舞台を重ねる (9)-3回目のVa大会:キトリのVa(「ドン・キ」3幕) 

前年、仕事にまぎれて出場しなかったVa大会、「今年は出るぞ!」と、そうそうに申し込み。

何を踊ろうかなぁ・・・と思ったのですが、「ドン・キ」にすることにしました。

こちらに「技術」や「目」が出来ていないと、どの踊りがどの程度難しいかっていうのは、分からないものです。私としては、色々なVaを、手元にある映像でチェックした限りで、「白鳥」なんかは派手なパもないし、いいんじゃないかと思ったんですが、「先生、白鳥はどうでしょう?」と聞くと、「白鳥は難しいですよ~」と、思い切り却下。

で、「じゃあ、ドン・キはどうでしょう?」と言うと、「あ、ドン・キはいいと思います」と即O.K.が出ました。

あ、O.K.が出たっていっても、「そのまま」踊れる訳じゃなくて、「簡単バージョン」なんですけど。だから、私が踊ったのは「キトリ」じゃなくて「キトリもどき」。最初の部分のグランパデシャもソデシャにグレード・ダウンしたものです。

そもそも、Vaの「オリジナル」って何?というのは、実は、そんなに単純じゃないですよね。バレエ団によっても少しずつ振り付けが違うし。だから、別に「キトリもどき」でもいいんですが、いつかは、世の中で良く踊られている振りを易しくしない「普及版」バージョンで踊れる力をつけたいものです。

しかしまぁ、「簡単バージョン」でも充分に難しく、かなりの苦戦。でも、キトリは「お得なVaだなぁ」と思いました。すごく良く出来た振り付けだなぁと。つまり、「みば」がいい、というか、「同じ技術」でも「派手」に、また「難しいことをやってるように」見え、また「見ごたえがある」んです。

ピアノでも、ピアノのメカニズムをよく理解してそれを最大限に生かすことの上手な作曲家とそうでない(>あるいはあえてそうしない?)作曲家がいます。ショパンなんかは、ピアノのことをすご~く良く分かっている。

逆にチャイコフスキーは、ピアノという楽器を生かしきれてないというか、すっごく弾きにくいのに、聴いてる側には「簡単」で「地味」な曲に聞こえてしまって、「苦労した割りには上手に聞こえない」っていう、アマチュアの発表会レベルの関心で言うならば、「ちょっと損」な作曲家です。

ただ、これも私のロシア人の友人に言わせれば(>ロシアのピアノ教育ではチャイコフスキーの曲をいっぱい弾かされるらしい)、「それこそチャイコフスキーが本物である証拠」ということなんだそう。「簡単そうに聞こえるけれど、本当はすごく難しい…。本当に良い物ってそういうものよ」と。

まぁ、これ、「好み」とか「相性」っていうのもあるんでしょうね。私はチャイコフスキーは聴くのは好きだけど、弾くのは今一つ「快感」が感じられない作曲家です。でも、Qはチャイコフスキーすごく好きで、とても「らしく」弾きます。

それはともかく、最後のピョコピョコやるやつの2回床をチョンチョンするところに(も)苦労しながら、自分なりにではありますが、踊りをまとめて行きました。ビデオを見たりして、キトリのイメージを膨らませたり…そういうのも楽しかったです。この時は、初めてネットの友達が舞台を見に来てくれました。

舞台を重ねる (8)-N教室での3回目の発表会:煩悩を乗り越えて(なかったかも) 

そんな訳で、3回目の発表会は、悩み深い発表会となりました。

でも、とにかく、「バレエ・シューズだって、きれいに踊るのはとても難しい」「バレエ・シューズだってきれいに踊れている踊りは本当に美しい」と「真実」、そして、「今の自分にはバレエ・シューズできれいに踊ることは出来ていない」という「現実」を、きちんと認識して、少しでもきれいに踊れるように頑張ろう!と思いました。

頭が納得しても、気持ちが納得しないところもあったけれど、とにかく、それが「正しいこと」で自分は「正しいこと」をするしかないんだ、というのは、自分でもよく分かっていました。

作品は、これまたN先生の振り付けで、可愛らしい作品でした。衣裳もピンクで可愛かった。

一緒に踊った人に、多分今の私の年齢ぐらいの方がいました。前向きにバレエを楽しんでらっしゃる方で、その方からも刺激を受けました。

今思えば、N先生の作品を踊れるというのはすっごく幸せなことだったんです。その次の年からはN先生は大人のクラスの振り付けはなさらなくなったし。ポアント組の振り付けは助教の先生だったし。だから1回多くN先生の振り付けを踊れたことはらっきぃ!だったとも言えます。

当時は、私はN先生の振り付けの素晴らしさというものがまだよく分かっておらず、今考えれば、もっともっと味わって踊れば良かった!という後悔が残ります。

舞台を重ねる (7)-ポアントという煩悩 

舞台を重ねる(7)-ポアントという煩悩

またレッスンを重ねているうちに少しずつ身体も戻ってきて、3回目の発表会を迎えることになりました。メンバー表が発表されてみると、私はまた「バレエシューズ組」でした。

はっきり言って落ち込みました。そりゃあ、先生の目から見て「客観的に」まだまだポアントで舞台に立たせる訳には行かない・・・・。自分の「技術水準」はその程度のものなんだろう・・・。

だけど、T教室ではずっとポアントで舞台に出ていたし、R教室のVa大会でだってポアントで踊った・・・。

私って、そんなにダメなんだろうか・・・。私ってそんなに下手なの????

ポアントで踊るだけがバレエじゃない・・・。それは、よぉっく分かっているつもり。頭では。

だけど、やっぱり「ポアントで踊りたい!」という煩悩に悩まされました。

特に、私より少し前に教室に入っていて、実際のバレエ歴では私より短い人が「ポアント組」で出場することになっており、そのことも私の煩悩を刺激することに・・・。

彼女達のポアントワークと比べて、私のポアントワークはそんなに劣っているのだろうか・・・。自分では、そんなに差はないと思うけれど、その「差」が見えないくらい私の技量って劣っているのだろうか。(>「違い」が分かるのも技量ですからね)

「大人から始めるクラッシックバレエ」の掲示板でも「人と比べちゃだめ」とアドバイスをもらったけど、やっぱり心の中は煩悩のうずまきでぐるぐる状態でした。

一方で、私より遅く入ってきても、上手な人はN先生の作品に誘われたりしている・・・。

基本的には「私がまだまだなんだ」と納得しようとするけれど、心は千々に乱れる。

「かけもち」してて、N教室に顔出す回数が少ないからいけないんだろうか・・・。そんなことも考えました。それでなくても、レッスン回数確保するのが難しいのに、「かけもち」してるから、ちょっと疲れていても、つい、「今日はやめておこう。明日R教室の方に行こう」(>逆もまた真なり)となってしまう傾向はどうしてもあったし、また、Va大会の練習が始まると、R教室の方を優先せざるを得ないから、N教室にとっては、当時の私は「発表会前になると突然来る人」という、バレエ教室における、「嫌われ者」の典型的なタイプの一つではあったんですよね。

「かけもち」しなきゃ、「私」というスケールで見た時、レッスン回数の確保は「かけもち」してる時よりずっと難しいし、結局そうやってレッスン回数確保してようやくコンスタントにバレエを続けていた状態だったし、前にも書いたけど、「私」というスケールで見れば、「私」はいつでも「頑張って」いるのだけれど、N教室の先生やレッスンメイトから見れば、そりゃあ、当然そうは見えないよね。

T教室での経験がなければまた、それはそれで、「そんなもんか」と受け入れることが出来たのだと思うんです。だけど、T教室で子どもと同じにやらせてもらってたし、とにかく舞台が楽しかったから、「なんでこんなに違うのかなぁ」ってなってしまうんですよね。

今となれば、教室は一つ一つみ~んな違う!っていうことが良く分かるんだけど。

この時は、今、思い出しても辛かったなぁ。今みたいにあんまり友達もいなかったし、それに、その数少ない友達はポアントで出るとなると、本人に「あなたと私とどこが違うの?」とも聞けないしね。

去年まで一緒にバレエシューズで踊ってた人たちが、ごっそり抜けて、一人だけおいてきぼりを食ったような、そんな孤独な気持ちでした。

舞台を重ねる (6)-初めてのミニオフ

「そっか、私はもっとバレエをやりたかったんだ!」と気づいた私は、「週2回を確保する手だて」を考え始めました。

当時は、特別にベビーシッターさんをアレンジしない限り(>って事情は今も同じだけれど)、火曜日の午前中、水・金の夜しかレッスンに行けませんでした。なので、その曜日にとびこみの仕事や残業が入ってしまったり、Qがカゼをひいたりすれば「あきらめる」しかなかった。水曜日はもともと残業になる確率が高かったので、水曜日は「行ければらっき~!」状態だったので、この3つの枠だと「結局週1」になってしまうことが多かったんです。

そんな中で、「大人から始めるクラッシックバレエ」の「掲示板」に職場から近いお稽古場の「体験レッスン」のお知らせが出たんです。あらま、こんなご近所に教室があるなんて知らなかった。ここのレッスンなら、水曜日のレッスン、N教室に行くとすると職場を6時に出なければならないけど、6時40分くらいまでOKだわ・・・。わずかな違いだけど、この違いが大きいこともある。

という訳で、行ってみました。そしたら同じ掲示板を見てもう一人体験の方がいらっしゃいました。で、そのカキコミをされた人と3人でレッスン後にミニオフ・・・。

いや~、楽しかったです。お料理もワインも美味しく、バレエ談義に花が咲きました。

ネットって、こんな風に地理的にはこんなに近い場所ですれちがっていて、ネットがなければ一生出会うこともなかった「バレエ好き」同士を出会わせてくれるんですね。すごいな~と思いました。

チケット制もあるということだったので、その教室にも何度か行きました。とても楽しく質の高いレッスンでした。ただ、途中でチケット制は廃止になったので、その後は行けなくなってしまったんですけれど。

実は、私、そこで強烈な「モダン体験」させてもらったので(>改めて書きます)、「入門」も考えたのですが、それじゃなくてもすでに「教室」を2つカケモチしてるのに、「教室」系をもう一つ増やすのは、事態があまりにも複雑になりすぎるので、諦めました。とても残念でしたけど・・・。(>今もちょっと後悔が残るのですが)

ちなみに、この時の体験レッスン・ミニオフに参加されたGさんは、この時に私と出会ったことがキッカケで、結局、R教室に入門されました。Gさん、この近所で教室を探していたんです。そして、この体験レッスンをした教室のスケジュールよりR教室のスケジュールの方がGさんの仕事との関係で都合が良かったので・・・。

Gさんとは今もR教室でレッスンメイトとして互いに励まし合いながらバレエを頑張っています。普段は別の日にレッスンしてるけど、時々、一緒になるとちょっとお茶して(>お酒?)帰ります。ネットが広げてくれた不思議ですてきな「縁」です。

舞台を重ねる (5)-ネットで広がる新しいバレエの世界 

りっくさんの主催するサイト「大人から始めるクラッシックバレエ」
(http://www2u.biglobe.ne.jp/~rickey/)は、今でこそ、毎日大変なアクセス数を誇るサイトですが、私が初めて訪問した頃は、もっと規模も小さく、訪問する人も限られていて、アットホームな感じでした。(>もちろん今もりっくさんがこまめに管理していらっしゃるのでアットホームであることに違いはないのですが)

で、私は、そこで、かなり自分の中の「うっくつした思い」をぶちまけさせてもらちゃったんですね~。実は、自分の中でバレエに対してかなりごちゃごちゃしていたんですよね。

やっぱり教室を変わって、T教室みたいにはみんなになじめなかったから孤独だったし、発表会のやり方もすごく違うし・・・・。

掲示板のみなさんから、本当に心優しいレスを沢山いただきました。

今思えば、差し障りもある内容も含むカキコミだったんですが、自分の中のやむにやまれぬ気持ちというか、そういうのがぐつぐつしてたみたい。

で、色々な方とのやり取りの中で、ある一人の方からいただいたレスで気づかされたことは(>自分のことなのに自分では気づいていなかった)、「私はバレエが好きで好きで今は仕事もあるし子どももいるしあんまり出来ないけど、本当はもっともっとレッスンがしたいんだ」ということ。

そうだったのか! 私の「うっくつした思い」の一番の根底にあるものは、「もっとやりたい!」だったのか!

自分のことって案外自分で「見えてない」ことがあるんですね。

で、「そうか! 私はもっとバレエをやりたかったんだ!」と、なんというか、そこが私の新たなる「原点」となりました。

それを契機に私はバレエにもっと「前向き」になっていきました。Qが少し大きくなったというのもあるかもしれないけれど、週1回がキープするのがやっとだったレッスンを、出来る時は週2回出るようにしました。

そうしたら、少しずつ色々なことが変わり始めました。

舞台を重ねる (4)-スランプ 

私とつきあいの長い方はごみなさんご存じなのですが、秋は仕事の繁忙期です。

2回目の発表会を終えて、秋の仕事の繁忙期に入り、残業が重なり、いつも予定している曜日になかなかレッスンに行けない状態になってしまいました。仕事のストレスや疲れも重なり、気力の方も落ちて来ていて、「今日は行けそう」という日でも「今日は疲れたから、まぁ、いいか・・・」となってしまっていた。

そんなこんなで、ふと気づくと2~3ヶ月レッスンが開いてしまい、せっかく前年はポアントでコッペリアに挑戦したのに、この年は冬のVa大会も出ずじまい。申し込み締切りがいつだったかも知らないまま・・・。

レッスンが開けば開くほど、ますます「敷居」が高くなるというか・・・・。それでも、ようやく重い腰を上げ、年末だったか年始だったか、細々とレッスンに復帰しました。

R教室の先生もN教室の先生も「しばらくレッスンを開けてしまった」ということで、「ゆっくり身体を慣らしていって下さいね」と、ゆっくりペースで指導して下さいました。ありがたいことです。

「大人のバレエ」界では言わずと知れた「大人から始めるクラッシックバレエ」(http://www2u.biglobe.ne.jp/~rickey/)のサイトに出会ったのは、そんなふうにようやくレッスンを再開した頃でした。

当時の私はネットのことが良く分かっておらず(>今もですが)、今振り返れば「ひやり」とするような危ないことも沢山していました。また、掲示板というものについても全然分かっていなかったので(管理人さんへのメールみたいなものかと思ってました)、初めてのカキコミの時は挨拶だけして「書き逃げ」状態で、掲示板でのカキコミにレスがついたり、そこで色々おしゃべりできるってことも分かってなかったんです。

私の最初のカキコミにレスをつけて下さった方もいらしたかもしれないのですが、本当に失礼なことをしてしまいました。(>ごめんなさい)

このサイトと出会って、世の中にはこんなにも沢山の大人のバレエ愛好者がいるんだ!ということを知りました。このサイトに背中を押されるようにして、「気を取り直し」、また定期的にレッスンが出来るようになっていきました。(>細々ではありましたが)

舞台を重ねる (3)-N教室での2回目の発表会

N教室での初めての発表会から、時は流れて、第2回目の発表会の「お知らせ」をいただきました。第1回目の時はとまどったけれど、今度は少し様子が分かったから大丈夫かな?

この時は夜の大人クラスからは2組出ました。 ポアント組とバレエシューズ組。私はバレエシューズ組。

発表会の練習に入ると、N教室では、ポアント組でない限り履かなくなっちゃうし、当時はN教室の舞台が近くなるとR教室にはご無沙汰、R教室の舞台が近くなるとN教室にはご無沙汰…となっちゃう状態だったので、N教室の舞台が近くなると数ヶ月ポアントを履かない生活になってしまっていました。

2回目の作品は、N先生の振り付けで、すっごくステキだった。私、この作品今でもすごく好き。最初、3角形に並んだ9人(だったと思う)が、夕日を見ながら、3角形のまま後ろに下がって行くところから始まります。照明も夕焼けっぽくて、衣裳も夕焼けっぽくて、音楽もまた良かった。

この作品はすごく好きだった。

ぽつぽつと話せる友達も少しずつ出来、初めての発表会の時よりは、教室になじみつつあったとはいえ、でも、やっぱりまだまだ最初にバレエを習ったT教室の発表会のような「一体感」からはほど遠く、自分が「みんなから浮いている」ような感じはぬぐえませんでした。

まぁ、これ、相変わらず、私の場合、所属クラスで普段一緒に練習している人と、発表会で踊る人のメンツが違っている(>普段初等科で練習してるけど、一緒に出る人は初心者クラスで練習してる人が多かった)という「物理的」な問題もあったとは思います。

そして、私自身まだ、「教室のしくみ」とか「雰囲気」とか「慣行」とか、そういうのがよく分かってなかった…。それでも、さすがに、「発表会前はレッスンを週2回にする」というか、「週1回」ということで入門したけれど、発表会前は「週2回」 のお月謝にしていただく、という風にだけはしました。N教室では、「今月は週3回で」とか、「今月は忙しいのでチケット制で」とか、そういう「融通」がすごくきくんですけど、そういう一つ一つのことも、「分かる」のに案外時間がかかるものです。長くいる人には当たり前のことでも、新人にはよく分からない。

Qもまだ小さく、相変わらず忙しい中での出演だったので、自分の心に「余裕」がない…というのもあったでしょう。この頃の私は、自分の回りを色々な物がざ~ざ~と流れていくのだけれど、日々の仕事をこなし、Qを保育園に送り迎えし、Qに食事をさせ、Qと遊び、眠らせ…という、そのことだけでもかなり「手一杯」で、自分の回りを流れていく物が「目に入らない」状態だったなぁと思います。

だから、きっと、教室のみんなや、一緒に踊った人からすれば「謎」の人だったと思う。

しかも、私、「私」というスケールで見れば、1年中コンスタントに週1をキープするためにすごく「頑張っている」んだけど、N教室の人から見れば、「秋・冬はほとんど来ない人」で、「発表会前になると突然来る人」だったんだよね。(>最も嫌われるタイプかも…)

秋・冬はR教室のVa大会の練習があったから、そっちに行くと、どうしてもN教室に顔を出す余裕がなかったんです。

そんな感じで、自分の方からも「壁」を作っていたこともあるし、まわりも多分私に不信感を持ってただろうし、この時の作品もとても大好きな作品だったけど、自分とみんなの間には、ベールが1枚かかっているような感じで踊っていたかもな~と思います。大好きな作品だっただけに、ちょっと残念…。

ただ、もう一つ言えることは、当時は、一緒に踊っていた人たちも「大人から」組が多かったので、「余裕がなかった」ということ。一緒に踊るって、「一緒に踊る技術」が必要なんだよね。一応、自分の振りは押さえた上で、まわりのことも「気にしながら」「感じながら」踊るって…。舞台経験もある程度重ねないと、そういう「技術」って身についてこない。

私にもそういう「技術」が不足していたし、みんなにもそういう「技術」が不足していた…というのもあるかなぁ…と思う。(>違っていたらごめんなさい)

たとえば、T教室の子ども達なら「自然に」身についている、「後列の人が合わせる」(後ろに目はないから)というようなことも、前列の人がちょっと間違った位置に立ってしまった時に後列の人が「調節する」ということはせず、「あれ? ここでいいんだよね!」「間違えたのは前列の人よね」というようなこと…。

今となれば、「そういうことを分かる」って時間もかかるし、それも「技術」なので身につけるのは大変なんだ(>もちろん私がそういうこと出来てた訳じゃないけど。そして今も出来ないけど)、と思うけど、当時の私は、けっこうそういう一つ一つに傷ついてしまっていました。

「大人のバレエ」って、そういうところにも隠れた「ネック」があるんだなぁと思う。

舞台を重ねる (2)-R教室での2回目のVa大会:ポアントで「コッペリア」 

で、そうこうしているうちに、Va大会の申し込み用紙が…。

かつてQを出産して2年後に1回出たことのあるVa大会。あの時は大人のクラスからはたった1人の出場で、しかも、まだまだ育児に振り回されていたので、本当にドタバタの中で無理矢理出てしまったVa大会でした。

当時はそもそも大人のレッスンではポアントを履く機会がなかったので、当然のことながら私はバレエシューズでの出場でした。

でも、今度は「大人のポアント」が出来たので、履ける人はポアントで出場するということ。しかも、大人も何人か出場するということで、心強い。

何にしようかなぁ…と思ったのだけれど、N教室への入会待ちで、カルチャーに通った時に練習した「コッペリア」なら一度振りを覚えたから楽かなぁ…と思って、先生に「コッペリアはどうでしょう?」と聞くと、「いいんじゃないかしら」とのこと。

よし! 頑張るぞ!

…ところが、振り写しが始まってみると、カルチャーで習った振りと、R教室で採用している振りが全然違う! あちゃ~!

で、一から覚えることに…。

R教室の振りは、ず~っとポアントで立ってるやつです。ひゃ~、きついよぉ。でも、先生は、「ず~っと立ってる方が立ったり降りたりするよりずっと楽なのよ」とおっしゃる。うぅぅ、ほんとにこんなにずっと立ってることが出来るのか? こんなはずではなかった!

「やれば出来る」というか「やらなければいつまでも出来ない」というか、それでも、練習を重ねているうちに、だんだん、ずっと立ってるのがあまり辛くなくなってきました。

振りは、ずいぶんと簡単にしていただいていて、難しい大技は全部カットでしたが、それでも私には充分難しく、かなり「必死の形相」で踊っていたのではないかなぁと思う。

前回は、巻スカを買いに行く余裕もなかったけれど、今回は、巻スカも用意周到ちゃんと用意することが出来ました。うす紫色のノースリーブのレオタードに、同じ系統の花柄のスカート。

この会は「お勉強会」ということで、写真もビデオもない、簡単な会なので、当時の私がどんなにひどい状態で踊っていたかという「証拠」はないのですが、今、つらつら思うに、かなりのひどさではなかったかと思います。でも、とにかく、ポアントで Va(の簡単バージョン)を踊る機会をいただけたのは、私にとっては、とても大きな収穫でした。

「ポアントで踊る」だけがバレエじゃないけど、「ポアントで踊る」と、やっぱりなんとなく「バレエをやった!」という気持ちになる…というか。とりあえず、ポアントで踊ることが出来た!という充足感や満足感がありました。

A先生からは、「この踊りを通じてずいぶん脚が強くなりましたね」と言っていただきました。「まだまだ」なバレエではあったし、あるけれど、こうやって舞台を経るごとに、一つずつ階段を上がっていける…ということはあるのだと思います。

大人が1人じゃないっていうのもとてもうれしかったです。また、イギリス留学の前は夜のクラスに出ていたのですが、帰国後は朝のクラスに出るようになって、すると、みなさんでお昼を一緒に食べたりする機会もあり、友達が出来たのもうれしかった。みなさん、バレエ体温の高い方ばかりで、色々バレエ談義出来るのも楽しく、また、子育ての情報交換が出来るのも「子育て初心者マーク」の私にはありがたかったです。

舞台を重ねる (1)-R教室の「大人のポアント」レッスン 

なんとか無事にN教室で舞台復帰を果たし、その後も週1回を何とか確保…という感じの細々ペースではあったけれど、淡々とレッスンを重ねていました。

そうこうしているうちに、R教室に「大人のポアント」のレッスンが始まったんです。「大人でもポアントを履きたい!」と、レッスンメイトが先生に訴えて、作ってもらったクラスです。通常のクラスの後に希望者だけ、別料金で15~30分のポアントのレッスンが提供されることになったんです。

バーに掴まって、ポアントワークを基礎から教えていただきます。これ、私、すごくためになりました。

そもそも、出産後レッスン復帰してからは、ポアントを履く機会そのものがほとんどなかったので、ポアントを定期的に履けるということ自体がうれしかった。

で、私の場合、ポアントワークは、自分で「大人のポアント基礎」のコースにも通ったりはしていたけれど、基本的には「見よう見まね」で身につけてきた部分が大きく、「よく分かってない」けど「なんとなくやってる」というのがいっぱいあったんですよね。

そんな訳で、ポアントワークを「一から」教えていただけるというのは、とても貴重な機会で、「あぁ、そうだったのか。間違って覚えていた」ということがいっぱいありました。

ただ、「えいや!」とやってしまうことの「良さ」も皆無ではなく、私は「脚が強い」とよく言われるけど、それは多分、T教室で「えいや!」と量をこなしていたため、というのがあると思うんです。先生達は「なんとなく」でもいいから、とにかく動いて!とよくおっしゃるけれど、私が、ちゃんとは動けなくても、なんか良く分からなくても、レッスンで「なんとなく」動けるのは(>ひどく間違っていたりするけど)、それはやっぱり、「えいや!」とやってきた結果身につけてきたことだと思うんです。

基礎を丁寧に重ねている、ということが、「遠くへ」行くための「近道」ではあるのだと思うけれど、先に「遠くへ」行ってから「少し後戻りして」もう一度足固めする、というのも、それはそれで悪くない。

あるいは、「仕方ない」。基礎から1つずつ一貫して上に導いてもらえる教室にずっと所属し続ける、ということが大人には出来ないことも多いから。転勤・引っ越しなどで、「えいや!」の教室しか通えなくなって、その後また事情が代って「基礎をしっかり」の教室にしか通えなくなって…というような「ジグザグ」が避けられない場合も多い。

そんな時、それぞれの良さを上手に「結び付け」そして「積み重ねて行く」というのが大事だと思います。

私の場合は、とりあえず、行ける能力がないのに、しゃかしゃかと「遠くへ」行ってしまったので、道が穴ぼこだらけで、後戻りして、その穴を一つずつ埋めていくしか他に手がない…という感じですね。

R教室で、本当に基礎から大切に大切に一歩ずつ進んでいるレッスンメイトがいて、時々、「私も彼女みたいに基礎から一歩ずつ積み重ねて進んできたかったなぁ」と思うこともある。でも、後戻りは出来ないし、私は私で、「えいや!」とやらせてもらってしまった「良さ」を何とか生かしていくしかないのだと思う。

…という訳で、このR教室の「大人のポアント」のレッスンは私にとってはとても大切なものとなりました。