私のポアント遍歴(10)-「ふりだし」に戻る
バ○デールに出会って、「マイ・ポアント」を見つけた!と思ったのも束の間、実はまた「ふりだし」に戻ってしまいました。
それは、夏の発表会(2004年)を前にしたある日のこと…。
レッスンメイトから「ねぇ、Q母さんのポアントってソールが固いの?」と聞かれたんです。で、「そうなのかなぁ…」と靴を見せると、「わ、固い!」と言われ、「いつもQ母さんのエシャッペ見ていて、Q母さんだけソールがまっすぐなので(>他の人は土踏まずがアーチを描いている)、なんでだろ、って思ってたの。しかも甲は出てるからすっごく不自然な感じだったんだよね」と言われたの。
う~む、そうだったのか! で、他のレッスンメイトも靴を見てくれて、確かにソー
ルが固い、ということが判明。
私の場合、ソールの固さに勝てるまでの土踏まずの力はなく、そのため、靴の中では土踏まずがアーチを描いているにも関わらず、ソールがそれについていっておらず、土踏まずと靴の底が離れてしまっている状態になっていたみたい。
で、上手なレッスンメイトが立ち方指導してくれて、「ここまで立てば、この靴でも土踏まずは出るよね」と。しかし、そこまで立つのは非常に大変。今までかなり「楽」してたんだな、ということが判明。
さらに、K先生にも靴を見せて相談してみたの。そしたら、K先生の場合、この靴で「立つ」場合は土踏まずのアーチがきれいに出ます。
でも、「空中でつま先を伸ばす」になると、先生でもソールが土踏まずにくっついて来ない。
先生に出来ない物が私に出来る訳ないよね~!
で、レッスンメイトから「靴の中で形が出来てないならともかく、靴の中で形が出来てるのなら、それが外に出ないのはもったいないよ」と言ってもらい、それも本当にその通りだよなぁと思いました。
先生の靴をちょっと履かせてもらったら(>ふにゃふにゃのフ○ード)、これだと土踏まずが、立った時も、空中で足を伸ばした時もアーチを描きます。
先生からは「これくらい柔らかくても立てるんだから、少し柔らかい靴を考えてみてもいいかも」とアドバイスをもらい、また、レッスンメイトからも色々な靴を履かせてもらったり、アドバイスをもらいました。
そりゃあ、立ちやすさも大切だけど、立った時、脚をのばした時に「きれい」って大事だよねぇ。バレエは「つま先命!」なんだから、空中に伸ばした時の「つま先」の伸びって、やっぱすごく大事だよねぇ。
…という訳で、私の足にぴったり!と思ってたバ○を脱ぎ捨てる(かも)ということに相成りました。
せっかく、ぴったりの靴に合えたと思ったのだけど(>形的にはかなりぴったり)、技的に私の足の強さがまだバ○を「きれいに」履きこなすとこまで行っていない…。
バ○は「初心者用」ということなので、これまでは、そのソールの固さに助けられて立ってたのですね。とにかく「立つ」「立って踊る」ことが出来ないことには話にならない訳で、その意味では、「これまでは」「ぴったり」だったということかもしれない。
ポアントって、むずかしい。足がうんと弱いと固い靴だと落っこちてしまう。で、ある程度強くなってきて、でも、とても強いというところまで行っていない場合は、固い靴に助けられて立つ場合もある。で、さらに足が強くなってきて、「足が強いので」「柔らかくても立てる」という方向に行く場合もあれば、「足が強いので」「固い靴じゃないとダメ」という方向に行く場合もある。
ここで再び、別の靴を履き、土踏まずのアーチを出せるとこまで足を強くして、その後にまたバ○に帰ってくる…ということになるのかもしれないけれど、とりあえずは、また「ふりだし」に戻って、しばらくはポアントジプシーを続けることになりました。
とりあえず、発表会については、日も迫っているし、どうしても他の靴ではうまく踊れない場合はバ○で…という「保険」をかけた上で、短期決戦で発表会に履く靴を選ばねば…ということになったのです。
舞台を重ねる(10)-最後の最後まで諦めない…ということ
Va大会でのキトリなんですが、実は、最後のピョコピョコしたところで、1回チョンっていうのはOKだったんだけど(きれいには出来ないけど、私はピョコピョコ系の方が得意)、チョンチョンって2回やるやつがうまく出来なかったんです。で、先生から「バーに掴まって何度も練習してね」って言われて、何度もやるんだけど、ど~もうまく行かない。
で、実は、前夜に「最後の研究」と思ってビデオを見てたんです。アナニアシビリのキトリだったかなぁ。で、「あれ???」と気づいたことがあった。
それは、実は、私パのやり方を勘違いしてたってこと。2回チョンチョンした2回目も足は床に置くのに、私、空中に置いたままだったの。そりゃあ、不安定だろうよ!
「あぁ、勘違い!」っていうの、私、いっぱいあるんだけど、この時も…。
で、舞台当日の朝、ゲネの前に舞台でチョンチョンと2回目も床においてやったら、「あらら、らくちん!」。
ものの分かった人から見れば、「どうやったらそういう勘違いが出来るんじゃ!」と思われるかもしれないんですが、その時の私は、あぁ勘違い!野郎だったんですね。
舞台って、本番前夜まで、いや、本番の一瞬前まで、努力をやめてはいけないんだなぁってつくづく思いました。
あとで、A先生に「実は、本番前夜に自分が間違ってパを覚えていたことに気づいたんですよ」ってお話しすると、先生は、「ごめんなさい。間違っていることに気づいてあげられなくって」って。
「あ、そういうことじゃなくて、とにかくギリギリまで努力をやめちゃいけないんだなぁって学びました」と言うと、「そうですね。本当にそのとおりです」と。
私はA先生を責めるつもりなんかはこれっぽっちもなくて、単に自分の「発見」(>「ギリギリまで努力をやめない」なんて常識レベルの発見だけど)をお話ししたかっただけなんですが、A先生って、すごく謙虚な方なんだなぁって思いました。こういう時に生徒にあやまれる先生って、本当に実力があって誠実な先生なんだと思う。いい先生につけて幸せだなぁって、そう思いました。