ピアノと私 (1)-「結婚」という「キャリア」の罠

私がピアノを習い始めたのは3歳の時。最初は近くの若い女性のM先生に習いました。とても優しい先生でピアノを習いに行くというより、ピアノで遊んでもらうために行くっていう感じで楽しく通っていました。

…ところが!!!!

M先生が「結婚」される…ということで、お引越しもされることになり、その教室は閉鎖になってしまいました。突然放り出された私…。

まぁ、この後別の先生につくことにはなるのですが、私の幼い心の中には、「女性の先生は信用ならん。いつ結婚してどこかに行ってしまうとも限らん」という、「おやじ」あるいは「PTAのうるさい教育ママ」みたいな不信感が根付いた面があったりします。(>この後、5歳の頃、英語の教室にも通ったのですが、それも先生の結婚で閉鎖になったのでした)

「結婚」されたことは、その後M先生がピアノの先生を続けていらっしゃったとすれば、M先生の音楽を深めたという面もきっとあったでしょうし、続けてらっしゃらないとしても、M先生が個人として幸せになられたというたいへんお目出度い出来事ではあったのですが、「一生徒」としての当時の私にとっては子ども心に「見捨てられた」みたいな気分があったかも…。

M先生の長い一生の「キャリア」の中では「結婚」と「引越し」はほんの小さな「一こま」にすぎないのだけれど、それぞれの生徒にとっては「先生がいなくなる」というのは「大事件」だったりはします。