「プリエの罠:その1」でも書きましたが、とりあえずは、足のことを考えましょう。で、少し慣れてきたら、手にもチャレンジしてみましょう。
プリエしながら「手をつける」。足だけならともかく、手をつけると頭ぐちゃぐちゃ…になってしまう…。よく分かります。
でも、手も複雑に見えるけど、いくつかのパタンがあります。まずは、①「横(アラセンコンド)→下(アンバー)→前(アンナバン)」とまわす。ビギナー・クラスだったらこのパタンは良く使うんじゃないかな? すなわち、プリエ
しながら、横においた手を下に持ってきて今度は胸の前に持っていく。(ここで動画でもあると分かりやすいんですが…)
これを、プリエしながら、あるいはグランプリエしながらやる。両方一度にやると分からなくなっちゃうようなら、自宅で足だけ、手だけでやってみて、それから両方一度にやってみましょう。
まずは、これが一番簡単な手のパタン。複雑な手のパタンが来ても、「無視」して、このパタンで「やってしまう」という手もあります。実際、ありゃ~!!!となって混乱して何も出来なくなって「何もやらない」よりは、この一番簡単なパタンで「やる」方がお得です。先生が複雑な手のパタンを指示しても、結局このパタンでやってしまってる人、うちの教室には時々います。ただ間違えてるだけかもしれないけれど、意図的にやってるとすれば、「賢い」方法なんじゃないかと思います。
とりあえず、これで、「手は横に置いたまま足を頑張る」→「手は基本のパタンで押し通す」という2通りの「裏技」が出来ることになりました。この2つの「裏技」でしばらくやっていれば、少なくとも、プリエの足だけは「形を追う」
ことが出来るようになるでしょうし、「一番簡単なパタン」でポールドブラをつけてプリエをする、っていうのも、ある程度、「自信をもって」出来るようになると思います。
グランプリエの時の手はたいていこれです。ちょっと変則的なのもあるけれど、うちの教室だと、グランプリエの時の手は9割がたこれですね。
なので、プリエは、簡単なバージョンは、1)ドゥミ・プリエ1回(手は横のまま)→グラン・プリエ1回(手は「横→下→前→横」)、2)ドゥミ・プリエ2回(手は横のまま)→グラン・プリエ1回(手は「横→下→前→横」)、3)ドゥミ・プリエ1回(手は「横→下→前→横」→グラン・プリエ1回(手は「横→下→前→横」)、4)ドゥミ・プリエ1回(手は「横→下→前→横」→グラン・プリエ1回(手は「横→下→前→横」)の4つの組み合わせと考えて良いんじゃないでしょうか?
もっと複雑なポールドブラの時はこの4つの中から一番「近そう」なのを選んでやってしまってもいいんじゃないかな?
ただし、このシリーズの(1)に書いたように、先生の性格を良く見抜いた上でね。でも、たいていの先生なら、初心者が「混乱」するのはきっとよく理解されていると思います。だから、「一生懸命」オーラを出しながら、簡単バージョンにバージョン・ダウンしてやっても、それが「手抜き」でやってるのか、「少しでも上達しようとしてやってるのか」その戦略として、「オール・オア・ナッシング」ではなく「ゼロより1」の戦法を採用してるのね、ということは分かって下さると思います。
もちろん、こういうやり方はダメ!という先生が悪い先生ということではありません。教育には「100%正しい方法」というのはないのです。どの方法にも良い点と悪い点(弱い点)がある。だから、「こういうやり方はダメ!」という先生の下で勉強されれば、そういうやり方でこそ身につく何かが身につくのだと思います。