英語快読100万語 (30)-おこちゃまはソプラノが嫌い?

121の主人公、犬のハリーは隣の家に住む、女性歌手の歌が大嫌い。あの手、この手で彼女の歌をやめさせようとします。

それで思い出したのがQが幼い頃のこと。イギリスに住んでいた頃、「ブラム」という子ども向けの番組があり、Qはこれが大好きでした。ブラムは自動車修理工場に住んでる小さな自動車で、毎日町の探検に出かけるんです。で、その探検で得た戦利品を家に帰ると工場で油だらけになって働いていたおじさんが、棚の上にコレクションしといてくれるんです。

イギリスの子ども番組には、そういう「働く人々」をたたえるものが多いように思います。「ポストマン・パット」とか「ファイヤーマン・サム」とか…。

で、その「ブラム」の中にオペラ座にまぎれこんでしまったブラムがソプラノのオペラ歌手においかけまわされるという話があったんです。

夏休み、子ども向けの劇が、町のオペラ座にかかるっていうんで、一番良い席を取って、Qを連れていこうと思ったら、Qが行きのタクシーの中で固まってしまい、「オペラ座こわい」って言うんですよね。「オペラをやる訳じゃないから大丈夫」と言っても、どうにもこうにもこわい…。仕方なく、そのままUターンして家に帰りました。

思うに、子どもにとって、ソプラノのあの響きがとても恐ろしいのかもしれません。ハリーの隣の家の歌手がソプラノだったかどうかは不明ですが、多分ソプラノなんじゃないかな。

121.5月28日(金):Harry and the Lady Next Door:YL0.6:1,200語: 868953語
ICRB 1:☆☆☆(+):真面目に声楽の勉強している隣の女性にはちょっと気の毒な話ですが、まあ、声楽を正式に勉強した女性の歌声が子どもにとってはとても恐ろしいものなのかも…ということで大目に見ましょう。

122.5月30日(日)Run for your Life:300:1600語: 870553語 PGR1:☆☆☆:
ペンギンは食わず嫌いしてましたが、OBWの0よりは良いかな? 語学研修でスペインに行った主人公が、古い市街を歩いているうちに麻薬がらみの事件に巻き込まれるお話。

123.5月31日(月)Who’s Afraid of the Dark:YL0.5:200語: 870753語
ICRB11:☆☆☆☆:自分が暗闇が恐いのに、ペットの犬のせいにして強がる男の子のお話。ヤンソン由美子さんの『男が代わる』という本の中で、スウェーデンの教育現場での調査で、すでに幼稚園児の頃から男の子は自分の弱さを友達から隠す、女の子は自分の弱さを見せることで共感を得て友達を得る…というのが紹介されてましたが、そういうことなのかしらね。

124. 6月2日(水):The Piano: 700語:7000語:875953語:OBW2:☆☆☆☆:
主人公は子どもの沢山いるあまり豊かでない家庭に生まれ、義務教育を終えた後(>当時は初等教育のみ?)、農場に就職します。ある日、新しい車のために納屋を片付けるように言われるのですが、ガラクタに混ざってピアノが出てきます。主人公はそれを触ってみるのですが、彼は何故か上手にそれが弾けたのです。学校時代、正式な音楽の授業はなかったけれど、週に1度だけ歌を教えに来てくれる先生がいて、彼はその授業を思い出します。その後色々あって、最後主人公はプロのピアニストになります。
  ピアノを触ったことがないのに上手に弾けるということがありえるのかどうか?そんな年から始めてプロになれるのか?という疑問は残るけれど、イギリスでは映画『リトル・ダンサー』みたいに、貧しい家の出身者でも、才能があれば芸術の道で上に上がっていける可能性が(日本よりはずっと)あります。また、ピアノにおいても、きっと日本みたいに小さい頃からカリカリやらなくても、きっと本来なら、芸術の道って「天才は努力に勝る」のでしょう。日本ではこんな風な「遅れてきた天才」がその才能を開花させる道は少なくともピアノにおいては難しいように思います。

125 6月4日(金):Superbird: 800語:9400語:885353語:CER2:☆☆☆☆:
最初のうち、今一つ話が見えてなくて、途中から、おぉ!と思いました。なかなか読ませる話です。

126 6月5日(土):The Wrong Man: 300語:1200語:886553語:PGR1:☆☆☆:
英語のマンガは苦手と思っていたけれど(>日本語のマンガは大好き)、これは割合読みやすかったです。

127 6月6日(日):Boston Coffee Party: YL2.5:1400語:887953語:ICRB:
☆☆☆☆:男たちが戦争に行っている間、女性たちは慰問のためのシャツを縫ったりしながら町を守っているのですが、物資不足を良いことに商品の値段をつりあげる商人が。女性たちは「ボストン茶会事件」にならって、「ボストン・コーヒー・パーティ事件」を引き起こすことにします。実話に基づいた話だそうですが、物不足の時に立ち上がるのはいつも女性。フランス革命の「パンよこせ」のデモの時も、日本の米騒動の時も。

128 6月7日(月):Leonard Docapro: 300YL2.5:2300語:890253語:PGR1:☆☆☆
:可もなく不可もなくって感じ。ロミオって、演じるのジュリエットよりずっと難しいと思うのだけど、ディカプリオのロミオはなかなか良かったです。でも、その魅力があんまり描けてないな。

英語快読100万語 (29)-GRで語数を稼ぐ

しばらく、バレエ物の児童書とI Can Read Booksのシリーズを中心に読んでましたが、バレエ物のストックがなくなってきたので、GRにも復帰しようと思います。久しぶりにGRを読みましたが、一応、「大人向け」というか、ある程度の年齢以上向けに書いてあるので、児童書より、楽に話に入って行けるという面があります。

他方、ネイティブ向けに書かれた自然さというのに、若干欠けるような気がしてしまうのは、これは、「学習用に人工的に書かれた物」というのが頭にこびりついているせいかな?

でも、何と言っても、たとえばOBW1なら1冊で5000語はあるので、20冊で10万語というこの「手ごろの長さ」も魅力です。OBW3くらいなら10000語くらいになるから、10冊で10万語。

児童書だと、絵本みたいなのだと、100語のものなら100冊読んでようやく1万語で、これで10万語と思ったら1000冊だもん。

他方で、「バレエ・シューズ」みたいに7万語とかいうのもあるし。7万語もあると「気軽に息抜き」っていう訳にも行かなくなるし。

GRは現在の私にとっては、とてもハンディであったりはします。

GRで楽しく語数を稼ぎつつ、「自然な英語」のリズムも身につけるべく、児童書も平行して読もうと思います。

バレエ物もSSSのリストにないものも探して読んでみようと思います。(>リストにないものは語数を数えるのが面倒だったりはするのだが・・。ものぐさです)

114.5月11日(火):Chester:YL0.5:670語:818553語:☆☆☆(-):
ICR0人間につかまって世話してもらいたい・・という、なんか独立心のない馬のお話。人間につかまることを願ってたのに、仲間がみんな掴まってしまって自分だけ取り残される。で、友達を求めて町をさまようんです。最後掴まって仲間に会えてめでたし、めでたし…なんだけど、ちょっとなぁ。野生動物の誇りはどうした!と言いたい私はひねくれ者でしょうか。

115.5月13日(木):Red Fox:YL0:800語:819353語:☆☆☆:
ICR0:インディアンの男の子レッド・フォックスはもっと大きなカヌーが欲しくて、お父さんに作ってもらいます。「どのくらいの大きさのが欲しいの? これくらい?」と訪ねられ、「もっともっと」、「じゃあ、このくらい?」「もっともっと」と、とても大きなカヌーを作ってもらって川に漕ぎ出すんですが…。いや、しらなかったけど、カヌーって丸太を燃やして穴あけるんですね。

116.5月15日(土):Pocahontas:400語:5300語:824653語:☆☆☆☆:
OB1:ディズニーの映画の「ポコハンタス」が放映された時、「あれは、あんな美しい話じゃないんだ」というようなことが良く書かれていました。映画を見てないので、よく分からないんだけど、このGRの「ポコハンタス」は「美談」の「裏」を書いているのだろうか…。それとも、近いうちにディズニー映画の方も見てみようかな。

117.5月16日(日):The Elephant Man:400語:5900語:830553語:☆☆☆☆:
OBW1:これ、昔映画が流行った時、なんとなく猟奇趣味っていうか、そんな感じがして、全然見る気がしなかったし、GRにおいても読もうという気がありませんでした。でも、か着てがTim Vicaryだったので、116同様に読んで見る気になったんです。読んでみたら、私が勝手に想像していたの

118.5月20日(木):High Life, Low Life(CER4):1700語:20000語:850553語:
☆☆☆☆:NYの私立探偵が大金持ちの未亡人とホームレスの女性という2人の対照的な人生を送る2人の女性から依頼を受けます。NYの夏って暑いんですね。「ギンギンに冷えたビール」ってのが、NYのビールのあるべき姿なんですね。イギリスでは最近でこそ冷えたビールが流行しつつありますが、「ギンギンに」というほど冷えてなくてもいい…。

119.5月24日(月):The Man from Nowhere(CER2):800語:9700語:860253語:
☆☆☆☆:これ、表紙の写真とキャプションであまり心を動かされず、手を出さずにいたのですが、読み始めてみたら面白かったです。家族で自家用飛行機でオマーンの上空を飛んでる時に事故にあい、飛行機は墜落。妻と息子を残して助けを求めに主人公は太陽を背に「東へ」と向かうのですが、力尽きて倒れ、昏睡状態になってしまいます。妻や子の手元に残された食料や水はわずか…。どうなってしまうのか!!!!

120.5月27日(木):Earrings from Frankfurt(OBW2):800語:6500語:866753語:
☆☆☆☆:看護婦の主人公のところになかなか定職につかない弟がお金を借りにきます。また失業してしまって新しいガールフレンドの誕生日にプレゼントを買うお金がないっていうんです。その後警察が弟の行方を尋ねに来たり、弟のガールフレンドが助けを求めに来り。どうやら弟とガールフレンドは犯罪がらみの会社に勤めてしまっていたみたい。話はテンポ良く進んで行き、はらはらどきどき出来ます。

英語快読100万語 (28)-バレエで80万語通過!

111のBallet Shoesはとても読み応えのある本でした。

1930年代のロンドンを舞台にしたお話。主人公の3人の娘は孤児。化石収集のために世界を飛び回っている道楽者(>と言っていいのかな?)のマシュー大叔父さんが、「拾ってきた」女の子たちです。

彼女たちは、マシュー大叔父さんの姪と乳母やら使用人やらと大叔父さんの家で暮らしていますが、またもや旅に出た大叔父さんが予定を過ぎても帰ってこない。そうこうしているうちに、大叔父さんが残していってくれたお金が底をついてきます。

広い家ですから、下宿人をおいたり色々しますが、それでも「やりくり」が難しくなってくる。そんな訳で、3人の娘はthe Children’s Academy of Dancingという学校に行くことになるのです。舞台の仕事なら「12歳から」金が稼げるのです。

彼女達は、自らの名字をマシュー大叔父さんが集めているFossils (化石)と決め、いずれ歴史の本に名を残すような人になろうと誓いをたてます。自分たちは孤児であり、もし、名を残すようなことがあれば、それは自分たち自身の力によってであり、祖父の七光りだとか、そういうことではない、というのです。

驚くべきことに、この物語がの初版は1937年のこと。しかし、読んでいて「古さ」は全く感じません。何世代も読みつがれてきた、児童文学の「名作」であり「古典」なのでしょう。生き残ってきた文学の「強さ」と「普遍性」を感じさせます。

1930年代のイギリスにおいて「舞台芸術」というものが占めていた位置というか、「芸人」の社会的ポジションというか、そういうものもシビアに理解することが出来ます。イギリスにおいては、舞台人は決して「お譲様芸」などではなく、「食っていかねばならぬ家庭の子女」のものなんですね。そして、また逆に、舞台芸術は「食ってくことの出来る道」なのです。この差は現在にいたるまで、続いているとも言えます。少なくともバレエの世界では。

あと、もう一つ印象に残ったのは、3人姉妹(>といってもそれぞれ違うところから「拾われて」きたので血はつながってない)の2番目の娘は、機械好き。でも、当時は女性には、その機械好きを生かす仕事がないんですね。長女は演劇に、三女はバレエに、それぞれ天分があるんですが。

次女は「食ってく」ために舞台芸術の勉強をし続けますが、本当は、下宿人の自動車修理工場で機械いじりしてるのが彼女にとって最も幸せな時間。でも、こういう機械好きで当時の社会の中では(>あるいは現代においても?)「居場所のない」女の子を登場させているところもこの小説の作家の先見性のようなものが現れているのかもしれません。

SSSの書評では、「ユー・ガット・メール」の中でメグ・ライアンがこの本を薦める場面が出てくるというので、これ、一度飛行機の中で見てるんだけど、ビデオを借りて見てみました。

そしたらね、これ、字幕が悪いわね~。

メグ・ライアンは「ステンフィールドはスケーティング・シューズやらシアター・シューズやらダンシング・シューズを書いている」と言ってるのに字幕は「スケート靴の話もあるのよ」となっている。「バレエ・シューズ」にしても「バレエ・シューズの話」とされている。これさ、靴の話じゃないよ! シアター・ライフの話だよ。「バレエ・シューズ」という本」「「スケート靴」という題名の本」とすべきだと思うわ。字が足りないんだったら「「バレエ・シューズ」「スケート靴」などを書いている」(>まぁ、これじゃ字幕として固すぎるのかもしれないけど)としたらいいのに。

ステンフィールドの本を読んだことのない人が字幕を書いているのでしょうが、このステンフィールドの本が、「これだけ長きにわたって愛されている」ということを知っていれば、あるいはステンフィールドの本を1冊でも読んでいれば、もっと違った訳になっただろうに…と、彼女の本を読んでからこの字幕を見ると、すご~く残念に思います。だって、本当に良い本なんだもん。アメリカにおいては「バレエ・シューズ」というだけで「話が通じる」んでしょうね。「赤毛のアン」みたいな感じで。それだけ読みつがれている本なんでしょう。

「残念ながらバレエ・シューズもスケーティング・シューズも絶版」と、この映画では言っていたけれど、「バレエ・シューズ」が2003年に再版で出てるのは、これは、ひょっとしてこの映画のおかげかしらん。

「ダンシング・シューズ」も「シアター・シューズ」も復刻されてるようだけど、「スケーティング・シューズ」はまだみたいです。「バレエ・シューズ」の後ろには「シアター・シューズ」と「ダンシング・シューズ」の抜粋がちょこっと載ってますが、「シアター・シューズ」では戦争に行った父親が行方不明になって「日本軍の捕虜になったんだろうか?」というような場面も出てきます。これを読むことは、第二次世界大戦の日本とイギリスの関係を、イギリス側から見てみる貴重な「読書」になるかもしれません。

メグ・ライアンは「スケート靴」もとても薦めていたので、「スケート靴」も再版されるとうれしいな。

それにしても、この「バレエ・シューズ」は、7万語程度なのですが、読破に時間かかったなぁ。まぁ、細切れにしか時間が取れないというのはあるにせよ、もし、これ、日本語で書かれていれば、これだけの面白さのある本だったら、私、ガマンできなくて1~2日で読み終えてしまうと思う。(>仕事にしわ寄せがきても)

やはり、英語については、まだまだ決定的に「速度不足」なのだなぁと、改めて思いました。

あ、聴き取りに関しても、字幕について偉そうなこと言ってますが、これ、字幕なしでは、細かいとこ全然分かってません。この映画を見たのは飛行機の中だったので字幕なしで見ました。字幕なしでもおおざっぱな筋は大体分かるけど、一番面白い、メールでの言葉での駆け引き、応酬、はずみ、なんかが、実はぜ~んぜん分かってま
せん。

主人公のノリのいいメールのやり取りの「機微」なんぞは、「楽しそうにメールの交換をしている」ということは分かっても、どこでお互いが惹かれてるのか、とか、そういうの字幕なしにはぜ~んぜん分かりません。

シャドウィング(SSSではシャドウィングと言って、聴き取りの練習として、ニュースや映画を見ながら、ぶつぶつぶつと登場人物の言ってることを繰り返すという方法を提唱しています。これ、効果あるかも。私も、イギリスに住んでいて一番リスニング能力が高かった時期は、英語がそのまま英語の「音」として頭に入ってきてました。今は昔・・の話だけど)の方ももちっと頑張ってみようっと。

111.5月8日(土):Ballet Shoes:?:71000語:811583語:☆☆☆☆☆:
上に書いたとおり、とても読み応えのある本です。そして、イギリスの児童文学らしく、主人公が舞台で成功して鼻持ちならなくなってしまう時期があったり、そういうのもとてもシビアにリアルに書いています。主人公はいつも「キレイ事」の人ではなく、イヤな面も持ち合わせること、人間のイヤな面が前面に出てきてしまうこともあること、そのあたりをイギリスの児童文学っていうのは実に手厳しく描くなぁといつも思います。

112.5月10日(月):Summer Party:YL0:3500語:815083語:☆☆☆☆:
The Cobble Street Cousins というシリーズの中の1冊。美しいお話です。

113.5月11日(火):A Little Shopping:YL0:2800語:817883語:☆☆☆☆:美しいお話