舞台を重ねる (3)-N教室での2回目の発表会

N教室での初めての発表会から、時は流れて、第2回目の発表会の「お知らせ」をいただきました。第1回目の時はとまどったけれど、今度は少し様子が分かったから大丈夫かな?

この時は夜の大人クラスからは2組出ました。 ポアント組とバレエシューズ組。私はバレエシューズ組。

発表会の練習に入ると、N教室では、ポアント組でない限り履かなくなっちゃうし、当時はN教室の舞台が近くなるとR教室にはご無沙汰、R教室の舞台が近くなるとN教室にはご無沙汰…となっちゃう状態だったので、N教室の舞台が近くなると数ヶ月ポアントを履かない生活になってしまっていました。

2回目の作品は、N先生の振り付けで、すっごくステキだった。私、この作品今でもすごく好き。最初、3角形に並んだ9人(だったと思う)が、夕日を見ながら、3角形のまま後ろに下がって行くところから始まります。照明も夕焼けっぽくて、衣裳も夕焼けっぽくて、音楽もまた良かった。

この作品はすごく好きだった。

ぽつぽつと話せる友達も少しずつ出来、初めての発表会の時よりは、教室になじみつつあったとはいえ、でも、やっぱりまだまだ最初にバレエを習ったT教室の発表会のような「一体感」からはほど遠く、自分が「みんなから浮いている」ような感じはぬぐえませんでした。

まぁ、これ、相変わらず、私の場合、所属クラスで普段一緒に練習している人と、発表会で踊る人のメンツが違っている(>普段初等科で練習してるけど、一緒に出る人は初心者クラスで練習してる人が多かった)という「物理的」な問題もあったとは思います。

そして、私自身まだ、「教室のしくみ」とか「雰囲気」とか「慣行」とか、そういうのがよく分かってなかった…。それでも、さすがに、「発表会前はレッスンを週2回にする」というか、「週1回」ということで入門したけれど、発表会前は「週2回」 のお月謝にしていただく、という風にだけはしました。N教室では、「今月は週3回で」とか、「今月は忙しいのでチケット制で」とか、そういう「融通」がすごくきくんですけど、そういう一つ一つのことも、「分かる」のに案外時間がかかるものです。長くいる人には当たり前のことでも、新人にはよく分からない。

Qもまだ小さく、相変わらず忙しい中での出演だったので、自分の心に「余裕」がない…というのもあったでしょう。この頃の私は、自分の回りを色々な物がざ~ざ~と流れていくのだけれど、日々の仕事をこなし、Qを保育園に送り迎えし、Qに食事をさせ、Qと遊び、眠らせ…という、そのことだけでもかなり「手一杯」で、自分の回りを流れていく物が「目に入らない」状態だったなぁと思います。

だから、きっと、教室のみんなや、一緒に踊った人からすれば「謎」の人だったと思う。

しかも、私、「私」というスケールで見れば、1年中コンスタントに週1をキープするためにすごく「頑張っている」んだけど、N教室の人から見れば、「秋・冬はほとんど来ない人」で、「発表会前になると突然来る人」だったんだよね。(>最も嫌われるタイプかも…)

秋・冬はR教室のVa大会の練習があったから、そっちに行くと、どうしてもN教室に顔を出す余裕がなかったんです。

そんな感じで、自分の方からも「壁」を作っていたこともあるし、まわりも多分私に不信感を持ってただろうし、この時の作品もとても大好きな作品だったけど、自分とみんなの間には、ベールが1枚かかっているような感じで踊っていたかもな~と思います。大好きな作品だっただけに、ちょっと残念…。

ただ、もう一つ言えることは、当時は、一緒に踊っていた人たちも「大人から」組が多かったので、「余裕がなかった」ということ。一緒に踊るって、「一緒に踊る技術」が必要なんだよね。一応、自分の振りは押さえた上で、まわりのことも「気にしながら」「感じながら」踊るって…。舞台経験もある程度重ねないと、そういう「技術」って身についてこない。

私にもそういう「技術」が不足していたし、みんなにもそういう「技術」が不足していた…というのもあるかなぁ…と思う。(>違っていたらごめんなさい)

たとえば、T教室の子ども達なら「自然に」身についている、「後列の人が合わせる」(後ろに目はないから)というようなことも、前列の人がちょっと間違った位置に立ってしまった時に後列の人が「調節する」ということはせず、「あれ? ここでいいんだよね!」「間違えたのは前列の人よね」というようなこと…。

今となれば、「そういうことを分かる」って時間もかかるし、それも「技術」なので身につけるのは大変なんだ(>もちろん私がそういうこと出来てた訳じゃないけど。そして今も出来ないけど)、と思うけど、当時の私は、けっこうそういう一つ一つに傷ついてしまっていました。

「大人のバレエ」って、そういうところにも隠れた「ネック」があるんだなぁと思う。