シェルダンの英語は、1文が短く、テンポがいいので、PBの中では読み易い方だと思います。まぁ、話の展開自体には、「無理」もあるし、あんまり「深み」はないんだけど、でも、「話の運び」が上手いので、彼のリズムに乗せられて読んでいるうちに終わってしまうので、あんまり疲れずに読めます。
「100万語」の中に2~3冊、シェルダンを入れておくと、語数が稼げるので、これからも「100万語」あたり2~3冊を目安にシェルダンを読んでいこうかな、と思っていますが、今後は、同じく人気のスティーブン・キングとかグリシャムなんかも入れてみようかな? こっちはどれくらい英語が難しいのか良く知らないんだけど、SSSの掲示板にはよく出てくる名前だし、以前ご紹介した高校の同期の友達で、この方法に乗っかったものじゃないけど、PBを「多読」しているという友達も、キングとグリシャムの名前を挙げていましたので。
みんなが面白い!というからって自分も面白い!とは限らないけど、でも、まぁ、こうやって、自分の読書の幅、自分の世界が広がっていくのも「多読」の楽しみの一つだしね。
16.2005年2月20日:The Sky is Falling:PB:103000語:294717語:☆☆☆☆☆:アメリカの名門一家のメンバーが、1年間に5人も殺された。ニュース・キャスターである主人公は、これを単なる「偶然」とは思えず、調査を始める。まぁ、これだけ同じ家族のメンバーが、しかも名門家族のメンバーが死ねば、普通、警察もマスコミも???と思いそうなもんだが…。と、思いつつもシェルダンの軽快な語り口によって、話の中にひきずりこまれていってしまう。
17.2005年2月22日:Wyatt’s Hurricane:OBW3:11113語:305830語:☆☆☆☆☆:気象予報士(?)である主人公は、ハリケーンMabelがSan Fernadez島を直撃すると直観。しかし、為政者にその危険を説得するのに苦労。一方この島では政治的な対立もあり、政府に反乱しているグループも存在する。主人公は双方に働きかけつつ、なんとか一人でも多くの命を救おうとする。ハリケーンが迫ってくるテンポと、島の政治的状況がヴィヴィッドに絡まり合いながら、ストーリーが展開されていくので、どきどきする。
18.2005年2月24日:Lola Rose:児童書:76000語:381830語:☆☆☆☆☆:著者はジャクリーヌ・ウィルソン。主人公はDVのある家庭に育っている。ある日、母親は、スクラッチのクジ(これもナショナル・ロタリー同様、イギリスではけっこう人気)で賞金を当てる。父親の暴力が主人公にまで及びつつあることから、母親は主人公とその弟を連れ、「逃げる」ことに。DVにおいて、「逃げる」は一番有効な手段だが(>とどまっていると、マジで死ぬことがあるので)、サポートの体制がないと、なかなか難しい(>加害者は追いかけてくるので、見つかったりするとこれまたマジで殺される危険がある)。そんな切迫した状況の中、幼い少女である主人公は、ガードの甘い母を叱咤したり励ましたりしつつ、逃避行を続ける。彼女たちは名前を変え、違う人物になって、新しい生活を始めるのだ。主人公が選んだ名前がLola Rose。イギリスでは、日本よりはシェルターや、こうやって逃げた家族のサポートの体制が整っているようだが、それでも、本当にDV男から逃げ切って、新しい生活を出発させるのは大変だ。追ってくる暴力男に見つからないように、公的文書でも名前を変え、しかも、それだと学歴なんかの証明が出来なくなっちゃうから、新しい就職が難しくなっちゃうから、そういうのもちゃんと面倒見てくれるシステムもあると聞いたことがある。イギリスではDVは日本よりオープンに語られている。DV防止のTVキャンペーンや、町のあちこちのポスターも、数多いし、リアルだ。若いホームレスの多くは、親から虐待されていたり、母親が父親から虐待されている家庭にとどまるのが耐えがたく、家出してきた、と聞いたこともある。