英語快読800万語(3)―The Second Wife&語数を重ねることの良さ

イギリス出張中に書店で「3冊買うと1冊分無料」みたいなシールが貼ってある本の中にこの1冊がありました。(文献35)

裏表紙の説明によれば、だいたい以下のような話らしい。

略奪婚で自分を可愛がってくれてる上司(♀)の夫と結婚してみたものの、二度目の妻の座には常に最初の妻がつきまとう…。当初失意の底にあった捨てられた最初の妻はなんだか生き生きしている。自分はと言えば、幼い双子を抱え、仕事も再開。超多忙な日常に、なんだか自分が罠にはめられたような気がしている。気づけば夫もどんどん年を取って行く(>そもそもかなり年上)。なんだかなー。そもそも結婚って????

ふーむ、なかなかビターだけど、読み応えありそう。

PBは、日本にいる間はなかなか読めないんですよね。ある程度「まとまった」時間がないと、私の英語力だと、なんか、勢い弱すぎて話の迫力が落ちちゃうっていうか。

たまたま出張中にちょっと体調崩したこともあり、その間に一気に読みました。

結婚生活の日常の中で、時に感じる倦怠のようなものが、「あぁ、あるある、こんなこと」と、非常に細かな心理描写でリアルに描けていて、面白かったです。

結婚って何なんでしょうね? 改めて考えると、よく分からない部分もあります。自分が結婚しといて無責任ですが、本当は、なにも国家に男女関係を承認していただかなくたっていいのよね。ペーパー離婚しようかな?(>これは結婚当初から考えていたことだけど。いずれ、ペーパー離婚してもやってけるだけの力がついたらそうしようか…と)

出張から帰ってまたまた忙しいので、Mr. Manのシリーズを再読してます。語数を重ねることの良さは、どのくらい面白くて、どのくらいの時間とエネルギーで読めるか、今の自分の気分に合ってるかどうか…というのが分かっている本の手持ちデータが増えるってことですね。

ここまでの総語数は、337669語。

27.2007年9月7 日:Don’t Cook Cinderella:児童書:6500語:☆☆☆☆:おとぎ話の登場人物たちが通う学校の話。狼や継母たちが学ぶクラスの生徒たちは、シンデレラや赤ずきんちゃんたちが学ぶクラスの生徒を狙っています。

28.2007年9月8日:Horrid Henry:児童書:5000語:☆☆☆☆:子どもって、「悪い子」物も好きですね。超いたずらっ子のヘンリーのお話。

29.2007年9月9 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①ポルトガルで消えたマデリンちゃんのニュースが再燃。両親が新たに容疑者にされたというので。それにしても5月に起こった事件の物的証拠を今頃になって必死に検証しようって一体どういうんだかなぁ。それに、いくらすぐ外で泣き声が聞こえる所とは言え、2歳の双子と3歳の子どもを置いて出かけてたっていう両親の態度にもすっごく問題ありだと思う。ヨーロッパの観光地には、両親が夜2人の時間を持てるようにベビーシッターのアレンジがついている。そういうのを利用すれば良かったのにね。

30.2007年9月10日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①引き続きマデリンちゃん事件が尾を引いている。もちろん重大事件だけど、なぜこの事件ばかりが、こんなにセンセーショナルな扱いを受けることになってしまったんだろう。ポルトガルの警察も今一初動捜査が甘かった感じがするよなぁ。母親が誤ってマデリンちゃんを殺してしまい(>強い薬ではないけど、薬を飲ませてたらしい。ぐっすり眠らせてその間に遊ぶため?)、それを隠すために誘拐をでっちあげた・・・と言う疑いをかけられてるらしいんだけど。

31.2007年9月11日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①ボディ・ショップの創設者が亡くなった。ビジネスとフェアトレード、環境問題などのミッションを結び付けた、ユニークなビジネスウーマンだった。病気(>C型肝炎?)が分かった時も、よけい生きることに前向きになれるわ!と言う感じだったらしい。年を重ねるほどに精力的に生きた人。

32.2007年9月11日:Bethany the Ballet Fairy :児童書:3500語:☆☆☆☆:仲良しの2人は一緒にバレエの公演を見に行くことになっていました。ところが、妖精たちが現れて、ゴブリンにリボンを盗まれてしまったと訴えます。各踊りのリボンがないと、その踊りはみんなダメになってしまうのです。したがって、バレエの公演も、幕は開いたけど、途中でダンサーはかたまって動かなくなってしまいます。

33.2007年9月12日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①ほとんど勝ちそうだったのに、イングランド女子サッカーチームは日本にPKを決められてしまった。ワールドカップに出るにはドイツに勝たないと・・・。きつい!

34.2007年9月13日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Skinny, Mr.Brave, Mr. Perfectの3冊。なんとか太りたいMr.Skinny。努力のかいあって、最後にはお腹がちょっとポッコリ。痩せてる人が太るのって大変なんですよねぇ。(>うらやましいけど)

35.2007年9月14日:The Second Wife :PB:95000語:☆☆☆☆☆:主人公は略奪婚で結婚した女性。しかも、最初の妻は、なんと自分の上司だった人。しかし、結婚してふと気づくと、結婚生活には、最初の妻の影がいつもちらついている。結婚は恋愛とは違って「日常生活」である。他方、夫も仕事も若い女に奪われて失意のどん底にいたはずの最初の妻は、今はようやく立ち直り、生き生きとしている。主人公はなんだか自分が罠にはまってしまったような気分になる。主人公の友人夫婦・夫の上司夫婦・今は独立した夫の最初の妻との子ども達夫婦などの姿も通じて、結婚に潜む危うい人間関係の「浸食」が描かれていく。「幸せ」なはずの結婚が少しずつビターな現実に変質していくその怖さがリアルに描かれている。結婚ってなんなんだろう・・・ということを深く考えさせられる著作。この前に略奪婚のいきさつを書いたものがあるそうなので、それも読んでみるつもり。著者の解説によると(>語数はこの著者の自己紹介と解説も含めてあります)、この略奪婚の話を書いたら、読者から「この後どうなるの???」という手紙が殺到したので続編を書くことにしたそうな。そう言えば、著者は、「私はテーマを選んで書いたことはない。テーマが私を選ぶのだ」と言っていました。天性の作家というのはそういうものなのかしらん。

36.2007年9月15日:Nelson Mandela:PR2:6100語:☆☆☆☆:ロンドンの議会広場にネルソン・マンデラの像が建った。その昔、マンデラはこの議会広場で「今はここにあるのは白人政治家の像ばかりだが、いずれここに黒人政治家の像が出来たりしてん・・」なんて、その時は冗談のつもりで言ってたんだそうだ。そしたら、自分の像が建ってしまった。除幕式にロンドンを訪れたマンデラはさすがに年を取っていたけれど、報道では「それでも彼にはオーラがある」と言っていた。この本のマンデラの写真も年齢を重ねるごとに「いい男」になっていっている感じがする。40歳を過ぎたら自分の顔に責任を持てとはこういうことなのかな。

37.2007年9月15日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr, Busy, Mr. Slaw, Mr. Grumbleの3冊。Mr, Busyみたいにいっつも忙しすぎるのも、Mr. Grumbleみたいに不平不満だらけで暮らすのも幸せじゃないですね。自分の生活を反省したりしちゃいます。

38.2007年9月16日:The Parates of Caribian: The Curse of Black Pearl :PR2:7438語:☆☆☆☆:映画館に見に行こう!という気にはなれずにいたものだけれど、読んでみたら案外面白かった。

39.2007年9月16日:Catwoman:SER3:10000語:☆☆☆☆:これも、映画館まで足を運ぼうという気にはなれない作品だったけど、ちょっと物悲しいなかなか面白い作品。

40.2007年9月17日:The Living Rain Forest:SCBB:1449語:☆☆☆☆:熱帯雨林について。

41.2007年9月19日:Imogen the Skating Fairly:児童書:3500語:☆☆☆☆:今度はフェギア・スケートする妖精の話。とりあえず、ダンスのシリーズは全部読んでみることにしよう。次にイギリスに行った時に残りを買ってくるつもり。

42.2007年9月25日:The Diary of Killer Cat:児童書:3500語:☆☆☆☆:飼い主は嫌がるけど、でも、主人公は猫だから、ネズミや小鳥を殺したりしちゃうんだよね。それが本能なんだもん。そんな猫ちゃんの日記。ちょっと残酷な部分もあって途中辛かったんだけど、動物を飼う、動物と暮らす場合には、こういう動物の野生についても知っていないとね。
今度は

43.2007年9月27日:The Old Woman Who Named Things:絵本:1500語:☆☆☆☆☆:SSSの掲示板で知った本。自分の家や車に名前をつけるおばあさんの話。でも、このおばあさん、自分より早く死んでしまうもの、壊れてしまうものには名前をつけない。これまで沢山の友達や家族と別れてきたから。年を取るっていうことについて考えさせられるとても哲学的で深い絵本。

44.2007年10月5日:We didn’t mean to go to sea:OBW4:1500語:☆☆☆☆☆:レッスン・メイトにランサム好きの人がいる。刺激されて読んでみた。私、多分、これ子どもの頃読んだな。

45.2007年10月6日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:再読。Mr.Tickle, Mr.Greedy, Mr.Happyの3冊。

46.2007年10月7日:Nate the Grate and Me: The Case of the Fleeing Fang (2回)
:児童書:4468語:☆☆☆☆:韻がヒントになった事件。最初読んだ時良く分からなくて二度読み。

47.2007年10月8日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:再読。Mr.Nosy, Mr.Sneezy,Mr.Bumpの3冊。

48.2007年10月9日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:再読。Mr.Snow,Mr.Messy,Mr. Topsy-Turvyの3冊。

49.2007年10月10日:Much of Ado about Nothing:OBW2:5400語:☆☆☆☆:これって「空騒ぎ」だったのね(>無知無教養)。「真夏の夜の夢」と似てるけど、もちっと単純で分かりやすいかも。面白く読めました。

50.2007年10月11日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:再読。Mr.Silly, Mr.Upty,Mr. Smallの3冊。

英語快読800万語(2)―平常心

600万語で「絵本やLRをいっぱい読む」をやったら、なんだか余分な力が抜けた。力が抜けた状態で700万語を通過して、今ますます力が抜けて「自然体」(>いいかげん?)になってきた。

余分な力が抜けたのは、気負いが抜けたというのもあるだろうけれど、やはり600万語での「うんと易しい物をいっぱい読む」で足腰が強くなったせいかもしれない。スポーツでも足腰が強くなれば、上半身の力を抜くことが簡単になる。足腰が弱いから上半身だけで打とうとして、無理な体勢から打ち込んで、威力のない球しか出せなかったり、それで身体を痛めたりする。

多読の場合は、身体こそ痛めないけど、でも、実は、上半身だけの英語やってると、「うぅ、私ってなんて英語が出来ないんだ!」とか「英語は嫌い」というように、心を痛めることになるのかもしれない。あるいは、同じ努力でもっと英語力がつくところを、歪んだ英語力になる(>フォームが汚くて力を無駄に使ってしまい球にすべての力が込められないスポーツ選手同様に)となるのかも。

・・・ということで、「力が抜ける」はスポーツでも勉強でもとーっても大事なことなのかもなぁ。

どこかで読んだけど、イチローっていうのは、あんなに身体が小さいのにあんなにすごいのは、力を「無駄」に使ってる部分が全くないんだって。それって、英語にも通じるかもねぇ。

多読で英語力をつけたQと受験勉強で英語力をつけてきた私を比べると、Qの英語力の方がずーっと「ホンモノ」である。そして、すっごく効率がいい。私はね、本当に「無駄に苦労してきた」って思います。しかも、「苦労」の「苦」に象徴されるように、「無駄に苦しんできた」って思います。

英語は好きだったので、英語に関しては、受験勉強はそんなには「苦」にならなかったとは言え、あの頃多読に出会って、あれだけの時間とエネルギーを多読に使ってたら、今頃、どんだけ英語が出来るようになってただろうと思います。しかも、あの「苦労」のうちの「苦しい」部分がすべて「楽しい」時間に変わるんだもん。どんだけ楽しい人生だったか!!!と思う。

やっぱ、人生は「苦しい」より「楽しい」がいいですよねぇ。しかも、「結果」として「力がつく」し、「楽しく」読んで感動して心が豊かになったり、科学や歴史の知識が身についたり、いいことだらけ・・・。

ま、過去を嘆いても仕方ありません。「大人のバレエ」で良く言われる「今日が人生で一番若い日」であることを考えて、「これから」の多読人生をもっともっと楽しいものにしていきたいと思います。

ここまでの総語数、145914語。

1.600万語からの繰越:5171語

2.2007年8月23 日:A to Z Mysteries: The School Skeleton:児童書:8343語:☆☆☆☆:仲良し3人組の通う学校の保健室から、標本ガイコツが消えた! 校長先生はガイコツを見つけてくれたクラスにご褒美をくれると言います。

3.2007年8月25 日:Independent:新聞:5000語:☆☆☆☆☆:①若者が銃で殺される事件が相次いでいる。犯人も若者。犯人の若者は、暴力のある家庭に育ち、感情を塞ぐことでしか自分を守って来られなかったような環境に生きてきた場合がほとんど。それを救えなかった大人たちのいたらなさということにも触れた記事。ジャクリーヌ・ウィルソンの描く世界は切ないけれど、現実はもっと切ない? 

4.2007年8月26 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①付録のマガジンの記事。今イギリスでは「デブ対痩せ」の冷戦が進行中。「痩せ」に軍配があがりつつあるのだが、バックラッシュも。「痩せ」は富裕の印、「デブ」は意志の弱さと貧困の印・・・となりつつあり、これが、階級、政治、宗教などと並んで、実はイギリス社会を分断する価値観となっているとか。うーむ。

5.2007年8月26 日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Mean, Mr. Chatterbox, Mr.Fussyの3冊。

6.2007年8月26 日:My Brother’s Famous Bottom:児童書:7000語:☆☆☆☆:双子が産まれて以来、ニコラスの家計は赤字。子育ては思った以上にお金がかかる。そこで、いつも荒唐無稽なお父さんが考えた解決方法は??? 相変わらずのドタバタ劇が繰り広げられます。

7.2007年8月27日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①アフガニスタンでイギリス兵がアメリカ軍の作戦で3人だか殺された。イギリス兵はこれでイラクとアフガニスタンで50人くらい殺されていることになるそうだ。第二次世界大戦みたいな戦争に比べれば犠牲者の数の規模は小さいのかもしれないけれど、実際に人が日常的に死んで行く参加の仕方というのは、人々にこの戦争の意味をより切実に考えさせる、というか、考えさせざるを得ない、と思った。

8.2007年8月27日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Muddle, Mr,Dizzy, Mr.Impossibleの3冊。

9.2007年8月27日:Stage School:Chloe Learns a Lesson:児童書:15000語:☆☆☆☆☆:シアター関係でプロになる子どもたちのための学校が舞台。バレエ学校とはまた一味違う雰囲気。しかし、子どもでありながらも、すでにプロ意識を持った大人であったり、また、シアター関係の場合は、すでに子役や子どものモデルとして、エージェントとの契約を持ち、プロとしての活動も始めている子が多い点でもバレエ学校とはちょっと違う。クロエは、厳しいオーディションを勝ち抜いて、このエリート学校の席を確保。しかし、ちょっとしたことから、本来の自分とは異なる姿をみんなの前で演じることに。そして、そのことで苦しむ。うーむ、子どもの文学でここまでやるか!と思った。でも、そういうことって、あるよね。アイデンティティって、自分の中でも作って行くものだけでど、まわりの評価との関わりの中でも自己認識して行くものだから。

10.2007年8月28日:100 Simple Secret of Happy People:PB:20000語:☆☆☆☆:最近10年の心理学の専門研究をシロウトにも分かる言葉で披露したもの。科学は人々の幸福のためにある、という信念のもと、著者は、1000以上の研究をつぶさに検討し、「幸福な人と不幸な人」の違いを生むのは何か?ということを、われわれに提示してくれる。それは、すなわち、我々がより良い人生を生きるための実践的な助言でもある。「青い鳥」の物語ではないが、我々はしばしば、そこにある幸福を堪能する代わりに、自らを不幸に陥れてしまったりする。その人が幸福か、不幸かということは、財政的状況や、幸福な出来事や不幸な出来事に出会う回数よりは、それらのことを本人がどう受け止めるか?という点に大きく関わっているようだ。

11.2007年8月29 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①「睡眠時間が短い」は「太る」らしい。睡眠時間が4時間未満の人の50%は太ってるらしい。「長く起きてれば食べる」ということもあるかもしれないが・・・ということだけど。睡眠が6時間未満っていう人もかなり太ってる人の割合が高かった。下手なダイエットより「果報は寝て待て」?

12.2007年8月29日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Strong, Mr. Grumpy, Mr.Clumsyの3冊。Mr.Grumpyでは、Mr.HappyがMr.Ticcleと協力して、Mr.GrumpyのGrumpyな性格を改善してあげます。「性格が悪い人」っていうのは、結局は、「孤独な人」なのかな? 誰も、注意してくれる人がいない人、あるいは、注意してくれた人の善意を跳ね除け続けて、孤立してしまった人なのかな?

13.2007年8月29日:The Tiara Club: Princess Megan:児童書:2000語:☆☆☆☆:おまけでもらった本。各国のお姫様が学ぶPrincess Academyという全寮制の学校が舞台。本屋でおまけにくれたもの。いやー、人気のシリーズらしく、20冊は出てるぞ。イギリスの女の子って、なんか、「女の子」なのね。日本の女の子は、こんな「お姫様」ものは読まない気がするわ。それとも、「全寮制の学校」っていうのが、彼女たちにとって「リアル」なのかしら。

14.2007年8月30 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①ベートーヴェンは医者の誤った処方で死んだらしい。サザビーのオークションで購入された彼の毛髪からさらなる研究が進んで、そのことがほぼ確実になったらしい。

15.2007年8月31 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①マンチェスターの地震があった時、ホテルに泊まっていた客が「幽霊が出た」とフロントに駆けつけたとか。
16.2007年9月1日:Nina Fairy Ballerina#8: Dream Treat :児童書:15000語:☆☆☆☆:新しい先生が来た。ロイヤル・フェアリー・バレエで踊っていたという先生。まだまだ踊れそうなのに。なぜ踊るのをやめたのだろう。先生にはそれは辛い質問みたい。生徒たちが本物の舞台を見たことがないというので、先生はみんなを「くるみ割り」を見に連れて行ってくれると言う。

17.2007年9月2日:Stage School: Sara’s Big Chance:児童書:15000語:☆☆☆☆☆:クリスマスに上演される「メリー・ポピンズ」のオーディションがある。通常だとオーディションは8年生からなんだけれど、今回は7年生も参加することに。サラは興奮して母親にオーディションのことを話すが母親の反応は冷たい。サラの母親は学校の先生で、サラには学業で成功して欲しいのだ。この学校の試験も元ダンサーの祖母が説得してくれて、ようやく受けることが出来たのだ。母親の言葉や態度に傷つきながらもサラはオーディションに前向きに立ち向かう。が、学校では上級生の「いやがらせ」が。舞台物に「お決まり」の「意地悪な敵役」という設定だけれど、しかし、なんというか、そこに「巻き込まれて行く」感じがとってもリアル。

18.2007年9月3日:Stage School: Lily Under Pressure:児童書:15000語:☆☆☆☆☆:Lilyの母は女優。娘を女優にしたくて母はなにくれとなく世話を焼く。でも、Lilyの本当の気持ちを考えたり、聞いたりすることなくそうするので、Lilyはひどく傷つくことも多い。「あなたのためだから」という「正当化」で、親はどれだけ頻繁に子どもの心を傷つけるのだろうか。親であることは難しい仕事だ。Lilyの場合は、学校の先生が上手に間に入ってくれる。家族という濃密な関係に、こうやって他人が上手に介入することは、どれだけ子どもを救うだろう。

19.2007年9月3日:Stage School: Bethany’s Song:児童書:15000語:☆☆☆☆☆:Bethanyの家庭は母子家庭。お父さんはBethanyが小さい頃に家族を捨てて出て行った。Bethanyは中国人とイギリス人とのダブル。いずれは歌手になりたいBethany。でも、月謝の高いステージスクールに行くのは美容師の母の収入では無理、ということを、10歳のBethanyはよく知っている。母は学校の先生から奨学金のあるステージスクールを受験することを薦められる。しかし、奨学金は合格よりさらにずっと狭き門。たとえ受験に受かっても奨学金が取れなければBethanyはステージスクールに行けない。悩んだ末、母はBethanyに奨学金が取れれば、ステージスクールに行けることを話し、Bethanyは各学年1人という奨学金を見事に獲得して入学することが出来た。Bethanyは自分が奨学生であることを、裕福な友達に話すことが出来ずにいた。しかも、Bethanyは通学に時間がかかるため、普通の教科の勉強が思うように出来ない。ダンスや歌のみならず学科の成績も思わしくなければ、奨学金は取り消されてしまう。日本以上に格差社会なイギリス。「リトル・ダンサー」にもあるように、才能がある子には奨学金の制度があり、貧困な家庭の子でも才能を伸ばすことが出来る救済手段が用意されているけれど、貧しい家庭の子が階層社会を生き抜くのはとても大変なことだ。このシリーズを通じて、Lizabethという意地悪な悪役が出てくる。この子はほとんどサイコパス的で、他人の弱点を鋭い嗅覚で発見しては、そこを責めて相手を萎縮させ、破壊して行く。ある種「異常」の域にいるんじゃないかと思ったりするけれど、この子の策略に主人公たちは次々とはめられて行くってしまう。そしてこの子は「大人の目」をごまかすのがとても上手なのだ。この「巻き込まれて行く」感じを著者はとても巧妙に描いている。Bethanyを最後に救うのは、自らもイジメにあっていたというスター歌手だ。『悪あがきのすすめ』(岩波新書)で、ある講演会での質疑応答で「友達がいじめられていても助けない。自分がやられるから」と言った子どもたちに、著者が「ごめんね、あなたたちを助けてあげられない情けない大人ばかりで」と謝ったという話が出ていた。シリーズを通じて、主人公たちは何よりも友情によって救われるのだけれど、適切な大人の手助けというのがタイムリーに差し伸べられている。自分は「大人」としてどうなんだろう?ということを厳しく問われているような気がする。

20.2007年9月3日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Bounce, Mr.Quiet, Mr.Rushの3冊。Mr.Quietでも、Mr.HappyがMr.Quietの困難を救います。Mr.Happyっていいやつ。自分がハッピーじゃなければ、他人を助けることなんて出来ないってことなのかな? 何をおいても、「自分が幸せになること」が、世の中のためにも一番良いことなのかも。

21.2007年9月3 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①この夏はイギリスは雨が多く、そのせいで人々は健康的な食事じゃなくて、ジャンクフードに走る傾向があったそう。普段よりチョコレート消費量がかなり増えたんだって。

22.2007年9月5日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr. Tall, Mr. Worry, Mr. Nonsenseの3冊。Mr. Tallは背が高すぎて脚が長すぎるのが悩み。でも、他の人もみんな「○○すぎ」っていう点がある。ただ、その人たちは、「○○すぎだけど、それは××に便利」って考えてるみたい。長所と短所は裏表? 短所を変えられないなら、それを長所として利用するのが、お得?

23.2007年9月4 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①今、世界的に、精神的な病気の深刻さっていうのを直視しようという動きがあるそうだ。実は、心臓病よりも糖尿病よりも、精神的な病気の方が、人間の死や日常生活への支障という意味で、大きな影響があるそうだ。うつ病と自殺の関係やよく指摘されるところだけど、心臓発作などで死ぬ人とうつ病で死ぬ人を比べたら、うつ病で死ぬ人って馬鹿にならないらしい。しかも、心臓病を抱えてる人は気をつけながら社会生活をかなりのレベルで送ることが出来るけど、うつ病の方が社会生活のレベルにずーっと大きな影響があったりする。本当は身体の病気より心の病気の方がずーっと怖いのだ!と書かれていて、「なるほどー」と思った。

24.2007年9月5 日:Times:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①女性は男性より速く出世するのに、給与面では同じ職階にあっても男性より相当額(年収で何百万も)低いということが明らかに。「男性より速く出世する」ってのが、日本とは違うところですね。②17年間ガンと闘ってきたJane Tomilsonが亡くなった。彼女は乳ガンが発見されてから、マラソンやらトライアスロンを通じて膨大な額の募金を集めた。それまで運動したことなかったのに。朝のBBCで生前の映像が出ていたが、3人の子どもの母でもある彼女は、ガンだからと言って明日死ぬ訳じゃないし、残りの人生を輝かせることは出来るはず・・・と言っていた。すごい人だなぁ。

25.2007年9月5日:Mr.Man(3冊):絵本:2400語:☆☆☆☆:Mr.Wrong, Mr.Mischief, Mr. Cleverの3冊。Mr. Happyが帰宅して「あぁ、疲れた!」と椅子に座ると、椅子がぐちゃっと壊れてしまった。Mr. Mischiefの仕業だ。Mr. Happyは外ではいつもニコニコと人を助けているけれど、でも、彼も疲れるのね。そりゃ、そうか。家ではゆっくりしたかったのにね。

26.2007年9月6 日:Independent:新聞:2000語:☆☆☆☆☆:①ManUのファーガソンは、BBCのインタビューには絶対応じないんだって。息子が選手引き抜きなどの仕事をやってて、父のコネを利用してるとか、それで裏金稼いでるとかいうのをBBCが放映したから。その後息子が逮捕されたりすることもなく、つまりは今のところ「シロ」なんだけど、BBCは息子の名誉を傷つけるような放映について謝ったりもしてないそうだ。他にもBBCに怒ってる監督は複数名いるとのこと。そう言えば、試合の放映の後にファーガソンが出てこなくて、「あれ? ManUの監督変わったの?」って思ったのよね。これって、けっこうすごいことだよね。プロ野球の試合の放映の後、片方のチームの監督は「今日の試合はどうでしたか?」ってのに出てこないってことだもんね。「それも仕事のうちなはずだけど」って記事では書いてあったけど、確かにそうだよねぇ。監督なりの「試合の総括」っていうのは、両方のチームの側から聞きたいもんね。

英語快読800万語(1)―肩の力が抜けた(700万語報告再録)

「600万語」で「(うんと)易しいもの」をしこたま読んだら、なんだかふっと肩の力が抜けたような感じがする。600万語はある意味「易しいものを読むこと」に「縛られた」多読になっていたかもしれないと思う。

600~700万語の100万語は、なんとなく、淡々と進行し、気づいたら100万語通り過ぎていた・・・という感じ。PBはなるべく読むまいとか、YLの低い物も入れなくちゃとか、あまり考えずに、とりあえず目についたものや食指が動いたものを手に取ってきた。

「700万語」は、私の人生にとっての「波乱」の時期だったので、どんな風に多読を進めるか・・・というようなことを考える余裕がなかったというのもあるかと思う。

2006年のクリスマス・イブに「700万語」に突入してからほぼ1ヶ月後の2007年1月末に.D論の締切りがあったというのもあって、多読を計画的にやるというような余裕はなく、しかし多読は良い気晴らしにはなってくれた。提出してからも、事務関係の連絡がうまく行ってなかったりでハラハラすることが多く、a distant studentの悲哀を味わった。

そして、いよいよ口答試験があって、その準備があって、口答試験でminor correctionsということでパスはしたけど、「手直し」はしなくちゃならなくて・・・と、なかなかに大変だったのだ。

この口答試験に備えて細々と英会話のプライベート・レッスンを取っていたのだけれど、結局のところ試験の3~4ヶ月前にはほぼ開店休業状態となっており、でも、なんとか英語での質疑応答が出来たのは、ひとえに多読と多聴のおかげだ。(>酒井先生 ありがとうございます)

なのだが、やはりリスニング・コンプリヘンションは、いまひとつだったらしく、実は英語の間違いだけ直せば良かったものを、「今後の研究の発展のために」してくれたアドバイスも取り入れて直そうとやっきになっていた。(>これじゃ、minor correctionsじゃないぢゃん! 要するに「オマケ」で通してくれたのね。ありがたや、ありがたや。とは言え、大変だよぉ!・・・と。)

700万語の最大の成果は、「(今の)私に一番合っているのは5~8歳向けの児童書」と言うのが分かったことだろう。この年齢層をターゲットにしたものだと、英語力的にも内容的にも一番抵抗なく入っていけるのだ。

「親子で多読」を始めた時にはwentも知らなかったのに、たった4年間で、今や、『ゲド戦記』をほぼ全巻読破し、オーウェルやサリンジャーを読み、旧約聖書を英語で読んでいる息子からは、”How old are you?”と言われてしまうのだが。(>多読の成果は息子に著しいです。自分の英語人生を振り返るとなんと無駄に苦しんで努力してたのか・・・と思います。しかも英語力は「楽しく多読」の息子の方が100倍以上の速度で身につけているし・・・。私ももっと若い頃に多読に出会いたかったなぁ。TOFLE-ITPも高1ですが、日本の大学入学者の平均くらいは軽くあります。酒井先生に感謝!!!)

最近多忙のため、どんなものを何冊読んだかのリストは省略します。

私の600万語から700万語にかけての100万語をまとめると以下のような感じです。
①600万語で絵本やLRをいっぱい読んだら肩の力が抜けた。
②「5~8歳向け」が自分の英語力と精神年齢に合っていると発見した。
③①と重なるけれど、PBは読んでもいいし、読まなくてもいいし、その場その場の出来心でいいや・・・と思えるようになった。(>以前はPBを読むことに「読むと疲れるかな?」とか「今はまだ読まない方がいいんじゃないか」という警戒があった。あるいは「難しい物を読むんだぞ」という構えのようなものもあった。)
④多読のおかげで、D論の口頭試問を切り抜けた。(>感謝!)
⑤SAにはまった。特に、リトールド物。

・・・という訳で、700万語は以下のようにやりたいと思います。
①「5~8歳向け」の児童書をいっぱい読む。
②が、それにはあまりこだわらず、引き続き、肩の力を抜き、自然体で楽しく読書する。

あれれ、なんか超シンプルな目標になっちゃった。