英語快読100万語 (2)まずは小手調べ

まずは小手調べにペンギンのEasystarts(200語レベル)を数冊読んでみました。薄いし、じゃんじゃん読めます。Anita’s Big Day, Kim’s Choice,Billy and theQueenなど。それから、英語を母語とする子どもを対象としたステップ・リーディングのシリーズの一番易しいやつを数冊(これは本屋で5冊ほど立ち読み)。

ちょっと物足りないけど、でも、まあまあ楽しめます。特に英語を母語とする子どもたち向けのものには、色々新しい発見があったりします。簡単そうに見えて、comeとgoの違いなど、なかなか日本人には使い分けが難しいものについての「感覚」などが、「な~るほど」と納得できたり。

しかし、洋書なので、薄っぺらくてもけっこう高い。こりゃあ、いちいち買ってたら財布がもんたんぞ(教育や教養とは買うもんだったりするけど)。たまたま、仕事で使う図書館にペンギン、ケンブリッジ大学出版、オクスフォード大学出版などのシリーズが入っていたので、今後は、借りて読むことにしました。

酒井さんの本にも数冊読んでスラスラ読めるようだったら、先に行ってよろしいとあったので、このレベルは一応「卒業」ということにして、ケンブリッジ大学出版のシリーズ(これは語彙400語レベルから)を読むことにしました。同僚に推薦されたのと、ケンブリッジのシリーズは他の出版社のものより、冊数が少ないので選ぶのが楽というものぐさな理由。あと、日本ではあまり知られてないけど、ケンブリッジ英検っていうイギリスおよびヨーロッパではとても権威のある英語の資格試験があり、多分、ケンブリッジのものだったら、この試験とちょっとは関係あるかなぁ…というのもあります。いずれ、この英検の一番上のヤツを取りたいと思ってるので(このProficiencyというのを持ってると、ヨーロッパ系の外資なんかでの就職ですっごく有利です。イギリス(やオーストラリア・ニュージーランド)の大学・大学院留学でもこれがあれば英語能力の証明になります)。

ということで、私の記録はケンブリッジ大学出版の出しているシリーズの「ステップ1」から始まります。以下の記録は、「読み終わった日」→「タイトル」→「語彙レベル」→「総単語数」(総単語数はSSS英語学習方研究会の出しているCDのパックを買ったらその中にリストがあって、それを参照しています)→「総計」→「私の面白さランク」(そのリストも面白さが☆の数で示してありますが、私自身のランクとは必ずしも一致しない)→「コメント」という順になります。

1.
2003年8月1日(金):John Doe: 400: 4800:4800:☆☆☆: けっこうどきどきした。イギリスに住んでいる時、私もヨークに休暇ででかけたので、親しみがもてた。”Crime Watch”は好き(?)な番組なので、それと同種の” Crime Seek”という番組が使われるのも、リアルにイギリスを感じられてなつかしかった。

2.
2003年8月2日(土):The Big Picture::400:3400:8200:☆☆:主人公の妻 Sachikoの性格描写に説得力がない。まぁ、中心人物じゃないからいいけど。

3.
2003年8月2日(土):Just Like a Movie:400:3400:11600:☆☆☆:途中もドキドキするけど、最後のどんでん返しのサーカズムがイギリスっぽい。

4.
2003年8月2日(土):Help:400:3400:15000:☆☆☆:ちょっとイージーだけど、それなりに楽しめた。

5.
2003年8月3日(日):Apollo’s Gold:800:10000:21600:☆☆☆☆:仕事のしすぎで体調崩し、医者にも上司にも「絶対休暇をとらなくちゃダメ!」と言われてでかけた島で事件に遭遇するんだけど、それにしても、事件はともかく、こういう休暇の取り方はうらやましい。日本人には絶対的に欠けてるものだけど、きっと人生には必要な時間だと思う。

6.
2003年8月3日(日):Double Bass:800:8200:29800:☆☆☆:ダブルバスってコントラバスのこと? 辞書引いちゃいけないって言うから引いてないけど。でも、コントラバスだけじゃなくて、チェロより大きい弦楽器の総体? だって、大きさは色々だっていうから…。これもそれなりにドキドキできます。

英語快読100万語 (1)ものは試し

(2003年7月24日の日記に加筆修正したもの)


今、私が担当している仕事の1つ(他にもいっぱい担当してる仕事はあるの、ぐすん)に関する会議で、英語の教育サーヴィス提供も懸案になっており、その中で、 「英語が読めるようになるにはどうすれば良いか」という話が出ました。TESLと言う、「外国人に英語を教える方法」の研究の中でも、実はリーディングの分野ってとっても遅れているそう。リーディングの上達がどのようなプロセスでなされるか、ということは実は「ブラックボックスなのだ」とさえ言われているそうです。

で、その会議で出た話によれば、「自分の能力より低い(!)ものを多読」するのが重要・・・とのこと。そっか!と、目からウロコが落ちた気がしました。

私は仕事で英語をかなり読まなければならないのですが、どうも読んでる割には上達が感じられないんですよねぇ。それに、仕事を離れてもミステリーなんかもよく読むし、メアリー・ヒギンズ・クラークのものなんかは、出版さているものすべてを英語で読んでます。この会議で検討している方法では、100万語読めば相当読めるよう
になるっていうんだけど、私、メアリー・ヒギンズ・クラークのものだけでも100万語読んでると思うぞ~!

で、「私、ミステリーなんかも良く読むのに、あまり上達感がないんだけど、それって、自分の能力以上のものを読んでるってことかしら?」(辞書なしでも筋は分かるけど、どうも細かいところでよく分かってない)と聞くと、「そうです(きっぱり!)」というお返事。

確かに、日本語が読めるようになったプロセスを考えてみるならば、一方で、読書している時に分からない言葉が出てきたとして、何となく「こういうことかな?」と思って読み進め、何度かその言葉に出会ううちに、「そうだこういうことだ」とその言葉の意味がインプットされていった、というのがあると思います。

他方で、国語の時間に教科書の分からない言葉を辞書でひいてノートに書いていくっていう宿題があって、また、授業の中で細かくテキストを精読する、という作業をする。

結局、この2つが合わさって、日本語の読解能力が身についてきた、と考える時、前者の「乱読」の部分が、英語については圧倒的に欠けているかもしれません。私の場合、量はそれなりに読んでいるけれど、自分の英語能力より「高い」ものを読んでいるので、結局、知らない単語、分からない単語に出会って、文脈から類推したとしても、それが「身についていかない」のだと思います。

で、推薦されている方法としては、グレード分けしてある英語のテキスト(gradedreading)の一番低いところから沢山読む・・・ということ。

最初、この話を聞いた時には、「いまさらなぁ」と抵抗があったんです。たとえ簡単なものでも、「英語の勉強用」のものじゃなくて、実際にイギリス人が読むもの・・・そういうのを読みたいっていうか。(英語を母語とする子どもが英語の読みを習得するためのstep readingのシリーズもあります)

でも、よくよく考えてみれば、実際自分の英語の実力は「不充分」なのだし、その現実を認めてとにかくやってみようかな・・・と思い、何冊か、グレード付きのテキストの1番簡単なのを買ってみました。う~む、良いかもぉ・・・。一番下のグレードだと分からない単語はほとんどないですが、でも、その分、英語の自然な流れとか、そういうのが感じられるかも・・・。

リスニングについて「シャワーをあびるように聞く」、というのがあるけど、読むのも「シャワーをあびるように読む」ってのが大事なのかも・・・。

ま、どうなるかは分かりませんが、しばらくこの方式を続けてみようかな、と思っています。興味のある方、私と一緒にやってみません?

この方法を推賞しているグループのHPがあります。アドレスは以下。
http://www.seg.co.jp/sss/

また、参考文献としては、酒井邦秀『快読100万語! ペーパーバックへの途 』 (ちくま学術文庫)。