韓流にはまる (6)-韓国の姑って強い!

韓国においては、お姑さんの立場はTVドラマを見る限りは日本より強そう。

サンヒョクのお母さんは、「だいたい私はユジンと結婚することなんて最初から反対ですからね!」とかハッキリ言うし、ユジンの前でも失礼なことを言いまくりである。「姑」という立場に守られた女は何をやっても許される、という傍若無人ぶりである。

イギリス留学した時の「留学前英語研修」の時、寮の同じフラット(>ダイニングキッチン+バス+シャワー+トイレを共有し、それに数室の個室がつく)に滞在した韓国の女の子が、「韓国ではいまだに男性重視の社会だから、結婚して女の子を産んだら、お姑さんは口もきいてくれないのよ」と言っていた。まぁ、10年も前の話だから、今はずいぶんと変わっているんだろうけど。

同じ女性であり、出産の大変さを知っていながら、女の子を産んだ嫁に対して「口もきかない」という態度をとっても、それが「当然」のこととして許される社会的雰囲気が少なくとも当時はあったということなのだろう。

韓国においては、お姑さん(>息子の母)の地位は磐石である。

「韓国のお姑さんってこわいよねー」「ほんとだよねー」「すごいよねー」と「おしゃべりタイム」にひとしきり盛り上がる。

でもさ、あんな風に言いたい放題言えるってのもいいな。ヘンに遠慮したり腹にためないで、言いたいことはハッキリ言う。もし、嫁さんの方も思った通りのことが言えるなら、かえって良い関係が作れるかも、と思ったりもした。

息子を持つ母である私としては、「男の子を産んだ」というただそれだけのことで、あれだけ好き放題出来るというのは、ちょっと「うらやましい」気もする。

まぁ、「男の子を産む」は「努力して」手に入れるものではないので、そういう「たまたま」で「いばっていい」人と「そうじゃない」人が出来るのはどうかと思うけど、私の場合「たまたま」「男の子を産む」を達成してしまった訳で、韓国であれば強い「武器」となるものを手中に持っている訳である。

それだけのことで、お嫁さん「いじめまくり」「いばりまくり」が出来るんだよ。

「男の子を産んだ」が韓国では「権力」になるのだ。日本にいれば「どってことのない」「男の子を産んだ」という「事実」が、韓国に行けば、「おおいばり」の「偉業」になる。

最近知ったのだが、これには韓国の家族法が関係しているのだろう。韓国の家族法は最近「家長制度」を廃止したばかりだ。韓流ドラマを見ていると時々「家長」という言葉が出て来るし、韓流スターのインタビュー記事を読んでいると、同じく「家長」という言葉が出て来る。韓国においては、家の中に「男子」がいない、ということがとてもオオゴトになってしまうのだ。

韓国の大学の先生の講演でこの話を学んだのだが、彼女の兄弟は女の子ばかり。で、アメリカ留学しようと思って戸籍を取り寄せたらそこに、父親が認知した男の子が記載されていた。その男の子の話は聞いたこともなかったし、もちろんその子に会ったこともない。でも、父親が死ねば、父親とずーっと一緒に住んで時を共有してきた、彼女やその姉妹や母親を飛び越えて、その男の子が「家長」になるのだ。

この制度もようやく廃止されたか、すぐに廃止されることになったそうで、これによって韓流ドラマのお姑さんの描かれ方も今後変わっていくかもしれない。