舞台を重ねる (18)-N教室での6回目の発表会

6回目の発表会は、初めてS先生の振り付けで踊ることになりました。

レッスンにおいても大きな声で、身体をめいっぱい使って全力疾走で教えて下さるK先生に対し、おっとり優しく優雅なS先生。

踊りにおいても、切れ味が良く、テクニックが強いK先生(>でも、可愛い系、優雅系もOK)に対し、上半身の使い方がとてもすてきで雰囲気のあるS先生。

N先生から助教の先生に大人の振り付けが移って以来、私たちはずっとK先生の振り付けで踊っていました。

でも、「今年はS先生なんだって」というニュースに、私たちは、「うわー、楽しみ!」となりました。

K先生の振り付けもステキだけれど、「新しい体験」というのもまた胸踊るもの…。

これを機会にS先生から上半身の使い方をうんと習いたいなぁという気持ちもありました。

私たちの期待どおり、雰囲気のある、大人っぽい、優雅ですてきな振り付けでした。(>が、私が作品の雰囲気どおりに踊れていたかどうかは疑問)

K先生の指導もとても細かくてきちんとしているんだけれど、S先生の指導は、ちょっとした「目からウロコ」の「踊るコツ」みたいなのを沢山伝授して下さり、すごーくためになりました。

色々な先生から習うと、バレエを「多角的に」学べて、すごく良い経験になります。

上半身の使い方もいっぱい教えていただいて(>が、いまだになかなかうまく使えません)、とっても楽しく踊れました。

このあたりから、N教室でも、みんなといろいろな話が出来るようになってきて、そういう意味での「踊りやすさ」もぐっと増して来た感じです。

「一緒に踊っている」という感じが、ようやく持てるようになってきたっていうか…。みんなで一緒に「一緒に踊る」っていうことをひとつひとつ学んで来たっていうか…。

多分そういうことなんだと思うんだけれど、「一緒に踊る」も「訓練」が必要なんですよね。

何年もかかって、ようやく「踊る仲間」になれてきたなぁっていうか、そんな感じがします。

それは、長く同じ教室に通っているので「仲良くなる」というのと重なる部分もあるけれど、それよりは、「バレエ」という「場」における「一緒に踊る」とはどういうことか?というのが、私たちひとりひとりに少しずつ理解出来てきたっていうか、そういうことなんだと思います。

T教室では、「一緒に踊る」経験をいっぱい積んだ子供達に助けられて踊っていた私ですが、イーブンな関係で「一緒に踊る」を手探りで学んで、ようやくみんなしてここまで来れたんだなぁっていうか、そんな感慨があります。

舞台という「場」で「仲良く踊る」というのは、実は「鍛練」が必要なのだ、と、今改めて思います。

それは、「みんなで頑張ろうね!」という、事前の「雰囲気作り」も含めてそうです。

「自分の踊りでいっぱいいっぱい」の間は、なかなかそこまで気が回らないという部分があります。

それが、少しずつ「みんなで踊る」難しさと楽しさというのが分かってくる。

「みんなで踊る」楽しさを満喫するためにも、「バレエが好き」っていうみんなの気持ちを「つなげて行こう」っていう、そういう態度っていうか姿勢っていうのがだんだん出てくるというか…。

私たちは一歩ずつ、みんなで、そんなことを学んで来たんだ、という気がするんです。