「真面目な」初学者のための~ (2)-プリエの罠:その1 

私がバレエを始めたばかりのころ、何に「ひっかかった」かなぁ…? それをレッスンで出てくるパの順に解きおこしてみようかと思います。で、私はそれをいかに「いいかげん」で「乗り切ってきたか」を思い出してみようと思います。

私がバレエを始めた教室の場合は、バーが比較的決まってて、パタンが少なかったので、一度覚えてしまえば初心者でもなんとかついていけました。その点ではラッキーだったとも言えるし、本当はバーというのは変化のある方が良い面もあるので、アンラッキーだったとも言える。

それはともかく、「プリエ」は「曲げる」こと。これを「正しく」やるのは至難の技で、私なんぞは、「正しく」の1000歩も1万歩も手前におりますが、大体の教室ではこれを「2番→1番→4番→5番」あるいは「1番→2番→4番→5
番」の順番でやるんじゃないでしょうか。R教室でもN教室でもこのどちらかのパタンです。R教室は2番で始めることが多くて、N教室は1番で始めることが多いけど、これも同じ先生によっても日によって違ったりします。

「1番と2番どっちが先?」の奥深い意味は私にはまだ謎ですが、ここで「深く追究しない」「いいかげん」が大切。疑問は一度にすべて解決するのではなく「貯金」しておいて、「分かる時期がきたら一つずつ」解決していくのがよろしいかと思います。…という訳で、私もこれについては「謎」のまま放ってあります。いずれ気がむいたら先生に聞いてみようかと思います。

メソッドの違いというのもあるのかな? イギリスでレッスンすると2番が先のところが多い気がするし、1番が先ってのはロシア系? んなことないのかな?T教室はワガノワということでしたが、1番から始めてましたね。

それはともかく、初学者が「混乱」するのは、プリエの時の「ポールドブラ」なんじゃないでしょうか。この「ポールドブラ」は①プリエする時の手の動き、というのと、②○番プリエと×番プリエの間に入る柔軟みたいなヤツの2種類がありますが、①においても②においても、「え~? 次はどうだった? あれ~?あちゃちゃちゃ~?」となる(私もなった…というより今もなる)のではないかと思うのです。

プリエには「ドゥミ・プリエ」と「グラン・プリエ」があるけど、この組み合わせがどんな回数で来るか?というのも初学者には「鬼門」かもしれません。

そこで第一に何回「曲げるのか?」…この回数を把握しましょう。

「ドゥミ・プリエ1回→グラン・プリエ1回」なのか「ドゥミ・プリエ2回→グラン・プリエ1回」なのか。とりあえずは、「これだけ把握!」。それだけでもたいしたもんです。

で、「その時手はどうするのぉ?」っていうのはあると思うんだけど、わからなかったら「無視する」。アラセコンドのまんまやってみてはどうでしょう?

教室によっては怒られるかもしれないけど、怒られたら「どうしても混乱してしまうのでまず手はなしでやってもいいですか?」と聞いてみましょう。そういうの「絶対に!」許さない教室であれば、家で手なしで「自習」してみましょう。

1番から5番まで、「ドゥミ・プリエ1回→グラン・プリエ1回」とか「ドゥミ・プリエ2回→グランプリエ1回」とかいうこともあれば、「2番だけはこの組み合わせを2回」とか「5番だけはドゥミをやらずグランプリエを2回」と
か、ちょっとしたバリエーションはあるけど、まずは、この「脚」の部分に集中して覚えてみてはどうかしら?

で、「手」はアラセコンドのままにするか、あるいは「他人のを見て真似る」。ただし、「脚」だけは「自分で覚える」あるいは「覚える努力をする」。

まずはそうやってみたらどうかな?

私は最初の頃、分からない時は手は「無視」することにしてました。で、だんだん「足」の動きが分かるようになってから「手」をつけるようにしてました。

T先生が「分からなかったら手はアラセコンドのままでいいから足だけまずやってごらん」って言って下さったことが時々あったようなほのかな記憶があるんですよね。で、多分、そのために私は「分からなかったらまず足から覚える」ようにしてきたのかもしれないです。(N教室のS先生も初心者が混乱してると「分からなかったらとりあえず足だけやってみて」っておっしゃいます。だから、この「まずは手を無視して足」というのは、バレエ的にも「妥当」なのかもしれません。)

今でも手も足も両方やると「混乱」しそうな時は「勝手に」「手」を省略しちゃったりすることもあります。あるいは「腰の骨が動いてないか確かめながらやってるフリ」して「腰に手をおいて」(もちろん確かめるためにやってることもあるのよ)、足だけやる時もあります。

全部覚えようという「真面目」が全部ごちゃごちゃになって「訳分からん」になってしまうよりは、「手は省略」という「いいかげん」が「足だけは分かるようになった」という「良い結果」につながることもある…と私は思うのね。

「破滅型」(何もかも真面目にやってすべてが御破算になる)の「真面目」より、「いいかげん」(少しだけでも)の「真面目」の方が成果が上がることもある…。そう私は思うのであります。