「続ける」だけが目標の日々(2)-断乳とバレエ再開 

妊娠・出産はきわめて順調だった私ですが、授乳でつまづきました。出産前日まで自宅で働いていたこと、退院したその日から自宅で仕事を再開したこと…が悪かったのかもしれません。原稿の締切りや顧客のお世話や…というのがあって、原稿書きや顧客の提出する書類チェックと顧客との電話でのやり取りというのを、すぐさま始めてしまったのです。

出産は重労働。やっぱり無理がたたったのかもしれません。乳腺炎というのになりました。夜中に突然寒気がして体がガタガタ震えだし、止めようと思っても止まらないんです。医者が見過ごしたけど胎盤が残っていたのか? このまま死ぬのか(胎盤が体内に残っていると死亡する)?と思いました。体温計を脇にはさもうにも痛くては
さめない状態。多分熱は42度とかそれ以上だったんじゃないかと思います。

翌朝、母乳マッサージをやっている所に行ってみると「乳腺炎」とのこと。乳房という身体の中のほんの一部、そして乳腺という細い細い腺がつまっただけで、あんな身体中がガタガタするほどのすごいことが起きてしまうんですね。

で、翌日からしばらくの間は毎日マッサージに通いました。医者に行けば即手術で母乳も止めなければならないケースだったんじゃないかと思います。マッサージの方のお話しによれば、今の人は栄養が良すぎて母乳も(乳?)脂肪分が高く、どうしても乳腺がつまりやすくなってしまうとのこと。乳腺ってそれまで使ったことのない腺だ
し細いので、通りも悪いんだそうです。

で、母乳の質を良くするために…ということで、「粗食」を勧められました。私はあの突然の「おこり」状態の恐怖が忘れられず、母乳がつまるのは高カロリー・高脂肪のものを食べるせい、と言われて、「食べる」のがこわくなってしまい、一種の拒食症状態になってしまい、ご飯(これはお薦めらしい)、白身の魚(を少し)、野菜類(とくに根菜類がお薦めらしい)というような食事。いや~、母乳出してる時ってカロリー消費量がすごいし、それなのに食べない状態なので、みるみる痩せていってしまいました。激ヤセ状態でした。この時は森下洋子さん並の体重になりました。

苦しかったです。でも、授乳自体は楽しく、マッサージのおかげで何とか乳腺炎ももちなおしました。「圧抜法」という「おっぱいに呼吸させる」方法があるのですが、これを2時間に一度くらいしてるとあまり乳が張らずに済みます。この「圧抜法」のおかげで産後8週間で職場復帰した後も、生後10ヶ月まで「働きながら母乳育児」を続けることが出来ました。

この乳腺炎のことがあったので、断乳まではバレエの再開はひかえました。運動で体温が上がるのが恐かった…。丁度Qが10ヶ月ぐらいの時にタイ出張が入っており、母乳マッサージの人からは「圧抜法してれば大丈夫よ」「1月以上の外国出張を圧抜法で乗り切って帰国してから母乳育児を続けた人もいますよ」と言われたんだけど、やっぱり恐くて断乳しました。

まぁ、現代医学的には断乳に丁度良いとされる時期で、お医者さまからは「これ以上は母乳も栄養がなくなるし、今やめるのが一番良いタイミングです」と言われました。

「まだまだ出てるものを止める」ということで、これはこれで大変で、3日間くらい高熱に苦しみました。が、まぁ、無事断乳に成功し、晴れてバレエ再開できる身になりました。

で、秋を待ってバレエ再開しました。Qが産まれてしばらくして職場のそばに引っ越したため、以前のT教室には通いきれないし、子どももまだまだ小さい…ということで、「一番近い」というのを最大の理由に(R教室のような立派な教室に対しずい分失礼かもしれないのだけど、その時は仕方なかった)R教室を選びました。事前に発
表会はチェックして、「絶対イヤ!」という教室じゃない…ということだけは確認しておきました。

大人のクラスの踊りについては、「幾何学的」な振り付けだなぁ…というのがその時の印象。でも、スッキリした良い振り付けだと思いました。

R教室とのつき合いは、だから実はすごく長いんです。Qの年齢とほとんど変りません。