イギリス・バレエ・ライフ (6)-個人レッスンその後の顛末 

ところが、家に帰ると実は大変なことになってたの。

実はこの時Qは水疱瘡にかかってたんですが、これ、通常はなんていうことなくケロっと治ってしまう病気なんだけど(医者も3日もすれば治るって言ったし、保育園の先生も「あ、水疱瘡ね。3日くらいしたら出てらっしゃい」って感じだったので)、たま~に、「菌がいたずらするplay a trick」ことがあって、色々面倒なことになることがあるらしいのね。

元気だったし、ほとんど治りかけたし、たまたま母が遊びに来てくれている時だったので、「この機会に」と思って「遊んで」帰ったら、その日の昼間突然「おばあちゃん。ぼく歩けない」と言ったそう。でも、元気に床に座って自動車のおもちゃを動かしたりして遊んでいるし、本当かな?と思って立たせてみると立てない…。

母の方は大慌てで寮の中の他の部屋の人のドアをノックして助けを求めたそう。1歳の娘を連れて留学してる仲良しのパレスチナ人母学生が、「私は今から授業だから連れていってあげられないけれど」と時間が空いてるトルコ人を見つけだし「あんた、これこれこうなんだからこうしなさい!」と指図してくれて、そのトルコ人のお兄さ
んが医者につきそってくれました。(そのあ兄さんは後から「病気が治りますように」ってお守りもくれたりして、本当に優しい人だったなぁ。寮のみんなにも本当に助けられました)

で、近所の医者からは「熱のせいだと思うけど、明日になっても歩けなかったらまた来なさい」って言われたそうで、様子を見てたんですが、結局翌朝になってもQは歩けるようにならず(元気は元気だったんですが)、医者に連れていくと、すぐ大きな病院に紹介状を書いてくれ、その足でその病院へ。しかし、その病院では空き室がな
く、また別の病院に行ってそのまま入院することになりました。

結局、10日間ぐらいで歩けるようになり本当に良かったんですけれど、そんなことがあったので、「また来週」という個人レッスンは当然のことながらキャンセルし、「退院したらまた電話します」と言ったものの、その後そのまま立ち消えになってしまいました。ちょっと心残りです…。

「Qがこのまま歩けなくなったらどうしよう」って本当に心配でしたが、ほんと、たまたま母が来てくれてる時で助かりました(>私、悪運が強い女と呼ばれております)。水疱瘡なので「うつる」病気だし個室でしたが、費用はすべて無料で、「病気になった時お金の心配しないで治療に専念できるってなんていいんだろう」って思いました。枯れたりといえどもやっぱりイギリスは「福祉国家」です!

私も結局そのままQの退院までずっと病院に泊まってたんですが、家族用のシャワー室なんかもちゃんとあったりして、GNPだけでははかれないイギリスの「豊かさ」のようなものも感じました。

入院した日は近所の医者→近所の大病院→遠い大病院と移動したり、それぞれのところで検査なんかもあって、落ちついたのは夜の11時くらいだったんですが、「お母さんも疲れたでしょう?」って紅茶をいれて持って来てくれたり、そういうところの心遣いがとても細やかで、ホロリとさせられました。

他方で、「ひぇ~、ほんとか~!」と思うようなこともあったんですけどね。イギリスの病院の食事は子どもと言えど、ちゃんと「本人が」「チョイス」出来るんです。この点は「さすが!」と思いました。

でも、「今日のメニューは○○と・・…××だけど、どれとどれがいい? 2つ選んでいいよ」と言われてQが「チップス(じゃがいものフライです)とスパゲティ」と答えたら、「はいはい」とお皿によそってくれたんだけど、その「スパゲティ」はほんとに「スパゲティ」だけの「つけあわせ」のスパゲティで、「これじゃ、炭水化物ばっかじゃないか~! 栄養指導はしなくていいのか~!」と思ったんですけど、ま、この「自己責任」ってのが、イギリスなんですよね~。

うちはたまたま母が来てくれてたので、お弁当作って届けてくれたりして栄養補給できたけど(>いやいや、母にはほんとお世話になりました)、病院食でこんな栄養の偏ったもの出していいのか~!!!!(>イギリス!)