舞台を重ねる (14)-まさかの幕物第1弾:「眠りの森の美女」

妊娠・出産でバレエをお休みし、子育てと仕事の両立が可能なように職場の近くに引越してR教室でバレエに復帰した時、私のバレエ・ライフは妊娠前とは全く違ったものになった。子育てしながら超細々と「続けるだけ」の日々を経て、舞台には復帰したものの、最初にバレエを習ったT教室の時のように、幕物の練習に割けるような時間的余裕はもはやなかった。

私が選んだR教室とN教室の発表会は上手な子たち中心の発表会の組み立てになっており、発表会の幕物に「大人から」組が出るということはなかった。N教室の場合は、大人で幕物に出る人もいるにはいたが、それは再開組か、「大人から」と言っても高校生・大学生から始めた人に限られていた。(R教室についてはその後、「大人から」組も幕物に出られるようになっていった。「大人」パワーが教室を変えることがある、という実例である)

もう、以前のようには時間が自由にならないので、私は大人は小品をひとつ踊るだけっていうそういうタイプの教室を選んだ。だから、これは「自ら選んだ道」。

ところが! 数年前のことになるのだが、「たまたま」中学生以上の子どもの数が「足りない!」という年があって、N教室の発表会の幕物に大人クラスも動員される、という出来事があった。「眠りの森の美女」だった。3幕の結婚の場のお客様の貴族の女性の役である。マズルカを含め、ちゃんと踊る場面もあった。

もう、幕物は一生踊ることはないだろう、と思っていたので、すごくうれしかった。わーい!!! マイムもちょっとだけあるぞ!(>マイム好き!)

靴はブーツになるのか、バレエ・シューズになるのか、いろいろ話は紆余曲折あったが、結局ポアントだった。衣裳も可愛い!

結婚式の場面で、王様と王妃が入って来るのをお迎えして、そこでマズルカを踊り、最後にまたコーダを踊る。大人組も中学生の子たちと一緒に踊った。

「お話」の一部となって踊るのって楽しい。幕物ってやっぱいいなぁ…。

マズルカというのは、3拍目にアクセントがあるっていうのも、ここで踊って初めて分かった。3拍目は一番高く、強く飛ぶのだ。そうだったのかぁ。

ショパンのマズルカを改めて弾いてみるのもいいかも…。

私は、N教室では新参者だけど、幕物の経験はけっこうある。だから、青い鳥や猫が踊っている間は、大人組はイスに座ったり、立ったりしてそれを見ているんだけど、その間のマイムも「リードする」立場で頑張ろう!と(>内心)思った。

T先生がおっしゃったように、舞台は、実は、踊っている人のまわりに立っている人たちのレベルで質が決まる、というのもある。踊りで貢献できなくても、踊っている人の踊りを盛り上げる形で、舞台の成功に貢献できれば、と思った。

実際そうできたかどうかは不明だけれど。

もう二度と訪れないと思っていた、夢の世界に、またひたることが出来た。幸せ!