バレエとの出会い(2)

「大人になってもバレエを始めることが出来る」ということを知った私が次にしたことは、教室選び。

当時はまだ大人のバレエはさかんではなかったのだけれど、少しずつ大人のバレエ・ブームが始まりかけていた頃だったのかもしれません。バレエ関係の本の出版なども少しずつ盛んになってきていました。

私 が参考にしたのは、マーゴット・フォンテンの『バレリーナの世界』でした。その本の中で、彼女はバレエの先生を選ぶ時の注意点に言及していました。当時私 は実家の近くに住んでおり、小学生の頃友達が通っていたバレエ教室(で、私も行きたかったけど行かせてもらえなかったところ)が、通うのに便利なところに ありました。その教室、T教室の案内を読む限りでは、マーゴット・フォンテンがあげた 「通っても良い教室」の条件をほぼ満たしていると思えたので、大人を受け入れてくれるかどうか、問い合わせ、先生をお訪ねました。

当時す でに結婚していたのですが(学生結婚)、夫もつきそって来てくれました。私の夫は、かなり「バター顔」(古いなぁ)で、欧米人っぽい体つきです。東北出身 なので多分ロシアの血が先祖のどこかで混ざっているのではないかと思います。T先生は「大人でも大丈夫ですよ」と力強く私に言ってくださったのですが、私 よりは夫の方にずっと興味を示し(ロシアのダンサーっていう顔つきと体つきなので)、「ご主人もいかが?」としきりに勧誘していました。残念ながら入門し たのは私だけでしたが。

当時29歳になったばかりの私はこうしてバレエを始めたのです。