夢のような日々 (1)- 初レッスン

遠い昔の初レッスンの日、どんな風だったかは、実は、良く覚えていません。いきなり5番がキッチリ入ったので(といっても足首から先だけなので、これは「きっちり」とは言いませんね)、助教の先生が、「すご~い!」と誉めてくれて、そのことは覚えてます。今思うとみんなが「誉め上手」な教室だったな~。

 「だんだん慣れてくるから、前の人のを見てやってね」と言われて、とにかく見よう見真似でやってました。T教室には大人のクラスがなかったので、私は中学生以上の子どもたちの「ジュニア・クラス」に参加させていただいていました。そのクラスには高校生や大学生のうちの上手な子たちが所属する「高等科」の生徒や助教の先生
たちも参加していました。

 「とにかくやっちゃう」っていう感じ。バーもいきなりかなり複雑だったし、今思えば、フロアもいきなり複雑だったし、どうやってやってたんだろ????って思いますけど。でも、みんながポアントに履きかえる間なんかを利用して、T先生が私だけ「補講」をして下さり、だんだんパの名前を覚えて行きました。

私以外は全員が子どもの頃からやってた人ばかり。「大人で始めた」という人もいたことにはいたのですが、始めたのはみんな18歳くらいの時。私みたいに「本物」の大人になってから始めた人はいませんでした。大人からの再開組も何人かいました。

そんな環境だったから、「出来ない」ということにコンプレックスを持つこともなく、ただただ「バレエを始めることが出来た」ということが幸せで、毎週レッスンが楽しみで仕方ありませんでした。