私がバレエを始めたのは、今を遡ること十数年前のこと。当時私は大学院の学生で、英会話学校に通っていました。
あ る日英会話のクラスが終わって、帰る方向が一緒のクラスメートの1人と電車の中で一緒になりました。彼女はかつてはプロのバレリーナとして舞台に立ってい た人ですが、「教え」の方に転身するため、イギリスに留学しRADの資格を取って帰国したばかりでした。彼女はRADのもっと上級の資格も狙っていたの で、その後も英語で試験を受けつづけなければならず、英語をブラッシュアップするために、そのクラスに通っていたのです。
たわいないお しゃべりが続く中、私は、ほんの話の「接ぎ穂」のような感じで、 「私、小さい頃バレエが習いたかったんだけど、習わせてもらえなかったんですよね。大人になってからじゃ無理ですよね」と言いました。私が予測していた答 えは 「もちろん無理です」というもので、これはまぁ、「質問」というよりは、単なる会話をはずませるための「挿入句」みたいなつもりでした。
でも、彼女の答えは私の予測とは180度違って、「あら、プロを目指すんじゃなければ何歳からでも始められるわよ」というものでした。
これで私の人生変わっちゃったんですよねぇ。