今は閉鎖されてしまったポアントおたくなHPで、ポアント界の「高嶺の花」と呼ばれていた靴がこれ。1足のお値段が1万円以上もします。で、布のつやも、なんだか輝きが強く、いかにも「お譲様」なポアントであります。
このポアントは、「アメリカ合理主義」が行くとこまで行った究極のポアントとも言えるようなポアントで、最初から土踏まずがアーチを描いており、かつ、これ、形状記憶ソールといいますか、ドライヤーで温めて自分の土踏まずのアーチに合わせてカーブを作れば、ずっと「私の土踏まず」カーブを記憶しておいてくれるのです。
土踏まず側がアーチになっているので、甲の方も必然的に「出る」しくみになっており、「苦労なし」に甲のカーブも出る、という全く良く出来た靴であります。
豚の鼻(ポアントの先の部分)も平で安定良く、「立ってしまえば」楽な靴です。
ただ、この靴、「高嶺の花」だけあって、布が固く、「穴あけ」方式でリボンをつけようと、布をハサミで切ろうとして、自分の手を切り、せっかくの1万円以上もするポアントを「血染め」にしてしまいました。おー・まい・が~。
レッスンで皮が向け、豆がつぶれて血染めになるならともかく、履く前に「穴あけ」でケガをするとは。さすが「難攻不落のお譲様」だけのことはあります。
で、穴を開けて履いてみたはいいんだけど、なんか今一つ穴の位置がフィットしなくて、また、靴のつま先近くのあたりがカパカパしてしまって、結局、そのまま履かなくなってしまいました。
フィットさせるためにギュっと締める紐がついている靴が多いと思うのだけど、この靴、それがゴムで、しかもそれを結ぶ位置が足の脇のとこにあるのね。で、ぎゅぎゅぎゅっと締めてフィットさせるのが難しい。それも、なんとなくこの靴を履かなくなってしまった理由の一つかな。
まあ、一度は手にしてみたかった「高嶺の花」を、高いお月謝になってしまったが、「履いてみた」という経験をした…というところでしょうか。
しかし、さすがに「お譲様」の輝きはすごく、この靴を履いてレッスンしてますと、「まぁ、それどこの靴?」「きれいな靴ね~」とレッスンメイトがわらわらと寄ってまいりました。お生まれ、お育ちの良さは、どうやっても隠し切れないのかしらね。 「光輝く」「華のある」ポアントではあります。