そして、「準大人」、というか、18歳ぐらいの子たちの存在も重要です。T教室でも、「本物の」大人の私が入門する前に2人の18歳で始めたという人たちがいました。彼女たちは大学あるいは短大の時にバレエを始め、卒業後も仕事をしながらバレエを続けていました。だから、29歳というような年齢で始めた人は、T教室では私しかいなかったけど、「準大人」で始め、しかも、「本物の大人」になっても続けてる人はいたんです。
彼女たちは、とても練習熱心で、かなり踊れるところまで行ってたので、「準大人」で始めても「ここまでできるようになる」というのは、先生やレッスンメイトに彼女たちが充分示してくれていました。そして、私を一番助けてくれたのも彼女たちでした。私が入門した時には2人とも私より少し年下でしたが、なにくれとなく助言してくれたり、お茶に誘ってくれたり、本当に親切にしてもらいました。
こういう「準大人」で始めた人がいたからこそ、先生も「もうちょっと年上の大人でも大丈夫かも」って思ったんだと思います。そしてずりずりと20代前半の人、20代後半の人、30代前半の人・・・というふうに、入門可能年齢を引き上げていく、その最初の一歩を、「準大人」が作ってくれたんだと思うんです。
そして、こういう「準大人」で始めた人たちが、あちこちの教室で「本物の大人」で始めた人を励まし、助けてくれていたんだと思います。こういう「準大人」で始めた人たちに導かれて、「大人から」組もバレエの道を歩んで行けるようになったんだと思うんです。