バレエとの出会い(2)

「大人になってもバレエを始めることが出来る」ということを知った私が次にしたことは、教室選び。

当時はまだ大人のバレエはさかんではなかったのだけれど、少しずつ大人のバレエ・ブームが始まりかけていた頃だったのかもしれません。バレエ関係の本の出版なども少しずつ盛んになってきていました。

私 が参考にしたのは、マーゴット・フォンテンの『バレリーナの世界』でした。その本の中で、彼女はバレエの先生を選ぶ時の注意点に言及していました。当時私 は実家の近くに住んでおり、小学生の頃友達が通っていたバレエ教室(で、私も行きたかったけど行かせてもらえなかったところ)が、通うのに便利なところに ありました。その教室、T教室の案内を読む限りでは、マーゴット・フォンテンがあげた 「通っても良い教室」の条件をほぼ満たしていると思えたので、大人を受け入れてくれるかどうか、問い合わせ、先生をお訪ねました。

当時す でに結婚していたのですが(学生結婚)、夫もつきそって来てくれました。私の夫は、かなり「バター顔」(古いなぁ)で、欧米人っぽい体つきです。東北出身 なので多分ロシアの血が先祖のどこかで混ざっているのではないかと思います。T先生は「大人でも大丈夫ですよ」と力強く私に言ってくださったのですが、私 よりは夫の方にずっと興味を示し(ロシアのダンサーっていう顔つきと体つきなので)、「ご主人もいかが?」としきりに勧誘していました。残念ながら入門し たのは私だけでしたが。

当時29歳になったばかりの私はこうしてバレエを始めたのです。

バレエとの出会い(1)

私がバレエを始めたのは、今を遡ること十数年前のこと。当時私は大学院の学生で、英会話学校に通っていました。

あ る日英会話のクラスが終わって、帰る方向が一緒のクラスメートの1人と電車の中で一緒になりました。彼女はかつてはプロのバレリーナとして舞台に立ってい た人ですが、「教え」の方に転身するため、イギリスに留学しRADの資格を取って帰国したばかりでした。彼女はRADのもっと上級の資格も狙っていたの で、その後も英語で試験を受けつづけなければならず、英語をブラッシュアップするために、そのクラスに通っていたのです。

たわいないお しゃべりが続く中、私は、ほんの話の「接ぎ穂」のような感じで、 「私、小さい頃バレエが習いたかったんだけど、習わせてもらえなかったんですよね。大人になってからじゃ無理ですよね」と言いました。私が予測していた答 えは 「もちろん無理です」というもので、これはまぁ、「質問」というよりは、単なる会話をはずませるための「挿入句」みたいなつもりでした。

でも、彼女の答えは私の予測とは180度違って、「あら、プロを目指すんじゃなければ何歳からでも始められるわよ」というものでした。

これで私の人生変わっちゃったんですよねぇ。