もう一度舞台!(7)-発表会におけるインフォームド・コンセント 

そうこうしているうちに発表会の「お知らせ」をいただきました。そこには、「週1回で3年以上(だったかな?)、週2回で1年以上を経た人」というような、「出場資格」が書いてありました。そして、「他教室での経験年数も含む」とあったので、私の場合、「出場資格」は軽くクリア。

で、練習時間については、「初心者クラスの人は初心者クラスの後に、初等科の人はレッスン時間内に練習します」と書いてありました。

N教室に通い出して半年ぐらいのことでしたので、まだ教室の仕組みもよく分かっていなかったのでしたが、この教室に入門した目的が「もう一度舞台!」だったので迷わず出場を決めました。Qもまだまだ小さかったし、「週1回の人で○年」ということは、「週1回の人でも出場が許される」=「発表会の練習は週1回でもこなせる」と思った(>思ってしまった)というのもあります。

T教室で、幕物を踊ってた時は発表会といえば、幕物の中に2つや3つは踊りがあり、それ以外に小品があったので、「いっぱい」踊るのが普通でした。それに比べれば、小品一つくらい週1でも何とかなるだろう…と思った(>思っててしまった)というのもあります。

このあたりのことは、ほんと、「不文律」というか、だんだんに「各教室の文化」を肌身で感じて学んでいくしかないのですが、当時の私は「舞台に出たい!」ということに目がくらんでる状態でしたから、とにかく、その「出たい」一心で突き進んでしまってました。

で、いよいよ練習が始まるという時になって、「あなたは初心者クラスで出てもらうので、練習は火曜日と金曜日の夜10時からです」と言われ、「ひぇ~!!!!!」と驚いた…という次第。

「大人」はたとえ「初等科」に属していても、「初等科」の時間帯に練習があるとは限らない…という「ルール」があったことを私は知らなかった。「初等科」の時間帯は「初等科」に所属している中学生・高校生の子の作品をそのレッスン時間内で練習することが多いのです。

まあ、でも、金曜日は夫がいてくれる日なので、夜遅くてもなんとかなるだろう…と思い(>この時点では週1で何とかしようと思っていた。火曜日は夫がいない日だから)、とりあえずは、「うそ! 聞いてないよ!」と思ったけど、なんとかしようと思いました。

「教室を変わる」ということは、こういう「カルチャー・ショック」に次々見舞われることです。

もちろん、はじめての教室ではじめての発表会に出る…というのも「カルチャー・ショック」ではあるのだけれど、その場合は「比べる物がない」というのも逆に強みになるし、また、みんなが「彼女ははじめて」ということを知っているのでフォローがあるけれど、経験者で教室移ると、そのあたりのフォローがなかったりする。

ほんとは、教室を変わって新しく入ってきた人には、もうちょっとこのあたりのフォローが欲しいところです。でも、長い間一つの教室にいると、そこの文化が「常識」になってしまっていて、新しい人が「どこでとまどうか」っていうのは見えにくいかもしれないです。

そもそも助教の先生たち、N教室育ちだから、私がT教室での発表会のあり方を「そんなもんか」とすべて受け入れてたのと同様に、「発表会ってそんなもん」と思ってらっしゃるというのもあると思う。そして、どこの教室でも発表会の前って修羅場だし、先生達は本当にお忙しい。

だから、このあたりは、生徒同士で補っていかないといけないのかなぁと思います。私も最近ではN教室のやり方に慣れてしまっていて、新しい人が来てもどこでとまどいを感じているか…というのを感じ取る感覚が鈍ってきてしまってる面もあるんだけど、新しい人やはじめて発表会に出る人にはなるべく「声かけ」をして、私で補えるところは補いたいと思っています。

私は「踊り」で教室に貢献することは出来ないけれど、N教室が大好きだから、こういうことで少しでも貢献できれば…と思っているんです。