ヨガ (6)-日本人には合わないポーズ

また、日本人には合わないポーズ、というのもあると聞いたことがあります。ヨガというのは、日本とは気候・風土の全く異なるインドで発達したものですから、インドで生まれ育った人には良くても、日本人には合わないものもある…。あるいは、インドに住んでいる人がやるには良くても、日本に住んでいる私たちがやるには合わないものもある…。

インドは暑いので、戸外のスポーツには向かないですよね。たとえば、マラソンなんか走ったらヘロヘロになっちゃう。下手したら死んでしまう。でも、運動をしなければ、身体に悪い。で、発達したのがヨガなんですって。だから、上達すれば座ったままでもフルマラソン走ったぐらいの運動量が稼げるんだそうなんです。

そういう意味では、とても優れたスポーツ(?)なんですよね。

もちろん、日本でやってもOKなポーズも多いけど、ヨガのポーズの全部が全部、日本の気候風土でやるのに合ってる訳じゃない…・。

以前、誰だったかの(確か木村治美さん?)エッセイで読んだのですが、イギリスからインドにお嫁に行った大金持ちの娘さんが、しばらくして体調を崩してしまったそうです。彼女はお金持ちだったので国からコックを連れ、インド料理に必要なスパイスをぜ~んぶ持って、必要な食材なんかも飛行機で送ってもらい、インドにいる時と全く同じ食生活をしてたそうなんだけど、それがイギリスの気候風土に合わなかったので体調を崩したというのが、後で判明したとのこと。

イギリス風の食生活にしたら、体調が良くなった。やっぱりその土地に住んだら、その土地のものを食べるのが大切だ…というようなことが書いてありました。お金持ちだったのが裏目に出たのね、きっと。

イギリスではインド料理は人気がありますが、食材なんかはイギリスのものを使ってたりするし、みんな、毎日は食べないし…。(だから私、アーユルベーダには興味はあるものの、あれで推薦されている食事には、簡単には手を出す気がしないんです)

そういえば、和泉雅子さんが北極探検した時、トナカイの生肉を食べたっていう話がありましたね。トナカイの生肉を食べないと、北極ではとても身体が持たないとか…そういうのってあると思います。

私が留学前の語学研修でイギリスで一夏過ごした時、昼食をいつも学食で食べていたら、普段は手が冷たかったのに、手が暖かくなってきたのを覚えています。西洋人は日本人に比べて体温が5分くらい高いと言いますが、あの気候の中でサバイバルしていくために必要な食事っていうのが、あるんですね、きっと。イギリス風の食事を続けてると身体がポカポカしてくるんですよね。

という訳で、そういうことも勘案して考えるなら、ヨガは素晴らしいけど、あくまでもインドで生まれたものである、ということ…。地球上のどこでも、どの民族にも合うとは限らないこと・…。そういうことも頭に置きながら、「危険」には必要な警戒を怠らず、楽しめる部分をうんと楽しむ、役立つ部分をうんと役立てる…そういうことが大切だと思います。

ヨガについても信頼できる指導者を探すことが大切ですね。せっかく授かった赤ちゃんを流産…なんてことになりたくないもんね。私自身は大変すばらしい指導者の下で妊娠中ヨガを続けていたので、出産はそれなりには大変だったけど、安産でした。ヨガの呼吸法を知ってることが、出産にとても役立ちました。みなさんも、誰かが「身体に良い」と言ったことでも、安易に飛びつかないで、一歩立ち止まって、自分の頭で考え、自分の目で確かめて、それでOKということになってから、自分の生活に取り入れるようにして下さいね。