隣の教会の教室の子ども達が「タレント・ショウ」に出るから良かったら見にきてね…と、プリントをもらいました。イギリスのバレエ教室の「舞台」って是非是非見てみたいって思ってたので、行ってみることにしました。
これまた家からかなり遠いところだったので、地図をよぉっく調べて、Qを連れ、ちょうど来てくれていた弟のガールフレンド(今は義妹)にもナビとして一緒に来てもらいました。
いやぁ、「タレント・ショウ」って・…。日本で言うと「NHKのど自慢」をずっとださくしたみたいなやつ? 感じとしては、映画『サウンド・オブ・ミュージック』に出てくる音楽祭をもっとずっとださくした感じでした。歌だけじゃんくて、色々な出し物があります。
でもね、こういう催しが、ちゃんと「タレント(才能)」発掘の場所になっているし、「芸能人」を目指す人にとって、「○○タレント・ショウ」で入賞っていうのはちゃんとした「経歴」になっていくんだろうなぁ。
「芸能」の世界と言っても、そこにはすごく「階層性」があって、それこそローザンヌみたいなものから、こういう「地元密着型」のものまである。そして「芸人」の世界もロイヤルで踊るような人から、場末のミュージック・ホールで踊る人までいる。この「タレント・ショウ」は、そういうどっちかというと「下」の方の「芸人」発掘の場っていう感じがしました。
会場もだだっぴろい体育館みたいなところにパイプ椅子で、客層もあんまりミドルクラスっぽくない労働者階級風の人が多い。
教会の隣のバレエ教室も、通ってくる子ども達の親の階層は、ミドルクラスの中から下、さらにその下のワーキングクラスっていう感じなのかなぁ。で、NBTの子どものクラスのパフォーマンスなんかだと、日本のバレエ教室の発表会(ほどは派手ではないと思うが)のような雰囲気なんだろうが、こういう町の教室の子が舞台に立つとな
ると、ずっと違った雰囲気になります。
うちの教室の出し物は、小品を子ども達が踊るっていうものでした。衣裳もレオタードにちょっと加工した感じの簡単なもの。子ども達は一生懸命に可愛らしく踊っていました。
お金持ちの家の子のバレエとお金がない家の子のバレエ、純クラッシックな世界、あるいはコンテンポラリーにしてもアカデミックな感じの世界…。そういう踊りの世界とは別に、すごく「庶民」のレベルの「ごちゃごちゃした」「垢抜けない」踊りの世界がある。そこにはそこ独特の猥雑な活気もあったりはするのだけれど…。
イギリスのバレエの世界は、私はほんの垣間見ただけなので、よく分かってはないんですが、非常に階層性があり、旅行者としてオープン・クラスに出ているだけ、ロイヤルみたいな一流バレエ団の舞台だけ見ているだけでは決して見ることのできない、長くイギリスに住んでみないと「見えない」世界がある…って思いました。
次にイギリスに長期に住む機会があったら、ターム制の学校に所属して、子どものクラスなんかも見学させてもらったり(出来たら子どものクラスに参加させてもらったり)して、イギリス・バレエ事情をもうちょっとちゃんと把握してみたいなぁって思ってます。
ちなみに地図をしっかり調べたはずが、随分と道に迷い、あちこちで人に聞きながらようやくたどり着きました。で、帰り道、何度も何度もパッシングされて、弟のガールフレンドに「なんでかしらねぇ」と言うと「初心者だからってバカにしてるんじゃないですかぁ?」とのこと。きっと私の運転がトロいからなのね~と思ってたのですが…。
な、な、なんと! 実は、ライトつけずに走ってたのよ! こわいよ~! 道路には灯りがついてるから自分はライトつけてなくても困らない。後で友達にこのことを話すと、「あのさ、初心者はパッシングされたら、まずは自分に悪いところがないかよぉっく反省しようね」と言われてしまいました。