夢のような日々(19)-夢の終わり

さて、そうやってまた半年くらい通常レッスンとアダージオのレッスンを重ねているうちに、T教室での8回目の発表会の練習が始まりました。今度は白鳥! わ~い! 白鳥やりたかったの~。あの頭がちょっとやだけど。

で、有名な、あまりにも有名な音楽に合わせて、コールドの練習が始まりました。いよいよ白鳥かぁ…。バレエやったら、誰でも白鳥踊りたいですよねぇ…。うれしいなぁ。ようやく白鳥だ…。

ところが!!!! 練習が始まって間もなく、「ご懐妊」が発覚。

新しい職場でもほぼ3年間勤め、自分の仕事も少し落ちついてきて精神的に余裕も出てきて、もちろん仕事はまだまだだけど、今なら子どもを持っても仕事がダメになっちゃうことはないかも…と思い始めた矢先のこと。それまでは、子どものいる人生は考えられなかった。仕事の上での地位固めがあまりに大変で・…。

子どもがいてもいいかもぉ…って思ったとたんに「ご懐妊」。まぁ、ラッキーと言えばラッキーだけど(なかなか子どもが出来なくて苦労される方も多いのだから)。

妊娠が分かった時、もちろん嬉しかったけど、「え~、今年白鳥なのにぃ」と思ったのも事実(>Q ごめんね~)。でも、幸いだったのは、発表会の練習が始まったばかりだったこと。みんなに迷惑かけずにすみました。

妊娠がまだ分かってない時にも何度もレッスンして、グランジュッテとかしまくってたので、あとでヒヤリとしました。友達にそのことを言ったら、「(Qの)絶対に生まれてやるっていう強い意志を感じるわ~。お母さんが飛んでも跳ねても子宮の中にしがみついてたのね~。けなげ~。あなたぜ~ったいに安産よ!」と言われました。「絶対に生まれてやるっていう意志」ね~。そうかも…。

私は妊娠してもすぐにバレエをやめるつもりはなかったんですが(妊娠してもテニスしてた友達もいたし)、T先生に妊娠したことをお話しすると、「まぁ、おめでとう。よかったわね~」とすごく喜んでくださいました。どうも、先生、私が子どもなかなか授からなかったと思ってたフシもあり(でも、そんなこと一言もおっしゃらなかったのは、さすがに思いやりの深い方です)、「安定期に入ったらまたレッスンに来ます」という私に「だめよ、だめだめ。せっかく授かった赤ちゃんなんだから、大事にしなくちゃ…」っておっしゃって…。

出産後引っ越したりしたので、結局、T教室とはお別れすることになってしまいました。