英語快読300万語 (2)-イギリス史の語り口

イギリス史は、我々にとって「外国史」だけど、やっぱりそれは「人々の過去の経験」であって、「生身の人間」がやったこと、感じたことの集積な訳です。だけど、「歴史を語る」時に「何を」重視して語るか…というか、そういうのの重点が、日本人の書いたイギリス史とイギリス人の書いたイギリス史とは「何となく」違うような気がします。

イギリス人の書く歴史は、ちょっとしたエピソードや、その時々の「人の気持ち」やその出来事についての「著者のスタンス」が、日本人の書くイギリス史(>の入門書)よりも、「強く」出ているような気がします。

そこに、「人」が登場するというか、「登場人物」が固有名詞で語られる度合いが高いというか…。それによって、歴史がより「立体的」に感じられるというか…。

4.2005年1月10日:Titanic! OFF1:レベル1:3200語:30117語:☆☆☆☆:昨夏、イギリスでタイタニックのエキジビションを見た。海に沈んでいたタイタニックからひきあげたさまざまな乗客の遺品などが展示されていた。それらの遺品は乗客たちのそれぞれの人生の断片だ。現在とは異なり、レーダーやら、24時間の無線の体制などがない中で、「なにもここまで」というくらい、さまざまな「不運」が重なって、あそこまでの惨事になってしまったのだなぁというのがよく分かった。

5.2005年1月25日:Food and Drink in Britain:OFF3:レベル3:5600語:35717語:☆☆☆☆☆:『イギリスは美味しい』という本が流行ったことがある。イギリスは「美味しい」のか「不味い」のか? 
 私はイギリスは「素材」は美味しいと思う。野菜なんかは日本の野菜より、「味が濃い」という感じがする。肉も「肉くさい」けど、味がしっかりしている。食パン(>とくに茶色いやつ)なんかも美味しい。だけど、「パンもハムも美味しいのに、そのパンにハムをはさんだだけのサンドウィッチがなんでこんなに不味いの?」というような出来事にもよく出会う。
 息子は保育園の給食が不味くて、それまで、何でも良く食べてくれて、食事で苦労したことなかったのに、すごく「食わず嫌い」になってしまった。まぁ、「マッシュポテトのカレーソースがけ」なんかは、たしかに見ただけで食べたくないかも…(>好きな人は好きなんだが)。ライスプディングも好きな人は好きだが、息子は「米が甘い」というのが許せなかったらしく(>息子は米は米だけで食べられるくらいのご飯好き)、不味いものの筆頭にあげていた。サンドウィッチも「保育園の給食でよく出た」というのがトラウマになっていたのか、ずっと食べたがらなくて、小学校高学年になってからようやく食べられるようになったぐらいだ。でも、今でも、お弁当サンドウィッチにしていい?というと、絶対ダメと言う。
 息子がイギリスでサバイバル出来たのは、魚が好きだったのと、イモが好きだったおかげだ。保育園の給食でもチップス(>ポテトフライ)はOKだったみたいだし。外食の時はたいていフィッシュ&チップスでしのいだ。 日本に帰って、家では「食べたことのないもの」を食べたがらない日々が続いたが、日本の保育園と小学校の給食のおかげで、ずいぶんと「食わず嫌い」が治ってきた。
 食べることが大好きな息子の食生活の幅を、2年間のイギリス生活のために「犠牲」にしてしまったのは、心が痛む。イギリスに行く前はカニが大好きだったのに帰国してからは、「いらない」と手を出さず、最近になって食べるようになって「え~! こんなに美味かったのか~!」と恐がってカニを食べずに過ごした「失った日々」を惜しんでいる。
 私はと言えば、「ソーセージ&チップスのグレービーソースかけ」なんてのもけっこう好きで、「イギリスは不味い」派からは白い目で見られていたりする。イギリスの素朴なビスケット類なんかも私は好きだ。
 
6.2005年1月22日:Animals in Danger:OFF1:レベル1:3200語:38917語:☆☆☆:絶滅の危機にある動物についての本。また、それを防ごうとする人間の努力についても触れられている。私は文科系なので、こうやって理科系の知識を英語で入れていくのもいいなぁと思う。

7. 2005年1月22日:Kings and Queens in Britain:OFF1:レベル1:3200語:42117語:☆☆☆☆☆:イギリス史のおおまかな流れが分かります。概説は概説なんだけど、あんまり「お勉強」くさくなくて、楽しく読めます。日本語で書かれた、イギリス史概説の類も読んだことはあるのだけれど、それよりも、使っている語彙も語数もずっと少ないのに、生き生きした感じがあります。それは、「感情」が描かれているからなのかな? たとえば、ローマ皇帝がイギリス侵略を試みようとした時、日本語の本だったら、「ローマ皇帝クロウディアスはイギリス全土をその領土とすべく」という感じで書くところを、「ローマ皇帝クロウディアスは、イギリス全土の皇帝となりたかった」と、クロウディアスの「なりたかった」感情を書く。あるいは、日本語の歴史では、あんまり語られないけど、多分イギリス史の中ではヒロインであろう、これに対抗した女性、ボディシアについての記述も、「ローマの兵士たちは、「女のお前に何が出来る!」とせせら笑った」(超意訳)という感じに書かれているので、話に引き込まれていきます。あと、そういう人物にまつわる銅像なんかがどこにあるかが書かれているのもいいです。ハイドパーク・コーナーにボディシアの像があるそうです。私はハイドパークは何度も行ってるし、この像も見たり説明も読んだりはしたことがあるんだろうけど、印象に残ってなくて、次回、ロンドンに行ったら、是非、この本に出て来た銅像を見て回ろう!と思っています。

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