メアリ・ヒギンズ・クラークのものは、1年に1度か2度イギリスに行く度に本屋で探しては買っていた。でも、日本でもちゃーんと書店に並ぶのね。前にも書いたけど、彼女の作品はハッピィ・エンドだっていうのが分かってるので、安心しながら(?)ドキドキできる。
最後、どうなるか見えないドキドキは、それはそれで楽しいのだが、疲れる。仕事の合間の「息抜き」の読書には、メアリ・ヒギンズ・クラークのものは、本当に手ごろ。
ここまでの総語数、194336語。
8.2006年2月23日: No Place Like Home :PB:110000語:☆☆☆☆☆:主人公は10歳の時に銃で母親を殺し、元継父にケガを負わせたということで裁判にかけられ、その後、名前を変え、親戚の養子となって暮らしていた。本当は、母親に暴力をふるおうとしている元継父から母親を助けるために銃をかまえていたのだが、元継父は彼女に向かって母親を投げつけて来て、銃が暴発したのだ。そして、自分に向かってくる元継父から身を守るために発砲したのだが、母親を殺してしまったショックから、裁判で自己主張することは出来ず、まわりは元継父の言い分を受け入れてしまった。その後主人公は成人し、一度結婚したが未亡人になる。夫は遺言で、彼女のアイデンティティを隠し通すように、と言う。息子を「殺人者の息子」にしたくなかったのだ。主人公は再婚して幸せに暮らしているが、再婚相手に自分のアイデンティティを隠したままであることにうしろめたさを感じていた。そんなある日、夫が彼女の誕生日プレゼントに、と言って、家をプレゼントする。インテリアデザイナーの彼女に「この家を好きなようにしていいよ」と。ところが、その家か彼女が育ち、母親を殺してしまった家だったのだ。その後、昔の事件との関係をにおわす形で次々と殺人事件が起こる。主人公は、どんどん追い詰められて行く。どうなるんだ!!!とはらはらどきどきしながら一気に読めます。
9.2006年2月25日: ORT6&7(6冊) :ORT6&7:4324語:☆☆☆☆:多分、イギリスの小学校での授業の内容とも関連してるんでしょうね。第二次世界大戦中の疎開の話などが取り上げられています。イギリスの小学校の歴史の授業が、いろいろなプロジェクトを子どもたちに課す形で行われていることが良く分かります。低学年の場合は、工作をしたりして、当時を実感させるんでしょうね。日本でこういう授業をするとしたら、どんな形になるんでしょうね。「じゃあ、今日は江戸城をみんなで作ってみましょう。日本の城は、お堀っていうのがあってね・・・」みたいになるんでしょうか。
10.2006年2月27日:Circle Games :CER2:7500語:☆☆☆☆:短編集。新刊で語数が分からないので、CER2の一番語数の少ない本よりさらにちょい少なめの7500語で計算しときます。同じ作者の短編集は他のレベルにもあるんだけれど、そっちの方が面白かったかも。使える語数の制限があると話の展開に制約があるのかもしれないし、作者によって、「レベル○」あたりが得意ってのもあるんでしょうね。この人はある程度上のレベルの物の方が得意なんじゃないかな? あと、舞台を無理に外国にしないで、イギリスにしておいた方がこの人の持ち味が出ると思いました。
11.2006年3月3日:Washington Square :PGR2:6800語:☆☆☆☆:タイトルだけは何となく知ってたけど、こういうお話だったんだ! 芝居でも見てみたいな。
12.2006年3月6日:Next Door to Love :CER1:4500語:☆☆☆☆:イギリスは離婚・再婚も多いから恋愛事情も親子関係も複雑。私なんかはハタから見ていて、みんなタフねーと思ってしまったりする。過去に色々あっても、全然めげずに新しい恋愛に突入するしさ。
13.2006年3月8日:Blood Diamond:CER1:4900語:☆☆☆☆:主人公はジャーナリスト。ダイヤモンドを利用して武器密輸を図る人々の動きを告発しようと試みるが、相手の罠にはまってしまう。テンポがよく、挿絵も多いので読みやすい。
14.2006年3月9日:Who was Wolfgang Amadeus Mozalt:児童書:8000語:☆☆☆☆(+):今年はモーツアルト生誕250年ということで、モーツアルト流行。子ども向けの伝記シリーズにモーツアルトのものを見つけたので読んでみた。英語は平易だけれど、内容的にはなかなか濃い。