舞台を重ねる (1)-R教室の「大人のポアント」レッスン 

なんとか無事にN教室で舞台復帰を果たし、その後も週1回を何とか確保…という感じの細々ペースではあったけれど、淡々とレッスンを重ねていました。

そうこうしているうちに、R教室に「大人のポアント」のレッスンが始まったんです。「大人でもポアントを履きたい!」と、レッスンメイトが先生に訴えて、作ってもらったクラスです。通常のクラスの後に希望者だけ、別料金で15~30分のポアントのレッスンが提供されることになったんです。

バーに掴まって、ポアントワークを基礎から教えていただきます。これ、私、すごくためになりました。

そもそも、出産後レッスン復帰してからは、ポアントを履く機会そのものがほとんどなかったので、ポアントを定期的に履けるということ自体がうれしかった。

で、私の場合、ポアントワークは、自分で「大人のポアント基礎」のコースにも通ったりはしていたけれど、基本的には「見よう見まね」で身につけてきた部分が大きく、「よく分かってない」けど「なんとなくやってる」というのがいっぱいあったんですよね。

そんな訳で、ポアントワークを「一から」教えていただけるというのは、とても貴重な機会で、「あぁ、そうだったのか。間違って覚えていた」ということがいっぱいありました。

ただ、「えいや!」とやってしまうことの「良さ」も皆無ではなく、私は「脚が強い」とよく言われるけど、それは多分、T教室で「えいや!」と量をこなしていたため、というのがあると思うんです。先生達は「なんとなく」でもいいから、とにかく動いて!とよくおっしゃるけれど、私が、ちゃんとは動けなくても、なんか良く分からなくても、レッスンで「なんとなく」動けるのは(>ひどく間違っていたりするけど)、それはやっぱり、「えいや!」とやってきた結果身につけてきたことだと思うんです。

基礎を丁寧に重ねている、ということが、「遠くへ」行くための「近道」ではあるのだと思うけれど、先に「遠くへ」行ってから「少し後戻りして」もう一度足固めする、というのも、それはそれで悪くない。

あるいは、「仕方ない」。基礎から1つずつ一貫して上に導いてもらえる教室にずっと所属し続ける、ということが大人には出来ないことも多いから。転勤・引っ越しなどで、「えいや!」の教室しか通えなくなって、その後また事情が代って「基礎をしっかり」の教室にしか通えなくなって…というような「ジグザグ」が避けられない場合も多い。

そんな時、それぞれの良さを上手に「結び付け」そして「積み重ねて行く」というのが大事だと思います。

私の場合は、とりあえず、行ける能力がないのに、しゃかしゃかと「遠くへ」行ってしまったので、道が穴ぼこだらけで、後戻りして、その穴を一つずつ埋めていくしか他に手がない…という感じですね。

R教室で、本当に基礎から大切に大切に一歩ずつ進んでいるレッスンメイトがいて、時々、「私も彼女みたいに基礎から一歩ずつ積み重ねて進んできたかったなぁ」と思うこともある。でも、後戻りは出来ないし、私は私で、「えいや!」とやらせてもらってしまった「良さ」を何とか生かしていくしかないのだと思う。

…という訳で、このR教室の「大人のポアント」のレッスンは私にとってはとても大切なものとなりました。