エミリー・ブロンテの『嵐が丘』をGRで読んでみました。この作品は昔翻訳で読んだことがあります。でも、細かいことはみんな忘れてしまっていて、NBTのワークショップの時も「あぁ、そんな場面があったかも…」という感じでした。
逆に、NBTのワークショップを受けた後にGRで『嵐が丘』を読んで見て、「あぁ、そうだったんだ!」と納得することがいっぱいありました。NBTのワークショップでは3つの踊りを習いました。一つはヒースクリフが荒野(ムーア)でキャサリンのことを思い、その亡霊に出会う場面。ヒースクリスの「ワイルド」で「動物的」な面を織り込んだ踊り、と説明がありました。
もう一つはヒースクリフとキャサリンがリントン家を覗きに行って、そこで、お金持ちのお坊ちゃま、お嬢ちゃま達が「バカやってる」場面。これは、小説の方では、エドガーとイサベラがふざけあってる場面になってましたが、リントン家に集った若者がふざけある場面となっていました。
で、3つ目は、キャサリンがケガしてリントン家に泊まり、エドガーと結婚するかも…ということになって、朝目覚める。で、豪華な部屋の中を見まわして、「あぁ、これもあれも、みんな私の物になるのね~」って思う場面。
キャサリンには、そういう所があった…。でも、キャサリンとヒースクリフの愛は不動の物。お互いそのことを知りながら、反発し合ってしまう。で、キィ・フレーズは「ヒースクリフは私以上に私なの」(He is more myself than I am)である、という説明が指導の先生からありました。そのキャサリンのセリフもそのままGRの中にあったのでうれしくなってしまいました。
これらのことを念頭に小説の方を読んでみると、たとえばヒースクリフの野獣っぽいところを「身体で」表す練習をしたので、ぐっと、深くそのことが感じられる。キャサリンの亡霊に出会って、それを恐れる気持ちとキャサリンの思い出にひたる気持ち、それが激しく自分の中でぶつかりあう…。それも、「身体で」表す練習をしたので、なんというか、小説を身体で感じられるというか…。
バレエをやって、「音楽を身体で感じる」ようになった気がするけれど、小説もそれを踊ってみると「身体で感じる」ようになるんですね。
42. 1月29日(木):Wuthering Height (OBW5):1800語:21000語:461800語: ☆☆☆☆☆:
☆いっぱいですが、上にも書いたように、個人的にこの小説(の一部)を「踊った」ため、面白さが増したという側面があります。
43 2月1日(日):David Bcckam (PG1):300語:700語(?):462500語:☆☆☆☆:
ペンギンは個人的にはあまり「好みじゃない!」と思ってましたが、これは、まぁまぁでした。オクスフォードの実話物に比べ、ペンギンの物は「お行儀よく、あたりさわりなく」まとめてるところが、私的には物足りなかったりするんですが。私はベッカムのサッカーすごく好きです(ベッカム個人が好きな訳ではない。>って別に言い訳する必要もないが)。ブルックリンちゃんが熱出してベッカムが病院に行かなかった時のファーガソン監督とベッカムの確執なんかは、丁度仕事でイギリス出張中だったので、リアルタイムでニュースを見てたし、ベッカムが『マイサイド』を出した時もちょうどイギリス出張中だったので、これまたリアルタイムで新聞記事を毎日読んでました。なので、「あぁ、そうそう」って、なつかしい気持ちで読めました。
44 2月3日(火):The Eye of the Storm (CER3):1300語:14000語:475500語: ☆☆☆☆:
日本人とアメリカ人のダブルの女性が日本人である父親からアメリカ人の青年との交際を禁じられます。父親自身はアメリカ人女性と結婚してたんですが…。父親は釣に出るのですが、思わぬ大漁についつい天気予報を聞き逃し、ハリケーンが向かっているのを知らずに海に留まってしまいます。アメリカのハリケーンの破壊力って日本の台風の比じゃないみたいですね。このあたりの描写、迫力あります。で、父を心配してパニックになってる娘のために、その青年は飛行機(水上に着陸できるタイプ)を出すんです。その青年は航空学校に通ってるんです。なかなか面白く読めました。でもさ、娘の名前がIkemiなのはまぁ許せるとして、父の名前がHiruってのはどうかなぁ。「蛭男」とかいう名前?(>ちょっとありそうにないが。でも食いついたらはなれない蛭のような粘り強い男に育つようにっていうのもアリかもしれない) それとも、これ、「ひろ」とか言う感じに発音するのかな? 「ひろなお」とかそういう名前の愛称?
45 2月5日(木):The Lahti File (CER3):1300語: 13832語:489332語: ☆☆☆☆:
フィンランドが舞台の(国際?)サスペンス。フィンランドは、シベリウスのピアノ小品(とても美しいの。良かったら聴いてみてね。組曲の「樹」と「花」がお薦め)にはまってから一度は行ってみたい国です。これを読んでさらに行きたくなりました。ヘルシンキだけじゃなくて、ラハティにも足を伸ばし、そして、パイエンネ湖を船で縦断してみたい(そういう船があるって書いてありました)と思います。さらにはラハティにもシベリウスの博物館があるらしいことがこの本を読んで分かったので、そこにも行ってみるつもり。サスペンスとしてより「ご当地物」として読んでしまったかも…。