆☆☆:
再びTimVicaryの作品。舞台となっている国の国情をどの辺りと想像して読むか…というのが少し難しい。アメリカ・イギリスと友好関係にはあるが、その関係は緊張関係をはらんでいて、自国政府はもとより、アメリカ・イギリスに対しても敵意を抱くテロリストが存在するような国内事情を持った国。そのあたりがもちっとリアルに想像れば、より一層面白く読めそうです。ま、それはおいといてもかなりハラハラ・ドキドキできます。それにしても首相というのは本当に難しい「決断」を強いられる職務ではあります。最初の方で、「こいつが首相かな?」と思いながら読んでって(>私の場合)、「あれま」という「予測の裏切り」があり、この作家の作品って、こういう騙される快感があるかな?

英語快読100万語 (21)-GRにコリン・デクスターがあるなんて!!!

わ~い! GRにコリン・デクスター発見! 私、「主任警部モース」のファンです。

イギリスに留学中、よくビデオ屋さんで借りて見ました。で、最近ではNHKで放映されたり、ケーブル・テレビでもやるので、すっごくうれしい!

PBでも何冊か手を出したけど、読破したのは1~2冊。あとは途中で挫折してる。デクスターのものって、翻訳で読んでも途中で話の流れを見失うことがあったりするので、英語力だけの問題ではないのかもしれない。英語力というのは所詮その比との「日本語能力」を越えることはないそうだから…。

デクスターのものは、オクスフォードが舞台ですが、舞台になってるパブやらなにやらがすべて実名なんです。あと、TVのシリーズだと、クラッシック好きの人には「今日は何の音楽がかかるかな?」というのがこたえられないらしい。私はクラッシックは好きですが、聴いてすぐに曲名が分かるようなマニアじゃないので、だめなんですが。

で、TVのシリーズで主演しているジョン・ソウは、イギリスでは「最もセクシーな男優」に選ばれたこともあるとか…。イギリス女性って渋いのが好みなのね。英会話学校の先生が「いやぁ、日本人女性には理解出来ないかもしれないんだけど…」と教えてくれました。

ソウは労働者階級出身の俳優で、彼についてのドキュメンタリーを見たことがあるんですが、結局生涯自分の人生に満足することなく死んで行ったみたい。俳優としてすごい成功しているのになぁ…。でも、その渇望感がかれを良い俳優にしていたのだろうか。

死期をさとったデクスターがちゃんと小説の上でモースを殺し、そしてTVのシリーズもちゃんとソウが死ぬ前に最後の話を放映できるようにした(>ソウの死期も分かってたのかな?)…というのも何だかすさまじく(>ソウはその最後の話が放映されて間もなく亡くなりました)、私は、モースの最後の話は未だに読めずにおります。
(>別れたくない)

77.3月14日(日):The Dead of Jerico(OBW5):1800語:23000語:649932語: ☆☆☆☆:
モースのシリーズって、日本語で読んでもけっこう頭がゴチャゴチャすることがあって(>特に最後の方)、これも最後のところでちょっと頭がゴチャゴチャしちゃいました。でも、このシリーズは、推理小説の「謎解き」というよりは、「モース」っていう「人物」を「面白がる」ところに真髄があると思う。そしてオクスフォードという「街」を楽しみ、教養あるモースの引用する「文学」を楽しみ、彼の聴く「音楽」を楽しむ。ま、モースに会うためにデクスターを読むって感じでしょうか…。

77.3月15日(月):Grace Darling(OBW2):700語:7700語:650632語:☆☆☆☆:
OBWの書き手の中でも、このTim Vicaryは傑出していると思います。彼の書いた物はみな面白いです。The Coldest Place しかり、White Deathしかり。

78.3月16日(火):Carnival(PGR0):200語:880語:651512語:☆☆☆:
マンチェスターから初めてロンドンに遊びにきた少年の話。ノッティング・ヒルカーニバルに行き、キャラバン(?)の上に乗った女性に一目ぼれ。必死で彼女を追いかけるんですが…。