私のポアント遍歴 (1)-ファースト・ポアント&セカンド・ポアント

私がポアントの許可をいただいた頃は、今みたいに色々な種類のポアントが簡単に手に入るということはなく、レッスンメイト曰く「チャ○ットは一番手に入りやすいけど、痛いんだよね(もちろん人によるのでしょうが)」ということだったけど、とりあえず一刻も早くポアントを履きたくて、チャ○ットのポアントをゲットしました。今はチャ○ットでも色々なのがあるけど、当時は種類もなくて…。

で、次からは綜○。先生がみんなの足型を紙に描いてまとめ買いに行って下さる時に私も頼みました。綜○のポアントはチャ○ットよりずっと楽に感じました。(これも人によるでしょう)

当時はポアントに関する情報も今のようにはなかったし、チョイスも限られていたので、○○よりは××と2つのシューズを履き比べながら、少しずつ自分に合う物を手探りで探して行った感じです。その後しばらくは綜○(のロイヤルだったかな? 割に細めのヤツ)を履いてました。

ポアントの買い方のポイントなんかも、今みたいに詳しい情報はなく、むしろ詰め物で調節するっていう感じでした。詰め物については、レッスンメイトがアドバイスしてくれました。いくつか試して、結局、「履き古したストッキング+薄手のトウパット」の組み合わせを愛用してました。ストッキングは、足の形にうまく合ってくれるので、靴の方の選択肢が限られている時には「優れもの」かもしれません。

「世界のバレエ探検隊」調査報告 (2)-韓国(2006年1月)

トルコに引き続き、バレエ事情は???な不発の探検に終わりましたが、韓国旅行は思い切り楽しんで来ました。(「韓国を満喫!」をご参照下さい)

「さて、いよいよ2日後は韓国だ!」という頃になって、「あ、ひょっとしてバレエ出来ないかしら?」と思いつく…。相変わらずのドタバタした暮らしぶりと性格です。

そう言えば、以前Nさんが韓国でレッスンして来たって言ってたなー、とか、Umさんが韓国に公演に行ったんだよねーとか思い出し、ひょっとしたら、外国バレエ事情に詳しいUtさんとこの掲示板で問い合わせれば、なにか情報が得られるかも…と、あたふたとあちこちにカキコミをしました。

ネット検索もしてみたけれど、どうもよく事情が分からない。やっぱハングルやらないとダメだな。

で、事前に得た情報としては、どうも韓国には「大人のバレエ」を気軽に楽しめる場所はなさそうっていうこと。

日本のバレエ団やスクールと関係のあるあちらのバレエ団や教室でレッスンすることは、よぉっく事前に準備しとけば不可能じゃなさそう…ということは分かりました。

が、こんな時、悲しいのは自分の腕前。どこに行っても相手に迷惑かけない程度に踊れれば、「せっかくだから」と頭下げていろいろお願いしてレッスンしてきちゃうんだけど、私の技術じゃそこまでは出来ない。

あちらで案内してくれた日本に留学経験のある韓国の方にも、聞いてみましたが、どうもそういう場所はなさそう…。

うーむ、残念!

トルコと同じく、せめて電話帳でバレエ・スクールの所在くらいは確かめたいなぁと思いつつ、ハングルで「バレエ」ってどう書くの?というのも分からず、そのままになってしまいました。

そういえば、イギリス留学中にいつも一緒にレッスンしてた韓国人の女の子は(>再開組)、韓国には「大人のバレエ」はないって言ってました。あれから10年くらい経つし事情が代ったかなぁと思ってたんだけど、そうでもなかったみたい。

その後の調べでも、韓国バレエ界は少数精鋭というか、才能ある子をビシビシ鍛える!っていうタイプのバレエ教育だと聞きました。なるほどねー。

今回は同僚たちとの職場の旅行だったので、いずれにせよ「自由時間」はなかったので、スタジオを発見してもレッスンは無理だったと思うのですが(>一応レオタードとシューズは入れてったが)、韓国にはかなりはまって帰ってきたので、次回はもうちょっと事前調査をしてから行こうと思います。

ひょっとしたら、フィットネスクラブみたいなところで何かあるかもしれないもんね。

ま、バレエが無理でも、伝統舞踊の超初心者向けレッスンなんてのを受けてみたいなーと思ったりもしています。

韓国では若い人も伝統芸能を大切にしようという気持ちが強いらしく、大学でもキャンパス内で伝統音楽を練習している風景が日常的に見られるらしい。

…ということであれば、伝統舞踊も習えそうな気がするんだよね。

今回は、みんなから「こんな時期に韓国に行くなんて正気の沙汰とは思えない」と言われるほど寒い時期に行ったので(>最高気温がマイナス4度!)、韓国の伝統芸能を見に行ったあと、温かい時期なら、最後みんなで輪になって踊る!というのもなかったんですが、ま、最低限それだけでも体験し、そこのダンサーの方々から、「どこかで伝統舞踊習えません?」と聞いてみたいなーと思っています。

「世界のバレエ探検隊」調査報告 (1)-トルコ(2003年6月)

隊長1人、隊員1人、しかも隊長と隊員は同一人物という超弱小な「世界のバレエ探検隊」は、隊長兼隊員が友人Mの結婚式でトルコに行くことになったため、ついでにトルコのバレエ事情も調べて来よう!…と、張り切って出かけたものの、結局のところ良くは分からずじまいでした。

乗り継ぎのパリで(直行便が出る日には仕事の都合で行けなかった)、英・トルコ語辞典を買うつもりだったんですが、飛行機が遅れてペケ。それを使って、せめてイエロー・ページの「バレエ・スクール」の欄ぐらいはチェックしようと思ってたんですけどね。トルコ語で「バレエ」って何て言うのかな?

仕方なく、帰国する時、アタチュルク空港の本屋で「ぴあ」みたいな雑誌を買おうと思って探していると、なんとトルコ版「タイムアウト」(Time Out)を発見。イギリスでも良く見かける情報誌で、デザインも同じでした。ただし、トルコ語。

ダンスの所を見ると、ピナ・バウシュの公演の案内がありました。ダンスのレビューのページにはコンテンポラリーのダンス評が…。クラッシックはあんまり盛んじゃないのかしら。バレエ情報はないみたいだった。

でも、観光途中に入ったレストランの女性トイレのマークが、チュチュを着てしっかり5番に立ってる女性のシルエットだったのよね~。これって何なのかしら?

そうそう、ホテルでハマム(トルコのお風呂)に入り、「アカスリ」ってのをやってもらったんですが、その時かかってた音楽の中に「白鳥の湖」があり、う~む、トルコで裸で「白鳥」を聞くことになるとは…と、なんとも言えない気分でありました。

あと、街中でトルコ帽をかぶり、色あざやかなスカートをはいたおじさんたちと、楽器を持ったおじさんたちが歩いてまして、案内してくれた人(私の友人の従弟)によれば、彼らは「トルコ・ダンスのダンサー」とのこと。ふ~む。

そう言えば、あちこちに、トルコ帽をかぶったおじさんが踊ってる姿のイラストのついたお土産物があったなぁ…。女性はベリーダンスで男性はトルコダンスなんだろうか。イラストから見る限り、おじさんたちが繰り広げるトルコダンスは、けっこう動きもありそうだけど、身体使いがなんだか怪しく妖しい・…。

次回には、是非トルコダンスの講習も受けてみたい(女性はダメ?)と思いました。

で、トルコの人は踊り好き。結婚式の後のパーティには、バンドが入り、花嫁花婿が踊り出すと、みんながワラワラと出てきて踊り出す。母と私も輪に加わって踊って来ました。母と私は11時頃失礼しましたが、みんなは2時まで踊っていたそうです。

友人Mが踊るのは留学中のパーティなどで見たことがありますが、な~んかステップが怪しげで妖しげだったんだけど、ここでみんなが踊るのを見て、納得。これがトルコの男性の踊り方なのね。

女性も男性も、1人で踊ったり、2人で向き合ってコミュニケートしつつ踊ったり(男女、女女)、抱き合って踊ったり(男女)、まぁ、色々なんだけど、手の使い方と腰の使い方がちょっと独特。

でも、こうやってみんなで踊るっていいなぁって思いました。踊りは人と人をつなぐもの。言葉が通じない私達日本人とトルコの人々が、一緒の空間で一緒にMの結婚を祝って踊る…。ステップなんか適当でも、音楽があってムーブメントがあれば、それはいつだって「ダンス」です。そして、ダンスはやっぱり「コミュニケーション」なんですよね。

ピラーティスと私 (4)-フィットネスクラブ

第1回のセッションを受けて以降も、半年に一度から1年に一度、イギリスに行く度にセッションを受けて来ました。(>ここ2年くらいは諸般の事情で受けてないんですが:2006年1月現在)

その間の私の進歩については、次にセッションを受けた時に、師匠に詳しく聞いてくるつもりですが、少しずつ、本当に少しずつ、私の身体への意識は変わっていったと思います。

その後、日本でも少しずつピラーティスという言葉が聞かれるようになりました。

そしてフィットネスクラブでもピラーティスのクラスを置くところが出てきました。

同僚が職場が法人会員になってるフィットネスクラブでピラーティスやヨガのクラスに通い出して、ちょっと見違えるほど痩せました。通いだして半年で6kg痩せたそうです。で、そこでぴたっと止まったそうなんですが、ピラーティスって、要するに「自分の適正」なところに身体を整えてくれるんだなぁって思いました。

彼女は、いつもピラティス、エアロビ、ヨガというように2つか3つのクラスを取り、合間にジムでマシンを使ったエキササイズやったり泳いで帰ったりするみたいなので、半年で6kg痩せたってのも、むべなるかな…なんですが。

で、「ピラーティスすごくいいですよぉ。私、骨盤の位置がずれてたらしいんですが、それが直って来て身体がラクになりました」と言う彼女にピラーティスのクラスに連れていってもらいました。

イギリスで受けたセッション同様、まずは腰の位置を水平に保つというのをチェックします。そして腹筋など、基本のメニューをやります。

イギリスでの個人セッションとは異なり、「目に余る」誤ったやり方をしていない限りは注意されないので、自分でよほど気をつけてやらなければなりませんが、そのあたりはレギュラーになってセッションの前や後に質問すれば補えると思います。

ピラーティスは身体の奥の方の筋肉を鍛えるので、定期的にクラスに通い、それをバレエと有機的に結び付けていけば、バレエの軸も安定してくると思います。

その後、超細々ですが、たまーにフィットネス・クラブのピラーティスに出ています。

ピラーティスと私 (3)-ファースト・セッション後のレッスン

ピラーティスの成果を忘れないうちに…ということで、次の日もダンスワークスにレッスンに行きました。クラスはレナートの「ビギナーズ」。ピラーティスでやった動きの復習には、あまり複雑なパを使うクラスじゃない方が良いと思ったので。

で、「肩の力を抜く」「肩を下げる」っていうのが、あっという間に分かってしまいました。「そうだったのか!」という感じ。ふっと今までの自分のバレエから解放された感じ。

師匠に後で報告すると、「力を抜く」は一度でも分かる、でも「筋肉を使う」が分かるには時間がかかる…とのこと。

その後日本に帰ってからのレッスンでも、たま~に肩が上がってしまうけど、以前みたいには上がらなくなりました。

でも、ある時、またレッスン中に肩が上がりそうになっちゃったんです。で、「あ、どうしよう!」って思ったとたんに、下腹に力が入って、そしたらぐっと肩が下がった。「あ、下腹に力を入れるってこれ?」とちょっとビックリ。今ごろそんなことが分かったのか!と思われる方もいらっしゃると思うけど…。

で、レッスンの後、K先生にそのことお話ししたんです。先生も「そういえば、この頃肩上がらなくなったわね~」って言ってくださって、「そうそう、下腹をいつもそんな感じに踊るといいのよ」と言ってくださいました。

それ以来、K先生も、私がピラーティスで注意されたことをレッスンで生かそうとしていることに目を配って下さるようになり、私の方も、何かを「発見」するたびに先生に報告する…と、レッスンとピラーティスは日本での先生との関係の中でも有機的に生かされるようになっていきました。もう一つの教室の方でも、先生にピラーティスのセッションのことをお話ししたら、興味を持って下さり、私がレッスン中に改善しようとしていることをバックアップして下さってます。

ピラーティスって不思議…。毎回のレッスンで師匠の注意を全部生かしている訳じゃないんだけど、クルーシャルな所で、ふっと師匠の言葉がよみがえってくるんです。それは、師匠によれば、ピラーティスってインストラクターが生徒に「言葉を埋め込む」ということをしているから。「埋め込まれた言葉」が、時々、クルーシャルなポイントに来た時、ふっと身体の中によみがえるんです。たとえば、バーでプリエしてる時に、「あ、タックインしない、って師匠が言ってたのはこれだな」とか…。

ピラーティスを始めてから、1回1回のレッスンの深さが違ってきたと思います。私にとっては、とても貴重なピラーティスとの出会いでした。ピラーティスと出会ってから、自分の身体を以前より感じられるようになったし、自分の身体を感じること、色々試しながらレッスンすること、が面白くなってきました。

セカンド・セッション以降の進歩は、ファースト・セッションほどドラスティックじゃないんですが、それでも少しずつ着実に私の身体とバレエは変わりつつあると思います。

ピラーティスと私 (2)-ファースト・セッション(2000年8月)

バレエの上達が早まるかも…という「よこしまな」(?)気持ちにとらわれた私は、オフ会で師匠(=ケンチャンとマリノッチの母上)とお会いした半年後にイギリスを訪れた際に、予約を入れ、初のセッションを受けることになりました。場所は師匠の自宅のスタジオです。

実は、とても恵まれたことに、私はセッションを受ける前に師匠とバレエのレッスンもご一緒させていただきました(その後もセッションの前には必ずレッスンを何等かの形で見ていただいています)。ダンスワークスでトレバーの「アドバーンスト」のクラス。私にはアドバーンストは難しすぎるんですが、このクラスは少し前までは「ジェネラル」で、レベルは変えてない…ということで思い切って。バーは師匠の隣に陣取って…。

師匠はバレエ教師の冷徹な目で私の現在のバレエの問題点を厳しくチェックしてくださってまして、そのことは後でよぉっく分かりました。こんな風に、バレエの方も見ていただいた上でセッションを組み立てていただける…というのは、本当に恵まれたことだと思います。アマチュアなのに、こんなに恵まれてていいのかしら…。

次にスタジオに場所を移して、まずは、カルテの作成。用紙に生年月日やバレエ歴、身長、体重などの基礎データを自分で記入。その他、身体で痛みを感じるところや、調子の悪いところなんかの欄もありました。

あとは、色々な動作をしながら、師匠がカルテに色々な(私には不明な専門的なこと)を書き込んで行きます。これが大切な私のカルテになって積み重なっていくのです。

初めてのセッションで言われたことは、バレエの時、「肩が上がってる」ということ。で、これを下げるには、まずはムダな力を抜くことと、ワキや背中などの筋肉を使って下げる…ということ。

その他、プリエの時の脚の付け根の折り方や、諸々。それら筋肉の使い方を、床に寝たり、機械を使ったりして、ゆっくりの動作で繰り返し練習します。

あ、あと、フロアでの腹筋のやり方。私は腹筋の上の方だけしか使えてなくて、腹筋をもっと「長く」使うことが大切ということ。これなんかは、バレエのレッスンで一斉にみんなで腹筋してると、誤った使い方してても、先生の目をすり抜けちゃいますよね。私も長年、フロアでやる腹筋の時、腹筋の下の方を鍛えずに上の方だけ鍛えて
たみたい。

やりながら色々な発見がありました。

でも、びっくりしたのは、その次の日に受けたレッスンででした。

ピラーティスと私 (1)-ピラーティスとの出会い

「ピラーティス」という言葉を初めて知ったのは10年以上前のことです。仕事でイギリスに行くたびにパイナップルでレッスンをしていましたが、ある日、スタジオに張り紙がありました。ピラーティスのためのスタジオが出来、セッションが取れるようになったこと、ダンサーのボディ・コントロールにとても有益であること、興味のある人は受け付けで予約が出来ること…。

その時はピラーティスって何のことだか良く分かりませんでした。筋力トレーニングみたいなものかな?ぐらいの感じでした。興味が全然なかった訳じゃないけれど、あえてチャレンジしてみようとも思いませんでした。

イギリスに行っている間は、英語のバレエ雑誌なんかも買って読みますが、そんな中にもピラーティスの記事が時々ありました。身体を整えるのに役立ちそう…そういうイメージは私の中に少しずつ蓄積されていっていたんだと思います。

しかし、実際に自分が「やってみよう!」と思ったのは、実は、これもネットのおかげです。ロンドン在住で日本のバレエ関係のHPの掲示板にカキコミをしている人達に呼びかけて、「国際ミニオフ」をやったんです。3年前のことです。そこに、今私にピラーティスを教えてくれている方も参加されたんですよね。

みんなで一緒にレッスンして、その後、お茶をしました。で、みんなバレエ好きだもんだから、話がはずみました。それぞれ訪問してたHPは微妙に違ってたりするんですが、掲示板上で「顔見知り」だったし。

で、そのおしゃべりの中で、その方がバレエの先生だけでなく、ピラーティスのインストラクターもやられているっていうことを知ったのです。何でも、ご自身がケガでバレエのレッスンが出来なかった時期があって、その間筋力を落とさないためにピラーティスのセッションを取っておられたとか…。で、ケガが治ってレッスンに復帰したら、数ヶ月間をあけたにもかかわらず、以前よりずっと踊りが安定していた…。それで、ピラーティスってすごい!!!と思って、自らも勉強され、インストラクターの資格を取ったんだそうです。

ここからは「受け売り」なんですが、ピラーティスは、バレエの場合であれば(ピラーティスは他のスポーツでもそれに必要な筋肉の使い方を学ぶのに使える。日本でも相撲部屋で取り入れているところがある)、普段のレッスンでは「振り」に気を取られてなかなか筋肉の細かい使い方にまで神経を使い切ることが出来ないけれど、そういう動きの1つ1つを別個に取り出して、ゆっくりと筋肉の使い方を覚えていく…そういうものみたい。で、自分の身体への自覚も高まるし、身体のコントロールも良くなるので、ケガも少なくなる…とのこと。

ピラーティスとバレエを有機的につなげてやれば、バレエのみだったら5年かかることが2年で出来るようになる(!)…というのが、その方の持論。

もちろん、ピラーティスをやりさえすれば魔法のようにバレエが上達する訳ではありません(>注意!!!)。毎回のレッスンの中にピラーティスで学んだことを生かすための工夫をしたり、努力をするのは自分自身。その「主体的関わり」なしに、ピラーティスをバレエに生かすことは出来ません。

でも、私は、その時すでにかなりの年だったし、自分が10年以上バレエをやってきて、それでも、上達は悲しいぐらいにゆっくり・…。だから「残された時間」を考えた時、「5年かかることが2年で」という言葉に「ぐらり」と心が揺れたことは事実です。

で、とにかく、「次回イギリスを訪問した時には絶対やってみよう!」と心に決めました。

ヨガ (8)-ヨガで楽々ストレッチ

よく、ストレッチは「痛気持ち良いところで」とか言いますが、ヨガを利用したストレッチには「痛気持ち良い」レベルの「痛み」もないところで身体が柔らかくなっていく、という方法もあります。

たとえば、(7)で紹介した関連部位を「とんとん叩く」ってのもそうですが、今回ご紹介するのは股関節の開きを調整し、股関節がさらに開くようにする方法です。私自身が「知識」としてはこの方法を知っていてもあんまり真面目に続けてないので(「やるべきこと」と「やっていること」の不一致)、「この方法でやれば、ほ~ら、こんなに開くようになったのよ~」と言えないのが残念なんですが。少なくともこれをヨガの教室でやった時には「ひゃ~、ほんとだ~。こんなに両方の開き具合が揃って、しかも前よりずっと開くようになった~」という驚きがありました。

以前、某大手掲示板でも紹介したことのある方法なんですが、まずは、両足の裏をくっつけたあぐらで座り、股関節の開き具合の程度及び左右差(床からの膝の高さ)を比べます。

次に床に仰向けに寝てカエル足にします。自分の開くところまででOK。無理に開くことありません。ゆったり脱力した状態でOKです。

腕を頭の上にバンザイします。で、その腕の勢いを利用してエイヤと腹筋の要領で起き上がって下さい。これを10回繰り返して下さい。

そして、もう一度両足の裏をくっつけて股関節の開き具合、左右差を比べて下さい。ほ~ら、さっきよりずっとラクチンに開くようになってるし、左右の差も小さくなってるでしょう?

一般的に左右の股関節の開きを調節するには苦手の方を余計にストレッチと言いますし、これはこれで有効なんだと思うけど、この「カエル足腹筋」の方法もかなり有効です。これだと本当にな~んの痛みもない。

もちろん、「継続」なくしては、これも翌日には元の木阿弥。でも、毎日この腹筋する方が、苦労して筋を伸ばすより、ず~っとお手軽かも…。

実は私自身右の股関節の開きが悪く、M先生からは、「左を右に合せて閉じ気味にやりなさい」と言われたりしております。

…というように私自身左右のアンバランスには苦労している訳なので、このエッセイを書いたのを契機に、この方法を「継続」してみようと思います。

成果が出たら、またエッセイでご報告しますね。

ヨガ (7)-ヨガの奇跡 

出産前にヨガをやっていた時、仲の良い同僚何人かに「ヨガって気持ちいいですよ」と話しました。で、そのうちの1人、Kさんとは何度か一緒にセッション(?)に行きました。Kさんは私と一緒ばかりでなく、1人でも時々行ってたみたいです。

ある日、仕事帰りに彼と一緒にヨガに行った時のこと…。先生が、「身体というのは関連部位というのがあるんです。だから無理矢理身体をほぐそうとしないで、その関連部位を刺激してやれば、柔らかくしたいところ、ほぐしたいところがほぐれるんです」とおっしゃり、「たとえば…」ということで、その私の同僚を実験台に選びました。

当時Kさんは50代に入ったばかりぐらいだったのかなぁ…。若い頃はラグビーをやっていたスポーツマンで、私の職場は当時、職員のスポーツ交流もけっこう盛んで、私もよくみんなとテニスやサッカーを楽しみましたが、そんな時もKさんはたいてい顔を出してました。

とは言え、男性だし、柔軟性はあんまりあったとは言えません。先生に脚を前にそろえて出して座り前屈するように言われて前屈したんですが、そうですねぇ、どのくらい曲がったのかなぁ。座っている角度を床から90度として、70度から80度ぐらいかなぁ。60度は行ってなかったんじゃないかなぁ。

で、先生が、「じゃぁ、関連部位をほぐしますよ」と腰のあたりをトントンとたたいた。そして、「もう1回曲げてみて」と言いました。で、Kさんが曲げてみる。すると、あ~ら不思議、さっきよりずっと曲がった。でも、まだ60度ぐらいかな?

先生はさらに、「じゃあ、もう少し関連部位を刺激してみましょう」とまた、腰のあたりと背中をトントンとたたく。そして、「はい、もう1回曲げてみて」。あらら、今度はさっきよりず~っと曲がった! 

それを繰り返すこと数回。最期はペタ~って上半身がぜ~んぶ脚にくっついたんですよ。本当にビックリでした。自分の目が信じられなかった。

もちろん、そういう刺激を与えたからと言って、それがずっと継続して本当に柔らかくなる訳じゃないんだけど、でも、無理矢理ストレッチするよりは、こうやって「関連部位を刺激→曲がる」というのを繰り返した方がずっと楽に柔らかくなりそう・…。

先生も、「ストレッチは痛い思いしてやる必要ないんですよ。関連部位を刺激しながらやれば、ずっと楽に柔らかくなります」とおっしゃってました。

身体って不思議。ほとんど奇跡を見てるような感じでしたが、身体には沢山の可能性と不思議が隠されてるんだなぁ…と思いました。

ヨガ (6)-日本人には合わないポーズ

また、日本人には合わないポーズ、というのもあると聞いたことがあります。ヨガというのは、日本とは気候・風土の全く異なるインドで発達したものですから、インドで生まれ育った人には良くても、日本人には合わないものもある…。あるいは、インドに住んでいる人がやるには良くても、日本に住んでいる私たちがやるには合わないものもある…。

インドは暑いので、戸外のスポーツには向かないですよね。たとえば、マラソンなんか走ったらヘロヘロになっちゃう。下手したら死んでしまう。でも、運動をしなければ、身体に悪い。で、発達したのがヨガなんですって。だから、上達すれば座ったままでもフルマラソン走ったぐらいの運動量が稼げるんだそうなんです。

そういう意味では、とても優れたスポーツ(?)なんですよね。

もちろん、日本でやってもOKなポーズも多いけど、ヨガのポーズの全部が全部、日本の気候風土でやるのに合ってる訳じゃない…・。

以前、誰だったかの(確か木村治美さん?)エッセイで読んだのですが、イギリスからインドにお嫁に行った大金持ちの娘さんが、しばらくして体調を崩してしまったそうです。彼女はお金持ちだったので国からコックを連れ、インド料理に必要なスパイスをぜ~んぶ持って、必要な食材なんかも飛行機で送ってもらい、インドにいる時と全く同じ食生活をしてたそうなんだけど、それがイギリスの気候風土に合わなかったので体調を崩したというのが、後で判明したとのこと。

イギリス風の食生活にしたら、体調が良くなった。やっぱりその土地に住んだら、その土地のものを食べるのが大切だ…というようなことが書いてありました。お金持ちだったのが裏目に出たのね、きっと。

イギリスではインド料理は人気がありますが、食材なんかはイギリスのものを使ってたりするし、みんな、毎日は食べないし…。(だから私、アーユルベーダには興味はあるものの、あれで推薦されている食事には、簡単には手を出す気がしないんです)

そういえば、和泉雅子さんが北極探検した時、トナカイの生肉を食べたっていう話がありましたね。トナカイの生肉を食べないと、北極ではとても身体が持たないとか…そういうのってあると思います。

私が留学前の語学研修でイギリスで一夏過ごした時、昼食をいつも学食で食べていたら、普段は手が冷たかったのに、手が暖かくなってきたのを覚えています。西洋人は日本人に比べて体温が5分くらい高いと言いますが、あの気候の中でサバイバルしていくために必要な食事っていうのが、あるんですね、きっと。イギリス風の食事を続けてると身体がポカポカしてくるんですよね。

という訳で、そういうことも勘案して考えるなら、ヨガは素晴らしいけど、あくまでもインドで生まれたものである、ということ…。地球上のどこでも、どの民族にも合うとは限らないこと・…。そういうことも頭に置きながら、「危険」には必要な警戒を怠らず、楽しめる部分をうんと楽しむ、役立つ部分をうんと役立てる…そういうことが大切だと思います。

ヨガについても信頼できる指導者を探すことが大切ですね。せっかく授かった赤ちゃんを流産…なんてことになりたくないもんね。私自身は大変すばらしい指導者の下で妊娠中ヨガを続けていたので、出産はそれなりには大変だったけど、安産でした。ヨガの呼吸法を知ってることが、出産にとても役立ちました。みなさんも、誰かが「身体に良い」と言ったことでも、安易に飛びつかないで、一歩立ち止まって、自分の頭で考え、自分の目で確かめて、それでOKということになってから、自分の生活に取り入れるようにして下さいね。