舞台を重ねる (13)-N教室での5回目の発表会

ポアントでの2回目の発表会。この時は、「白鳥」の中の各国の姫の踊りだった。「そ~~~ふぁ~~みれ~どっ」っていうやつね。

バレエの有名な幕物の中の踊りをそのまま(>って振りは易しくしてあるけれど)小品として踊るのはN教室では始めてだ。これまでは全部先生が新しく振りつけて下さったものだったから。

幕物の場合は、その踊りがどういう状況で踊られるのか、登場人物はどういう気持ちになっているか(>もちろんそこで解釈が分かれることもあろうが)、というのがあらかじめ分かっているので、気持ちは作りやすい。

しかも、この踊りは、王子に「私、私、私をよろしく~」とアピールする踊りなので、もちろん線を揃えるとか、そういうのは考えないといけないけど、「気持ちを合わせる」という部分については、むしろ「私、私」で前に出てっていいので、逆に気が楽だったかも。

この時期になると、一緒に踊る仲間とも多少は気心が知れてきてはいるのだけれど、私的には、まだまだ最初のT教室みたいになじめてない感じがあったので、すれ違った時に「目を合わせる」とか「微笑む」という、そういうのがないのが、精神的に淋しかったのだ。

でも、この踊りの場合は、お互い「ふん!」でもいい訳で、常に、真ん中に王子様がいると想定して、オーラは王子様に向けて踊れば良かったので、そういう淋しさを気にしなくてすむので、その分、のびのび出来たかもしれない。

もちろん、「あら、やだ、ロシアの姫ってばあんなに媚売って。下品だわ!(>ぷんすか!)」というように、互いの気持ちの「絡み」は入るのかもしれなかったのだが、当時はそこまでは思いが及ばなかった。

私はこの音楽がすごく好きで、毎回の練習でこの音楽に合わせて踊れるという、そのこと自体がすごくうれしかった。好きな曲で踊れるというのは、それだけで幸せなことだ。

すでに何度か一緒に踊ったことがあるメンバーが中心なので、だいたいお互いのことも分かっていて、そういう意味でも、以前よりはずっと安心して踊れるようになってきた。

帰りにお茶をしたり、そういう機会も少しずつ増えて、ようやくN教室でも友達が出来はじめたというか…。

教室を変わって、そこの教室になじむって、本当に時間がかかる。私の場合は、クラス編成上の特殊な事情もあったので、本来かかる時間の2倍も3倍もかかってしまった、ということもあるんだろうけれど。

衣裳はお姫様っぽく清楚な白で、でもお姫様だから金糸が使われて豪華だった。衣裳が好き!も、どうしても、やる気に影響しちゃうよね。