5回目の発表会が終わって、すぐ、先生から「アダージオ・クラスに出てみない?」といわれました。え、うそ!!!!!!
T教室は、T先生の息子(TJr.先生)もバレエの道に進み、先生をしていたので、他の教室と違って、男性の先生の「手配」っていうようなことの苦労は少なく、そのためか、子どもたちも比較的早い段階からアダージオの練習をさせてもらってました。また、18歳ぐらいで始めた人や再開組みの人たちもある程度になればアダージオのクラ
スに出してもらい、発表会でも男性と組んで踊ってました。
でも、だからって…29歳で始めた私が???? 本当にいいの???? 信じられない!!!! こんな年になって始めた私が、男性と組んで踊っちゃうの????
びっくりしたけど、うれしかった。私はどこか自分の中で「自分はおマメ」(子どもの遊びなんかで数に入ってない子のことね。まだ小さすぎてちゃんと「勝負」できないから、入れてはあげるけど、ちゃんとルールにのっとって「勝負」する訳じゃない人。ひょっとすると、関東以外では別の言い方かもしれないから、念のため)、と思ってるのに(本物の大人で始めたということで)、先生はいつも「ワン・オブ・ゼム」に入れて下さってるのよね。
で、出していただくことにしました。T教室のアダージオ・クラスは、女性3~4人くらいで1クラスになります。そういう小グループがいくつかあり、私は、今度始めてアダージオをやるという中学生2人と一緒のクラスになりました。
日曜日午前中のレッスンが終わると、3人で喫茶店でお昼を食べて教室に戻ります。そして、もう1度バーをやって、いくつかアンシェヌマンやって、そして、男性と組む練習。ピルエット、プロムナード、リフトなど、基本的なものをいくつかやって、最後に実際の作品を少しずつ練習する。最初は「白鳥」をやりました。
いや~、ほんと楽しかったです。男性に回してもらえば、自分だけでは絶対に回れない回数回れるし、リフトで持ち上げてもらうの、すっごく気持ちいい。私はチビだから、視点が高くなるだけで、なんかうれしくなっちゃうのよね。
当時は、こんな機会が持てたことが、いかに「あり得ない」ぐらい恵まれたことか、という自覚はなかったんですが、これはもう、破格な「幸運」だったと思います。
もう一生、アダージオをやることはないと思うけど、この時の「思い出」は私の一生の宝…。大切に大切にしたいと思っています。