英語快読200万語 (10)-OBW3とシドニー・シェルダン

OBW3に何となく「ノリの悪さ」を感じたので、久しぶりにシドニー・シェルダンを読んでみることにしました。

その昔、大ブレークしていたシドニー・シェルダンをPBで読んでみて、その英語の歯切れの良さと分かりやすさ小気味のよい「テンポ感」にすっかり魅せられました。「原語で読むことの楽しさ」というのも初めて実感した。

当時は今よりもっと英語が出来なかったから、分からない単語ももっと一杯あったと思うし、英語の長文を読むのにも慣れていなかった…。でも、一度「原語」のスピード感を味わってしまうと、翻訳物で読んだ時に、そのスピードが翻訳者の頭の中を通り、思考の中を通り、腕を通り、別の原語になって紙に書かれたり、ワープロに打ち込まれたり、という、その過程でどうしても生じてしまう「減速感」がどうもイヤで、シドニー・シェルダンは翻訳は読んだことがありません。

多読を始める前にも何冊か読んでいますが、多読を始めてから1冊も読んでないなぁ。

私はPBはまだ読むと「どっと疲れる」ので、メアリー・ヒギンズ・クラークとかナスターシャ・クーパー、最近ではニッキー・フレンチの新作が出るたびに読むだけで手一杯という感じだったので。

しかし、久々にシドニー・シェルダンを読んでみたら、OBW3より読みやすいかも…。もちろんOBW3より長いし、知らない単語もOBW3よりいっぱいある。

だけど、ぐいぐいと引き込まれる「引き込まれ感」が違う。

OBW3も「リトールド」のものを中心に読んでいたためなのかな? 翻訳同様、そこの「人の手」が介在すると、「原作」の持つスピード感がどうしても損なわれてしまうのかもしれない。

それに何と言っても、シドニー・シェルダンは名うてのストーリー・テラーですもんね。GRの書き手にも良い人が沢山いるし、GRはGRとして楽しめるけれど、やっぱりシェルダンとGRの書き手では、「格」が違うのかも…。

63.2004年12月30日:Tell Me Your Dream: PB:レベル7:70000語:809273語:
☆☆☆☆☆:これ、多分昔読んだことある…。結末全然覚えてなかったけど。ストーリーにぐいぐい引き込まれて、多分OBW3を読むよりも「ラク」に読めたんじゃないかと思う。

64.2005年1月2日:The Best Laid Plans: PB:レベル8:100000語:909273語:
☆☆☆☆:こっちは、カゼでフトンの中でうとうとしながら読んだせいか、63よりも話に入っていけませんでした。多分ストーリーのラインが63より複雑で登場人物も多いためと思われます。

英語快読200万語 (9)-OBW3とCER6

本の好みは人それぞれだと思うのだが、OBW3とCER6を比べると、私の場合、CER6の方がラクに読み進めるかも・…。というのは、英語レベルの問題というより、ストーリー展開の「好み」なのだと思う。

CER6はストーリーに引かれてぐいぐいと読める。OBW3はもちろん面白くないことはないのだが、CER6のようなスピード感がない。英語自体のスピード感っていうか…。

私には英語の良し悪しを論じる力などはないのだが、多分、英語自体もCERの英語が好きなんだと思う。

「違いは何か?」と問われれば、答えることは出来ないのだが…。

私にとっては、CERの英語はす~っと入っていける英語だがOBW3の英語は私にはゴツゴツとひっかかりのある英語・・というか。まぁ、それでもPGRのシリーズよりは、OBWの方がずっと好きだし、OBWの中でもTim Vicaryのものはすごく好きだ。多分、リトールド物の英語に「ひっかかり」を感じるのかなぁ…。

日本語だったら、ある程度、「文体」の好みっていうのを語れるのだけれど、英語の場合は、出会う度、読む度に「あ、これは好き」とか「あ、これは読みやすい」とか、逆に「あれ? なんか読みにくいなぁ」とか、1回ごとに「感じる」ことしか出来ない。

英語における「文体」というものが分かっていない。

ま、難しいことは専門家に任せておいて、私は自分にとって読みやすいもの、面白いものを探してずんずん読んで行けばいいんだけどね。

58.2004年12月20日:On the Edge::OBW3:レベル3:11000語:701310語:
☆☆☆☆:主人公は何物かに誘拐された。意識を失っていたけれど、目覚めると、そこは自分の家ではない。自分の髪の色がもとの色と違っているし、自分の両親だという「見知らぬ」大人がいる。自分は誰なんだ? 僕の名前はこんな名前じゃなかったはず? でも、やっぱり僕は「見知らぬ」両親の言うとおりの彼らの子? 主人公のアイデンティティはだんだん揺らいでいく。ミステリーとしても楽しめるし、「アイデンティティのもろさ」というような哲学的テーマを考える書物としても楽しめるかも…。

59.2004年12月23日:The Last Sherlock Homes Story:OBW3:レベル3:11000語:
712310語:☆☆☆☆:イギリス犯罪史上最大の犯罪ともいえる切り裂きジャックによる連続殺人事件にホームズが挑む。これはドイルの作品ではなくて、別の人が1970年代に書いたもの。ワトスンが残した記録が彼の死後発見された、という形で書かれている。

60.2004年12月27日:The Crown of Violet:OBW3:レベル3:11069語:723379語:
☆☆☆☆:直接民主主義時代のアテネが舞台。書き手はなかなかにフェミニストな視点もあり、「市民」の中に「女性」が含まれてはおらず、女性の行動がさまざまに制限されていたことへの問題意識が作品を貫いている。ソクラテスその人が登場人物に出てきたりして、当時のアテネの雰囲気が生き生きと感じられる。

61. 12月28日:Love Story:OBW3:レベル3:8594語:731973語:☆☆☆:大変若い
頃に映画見たことがあります。その時はあんまり感じなかったけれど、これって「フェミニズムの第二の波」を準備することになったような状況? つまり、大学って「相手を見つける」ところになってて、女性の方は学業をやめてバイトで彼を支え、卒業と同時に「ジューン・ブライド」になるのが女の子の一つの「コース」となっていた・・というような状況。(このあたりの事情については、岩男寿美子他『女性学事始め』(講談社現代新書)をご参照下さい。ちょっと古い本ですが) アメリカ的にはOKなのかもしれないけれど、主人公の女の子のちょっと「意地悪っぽい」物言いが気になる。お金持ちのおぼっちゃまにはそれが新鮮だったのかもしれないけど。

62. 2004年12月29日:Robinson Crusoe :OBW2:レベル2:7300語:739273語:☆☆☆
(+):実は、『ロビンソン・クルーソー』は私の専門分野で昔から良く言及される素材だったりはします。私の属する(>あんまり自覚もないのだが。まぁ、先生筋をたどっていくと…ということで)「学派」(>今やその勢力は壊滅状態ともいえるが)の祖も、『ロビンソン・クルーソー』についてその著作の中で何度も言及されております。最近はポスト・コロニアルな状況の中で、「フライデーの位置付けってどうよ!」という研究も盛んなようであり、私の属する学派の祖は批判されたりもしております。

英語快読200万語 (8)-CER7、CER8が欲しい!

バーナビー警部の1作目、2回目を読み終わりました。

う~む! 2度読んだがどうもちゃんとは分かってない気がする。知らない単語も、よ~分からない表現もかなり多い。

筋は追える…。だから一応推理小説として面白くは読める。

でも、細かいところでの動機につながる重要な心の動きだとか、実は大切なトリックとか、そういうのを読みおとしているような気がするんですよね~。

つまるところ、私の現在の英語力は、CRE5~6はかなり楽に読めるようになった、しかし、PBにはギャップがある…というところでしょう。

PBの場合は、グレード分けがされてる訳じゃないし、「英語を学習している人」のために書かれたものじゃないから、一つの作品の中の英語の難易度っていうのは安定してないっていう面もあるし、どういう順番で読んでいったらいいのか、しかも、こんな長いもん、面白くないのは読みたくないし、この先どう進めるのか迷うところ。

57のDolphin Musicで一応CERのシリーズは現在出ている物は、CER5のYou and Meを除いて全部読んでしまいました。ちぇっ、このシリーズ好きだったのになぁ…。

で、さてどうしましょ…って、迷ってるところです。

久しぶりにシドニー・シェルダンでも読むかな。あれなら英語割合易しいし、どれくらいラクになってるか確認してみるのもいいかも…。

バーナビー警部の2作目もちょっと読みかけているのだが、やっぱり今の自分の英語力で「ラクに」読めないので、スピード感をもって読めないので…。

Dolphin Music: SFはちょっと苦手なので最後まで残していたのですが、CERいよいよ読むものがなくなって、仕方なく手を出したら、面白かった。ぐいぐい話に引き込まれて、楽しく読み切ることが出来ました。2051年、人々はバーチャル・リアリティの中でハッピィに暮らしています。でも、その裏で色々なことが起こっている…。そういえば、その昔、私がPB2冊目として読んだ本は、『1984年』でした。(>1冊目は『アニマル・ファーム』)

色々迷ったがSSSのHPで書評を見ているうちに「OBW3のみの書評」という欄を見つけ、中に面白そうな本があるのを発見。とりあえず、200万語に到達するまでは、OBW3で埋めていくかなぁ。

53.2004年11月27日:Aladin and Enchanted Lamp:OBW1:レベル1:5221語:564217
語:☆☆☆(+):アラジンって「怠け者」だったのね。子どもの頃読んだ本ではそんな風には書いてなかった。

54.2004年11月28日:Romeo and Juliet:OPS2:レベル2:☆☆☆(+):565007語:
戯曲の形で書かれています。ところどころ、レナード・ホワイティングとオリビア・ハシーの映画の場面の写真が入っています。NBTのロミ・ジュリを思いだしながら読みました。(>長尾千晶さんのジュリエット最高!!!)

55.2004年12月10日This Time Its Personal: CER6:レベル6:26036語:591043語
:☆☆☆☆☆:NYの私立探偵Matyのシリーズ。Matyの秘書の弟がケガをして病院に入院している、で、しかも彼に殺人容疑がかかっている…という電話がかかってきます。日頃、秘書におおいに助けられているMatyは、抱えている仕事はストップして、彼女のために調査を開始します。今回のNYは春。NYの四季もとても変化に富んでいるのが分かってそれも楽しい。

56.2004年12月15日The Killing of the Budgers Drift: PB:レベル7:76000語:
667043語:☆☆☆☆☆:再読です。でも、2度読みしても、英語的には今一つなところがいっぱい。私の英語力はまだキャサリン・グレアムのレベルには達していない?
 
57.2004年12月19日:Dolphin Music: CER5:レベル5:23267語:690310語:
☆☆☆☆☆:オーウェルの『1984年』を思わせるような管理社会の中で人々はバーチャル・リアリティの中で幸福に生きています。でも、本当はその「管理」の裏側に色々な問題がひそんでいる。主人公はそんな問題に立ち向かう人たちの抵抗運動に巻き込まれていきます。