イギリス紀行(10)-グリニッジ(2004年8月)

イギリスに行く前に、Qに「イギリスでどこに行ってみたい?」と聞いたら、「グリニッジ」という答えが返ってきました。お、渋い!

なので、行ってみました。

今は、ここは天文台としては使われていませんが、17世紀、チャールズ2世の時代からつい最近まで、ここは王立の天文台でありました。

グリニッジ天文台と言えば子午線の始まり(東経・西経0°)が通っている場所として有名です。

「経度」って、今私達は当たり前みたいに使ってますが、実は、この「経度」の発見って、とっても大変なことだったんだそうです。

ヨーロッパ人が「大航海時代」に世界各地を「探検」していた頃、実は、地球の全体像は分かっていませんでした。だから、航海も「手探り」の部分がありました。自分達の「現在地」を知るっていうことも、全体像が見えてないので、とても難しいことでした。

「緯度」の方は、比較的簡単に発見できました。星の高度との関係で、自分達の位置を計ることが出来たんです。

でも「経度」の方はそう簡単にいかなかった…。そこで、「経度」というものの測定方法を巡ってさまざまな試みがなされたのです。そういう営みの結果として、私たちは、「日本では東経135°の明石の時間が標準時」みたいに、平気で「経度」を使って、ある場所の位置関係を叙述しているのです。

また、天文学というのも、過酷なライフスタイルを強いられる天文学者の営々たる営みによって発達したものでした。グリニッジ天文台に居住する王室直属の天文学者達は、星を観察するために昼間寝て、夜一晩中仕事をするという、生活を強いられたのです。

科学の発達の後ろにある、たくさんの人類の「努力」の総量って、本当にすごい!

Qは子午線をまたいで写真を取り、「世界を股にかけた男」とご満悦でした。