剣道と私 (5)―恐怖の夏休み!

夏休みからは、いよいよ、防具をつけて、稽古をすることになった。わーい!!!

ところが!!!!

防具をつけて、「打つ」ばっかじゃなくて、自分も「打たれる」ことになってみたら、これが痛いのよ!!!!

知らなかった!!!

知ってろよ!!!って感じだが。

剣道は、打つ瞬間に、雑巾を絞るように竹刀を握っている手を絞り込む。ところが、1年生の初心者はこれが出来ていない。なので、1年生だけで、互いに「打ち込み」の練習をすると、すっごーく痛い!!!!

これ、上手な人だと、打ち込まれてもここまで痛くないんだが、上手な人たちは上手な人ち同士で練習する必要もあるし、上手な人は私たちとやる時は「打たれ役」に回って、私たちを「打ち込み台」にしないので、上手な人ならこんなに痛くないっていう「比較」もする機会がない。

そして、防具が臭い!!!!

これも、知ってろよ!!!という感じだが、私は、剣道って、なんか「さわやかで清潔」なイメージがあったのだ。

高校に入って運動するなら武道かな?と思った時、「柔道ってなんか不潔そうだし」と思ったのだが、柔道の方がよっぽど清潔。だって、防具って、肌に直接触れてるのに洗濯しないんだよぉ!!!! 柔道の方がずーっと清潔!

という訳で、夏休みの練習は、毎回、「あぁぁぁ、なんで剣道部なんかに入っちゃったのかなぁ」と思い、とりあえずはバスに乗るのだが、バスに乗っている間中ずーっと、「このバス降りたら帰ろう」と思っている。でも、やっぱり乗り換えて次のバスに乗ってしまう。で、「このバス降りたら今度こそ帰るぞ!」と思うのに、やっぱり行ってしまう。

学校について更衣室に行く。着替えないで帰ろうと思うのに、着替えてしまう。体育館に行く前に帰ろうと思うのに行ってしまう。防具をつけてる間も、この防具つけたら、「やっぱり帰りますって言おう」と、思うのだが、立ち上がって練習に入ってしまう。

打たれて痛いのはイヤ!!!!っていうのはあったのだけれど、でも、それでも、すでになにがしかの剣道の面白さというものにはまっていたのかもしれない。